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報道の政治的公平性② 「電波は国民のもの」の真意は?

time 2016/03/03

報道の政治的公平性② 「電波は国民のもの」の真意は?

 この記事は、報道の政治的公平性①からの続きです。
 ⇒報道の政治的公平性① 「政治的中立」がなぜ「報道規制」になるのか?

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「電波は国民のもの」なら国民が決める?

 「電波は国民のものであり、所轄官庁のものではない」
 会見の声明文では、高市総務相の発言をこのように批判しています。
 「電波は国民のもの」であり、「メディアのものではない」のです。

 メディアやキャスターは、自らを国民代表と考えている節があります。
 しかし、彼らを国民代表とするバックグラウンドは何もありません。
 政治家は、選挙によりその負託を得ますが、彼らは勝手に名乗っています。

 「電波は国民のもの」であることに異論はありません。
 「国民=メディア」ではないことも明白です。
 では、メディアは誰の負託を得て、電波の利用権を有しているのでしょう。

 テレビ局が、電波権を持つのが妥当かを国民に問うたことはありません。
 「国民のもの」と言いつつ、一度たりとも国民に問うたことはないのです。
 これは、メディアの「誤魔化し」であり「傲慢」の表れです。

 そこまで言うなら「電波権承認国民投票」をやればいいのです。
 それを5年ごとに行い、きっちりと負託を得れば文句はありません。
 「国民のもの」と言い切るなら、そこまで提言しないと話になりません。

野党は政治的中立を求めないのか?

 「国民のもの」であるから、国民の負託を得た政治家が判断する。
 だからこそ、所轄官庁の長である総務相が、電波停止の権限を持つ。
 これはひとつの解であり、筋道が通った話なのです。
 少なくとも、メディアが自身で判断するよりも、遥かに健全な制度です。

 政治家が判断する前提で言えば、政権与党に対して野党の存在があります。
 野党はメディアに「政治的中立」を求めないのでしょうか?

 共産党などが扱いの小ささから「政治的中立」を提起したことはあります。
 しかし、野党の民主党が「政治的中立」を求めたことはありません。
 中立に完全な真ん中はないのですから、どちら寄りかは明白なことです。

 ジャーナリスト諸氏は、会見を開くよりも野党に訴えるべきです。
 そして、選挙の争点として浮上すれば「国民の負託」の代替になります。
 民主主義を語るなら、それが議会制民主主義の基本ではないでしょうか。

 もちろん、ジャーナリスト諸氏が選挙に立候補されてもよいのです。
 会見を開いて「怒る」というのは、ショーでしかありません。
 傍観者、評論家という気楽な立場では、国民に届かないでしょう。

旧世代の「怒り」は時代遅れか?

 「怒り」という感情をスローガンにするのは、インパクトがあります。
 かつては彼らの怒りに同調して、追従する人がたくさんいたのでしょう。
 しかし、現代に彼らの怒りに追従して行動に出る人がいるのでしょうか。

 会見はもっと多くのジャーナリストに呼び掛けられています。
 その結果、集まったのが6名だったというのも、ひとつの答えです。
 「出れないが応援はしている」という断り文句があったそうです。
 恐らくは社交辞令なのに、得意気に紹介する姿は悲哀を感じます。

 高齢になると、それまでの価値観を変えられないのは仕方のないことです。
 自分が正しいと信じて「変化」を軽視するのは誰にでも訪れること。

 メディアが絶対的信頼を得ていた時代はとっくに終わっています。
 ぼろぼろだった民主政権時代により、自民党への信頼感は強まりました。
 逆に、メディアへの不信が強まっているのが現状です。

 それがわかっていても、これまでの価値観を変えられない。
 そんな姿が垣間見えた気がしました。

電波権返上のススメ

 政府の監視はメディアの役割、ではメディアの監視は誰がやるのか?
 それが「国民」だというのなら、電波権を一旦返上してはどうでしょう。
 再度、どの報道機関に分配するかは、国民が決めるのです。

 これが実現すれば、「電波は国民のもの」が現実のものとなります。
 メディアも大手を振って、政権批判に勤しむことができるというもの。
 政治家に文句を言われても、「国民に選ばれたのだ」と言えばいいのです。

 日本は議会制であり間接民主主義を採用しています。
 国民が選んだ政治家が、国民の代理として政務に携わります。
 電波権の返上先は政府であり、再分配するのは政治家の仕事です。
 政治家が国民の代理である以上、それが「国民の判断」です。

 ぐるっと回って、結局は総務相が電波停止の権限を持つのは妥当なのです。
 批判するようで、妥当性を支持していることになってしまっています。
 結局、「怒り」はしても何が言いたいのかわからない会見になのです。
 どの業界でも、必要なのは政権交代ではなく、世代交代です。

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コメント

  • That’s a smart answer to a difiucflt question.

    by Jermajesty €2016年6月19日 15:35

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