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報道の政治的公平性① 「政治的中立」がなぜ「報道規制」になるのか?

time 2016/03/03

報道の政治的公平性① 「政治的中立」がなぜ「報道規制」になるのか?

 高市総務相が放送局の電波停止に言及したことへの反発が続いています。
 田原総一郎氏や鳥越俊太郎氏などの著名ジャーナリストが揃って会見。
 「私達は驚き、怒っている」として、声明を発表しました。

 そもそもが、電波停止の権限が総務相にあるという発言は過去にもあります。
 民主党政権時代の平岡総務副大臣が同様の主旨の発言をしています。
 そのことは産経新聞でも報道され、批判の声に疑問を投げかけていました。

 著名なジャーナリスト諸氏が、そのことを知らないなら「驚き」です。
 ましてや、産経新聞で最近報じられたことなので、知らぬはずがありません。

 ただ、その件は一旦脇に置いておきましょう。
 会見を見るに、怒りは高市発言に限って怒っているわけではないからです。
 これまでの自民党の、彼らに言わせれば「弾圧」に怒っているのです。

 しかし、彼らの言い分は矛盾と傲慢に溢れていると感じて仕方がありません。
 その点を分析していきたいと思います。

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著名ジャーナリスト6名とは?

 まずは、著名ジャーナリスト6名を紹介しておきましょう。
 各紙の報道だと、田原氏、岸井氏、他4名という紹介が多いので。

 田原総一朗 (81歳) 朝まで生テレビ!など多数出演
 岸井成格  (71歳) 安保法案への発言が公平性がないとして問題に
 鳥越俊太郎 (75歳) マスコミ9条の会呼びかけ人など
 大谷昭宏  (70歳) マスコミ9条の会呼びかけ人など
 金平茂紀  (62歳) TBS役員
 青木理   (49歳) 元オーマイニュース副編集長

 全体的に「高齢者の集まり」という印象です。
 49歳の青木さんは、名立たる方々に比べて知名度は低めといったところ。
 オーマイニュースは鳥越俊太郎氏が初代編集長のネット新聞です。
 その頃からの繋がりで賛同したのでしょうか。

 高市総務相はまもなく55歳ですから、彼らより遥かに年下です。
 物言いが「上から目線」「老人の説教」になるのも仕方がないこと。
 そこは百歩譲って、内容に移っていきましょう。

政治的中立を求めることが報道規制になるのか?

 会見の主旨は「電波停止」発言に限っての批判ではありません。
 これまで自民党がメディアに出した「要請文」にも向けられています。
 また、報道各社のトップ級が安倍首相と会食することも批判しています。
 それらが「メディアへの介入」であり、「報道自粛」を助長していると。

 要請文にせよ会食にせよ、政治側から「介入」することはありえません。
 あくまでも「政治的中立」を求めるのが限界です。
 「政権よりの報道をせよ」なんて迫ったのなら、大問題は間違いなしです。
 つまり、政治的中立を求めたら、メディアが自粛を始めたというわけです。

 これは、メディア側の社内問題であって、政府批判はお門違いなのでは?
 中立かどうかというのは、程度問題でしかありません。
 自粛したというなら、メディア側に「やり過ぎ」の負い目があったのでは。
 となれば、正しいスタンスに是正されたことで喜ばしいことのはずです。

 「政治的中立を求めるのは、政権寄りになれというメッセージ」
 そう受け取ることが、できなくもありません。
 しかし、それはメディアのトップの方々に対して失礼なのでは。
 それなら、著名ジャーナリスト諸氏はトップの方々を批判すべきなのです。

 彼らも、トップに嫌われたら仕事がなくなるのを気にしているのでしょうか。
 その程度なら、偉そうに会見など開かないで頂きたいものです。

ジャーナリスト諸氏は中立だった?

 報道機関は、政府の監視機関の役割を果たすのが民主主義です。
 そのため、彼らが政権を批判するのは何ら間違ったことではありません。
 しっかりと疑いの目を持って、厳しく指摘していくのが本分です。

 では、政治的中立とは何かといえば「偏り」がないことを指します。
 政権を批判するなというのではありません。
 「偏った報道」により一方だけを批判するな、ということです。

 民主党政権時代に、変わらず「政権批判」をやってこそ「中立」なのです。
 振り返ってみて、ジャーナリスト諸氏は「中立」だったのでしょうか。

 田原氏、鳥越氏、大谷氏といった面々は、政権交代を大歓迎していました。
 そして、民主党の拙い政権運営は「大目に見てあげる」というスタンス。
 現実的に、定期的な政権交代がない日本では、仕方がないことです。

 しかし、初期だけならまだしも、長々とそれが続けば「偏り」です。
 悲願の政権交代実現のあまり、誰も政権批判しない時期が長くありました。
 それが現在の「メディア不信」につながっているのです。
 メディアの中にいると、そこに気が付けないものなのでしょうか。

 ⇒報道の政治的公平性② 「電波は国民のもの」の真意は?

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