ナレッジ ウォーカー 「時事散策」

ベッキーは性差別を受けている? 英紙報道にみる文化の違い

time 2016/02/10

ベッキーは性差別を受けている? 英紙報道にみる文化の違い

 新春から大騒動となったゲス川谷×ベッキーの不倫問題。
 ベッキーはラジオも含めて全番組、全CMから降板し活動休止するという。
 対してゲス川谷は、ニューアルバムを引っ提げて活動を継続しています。
 3月には日本武道館で公演する予定というのだから、順風満帆です。

 芸能人としての立ち位置の違いはあるにせよ、あまりに違う不倫の代償。
 「なんで川谷は平気な顔で表舞台に出れるのか」という声もあります。
 そんな「格差」を「性差別」と報道した新聞がありました。
 それはなんと、英国のガーディアン紙なのです。

 ところが、これがどうも様子がおかしい、違和感しか沸いてきません。
 なぜこんな流れになるの?と考えると、根底に文化の違いを感じます。
 ベッキーも、英国だったらここまで叩かれなかった?

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天下のガーディアンの伝えたいこととは?

 ガーディアン紙といえば、英国の100年近い歴史がある大手新聞社です。
 いわゆるタブロイドではなく、高級紙(Quality paper)になります。
 ベッキーは英国とのハーフとはいえ、日本の芸能ニュースが載るんですね。

 とはいえ、そこは高級紙ですから内容は「性差別」とお堅くなります。
 ところが、記事の流れが徐々にずれて、違和感だけが残る内容なのです。

 まず、ベッキーを清純派タレントとして紹介しています。
 そして、売れっ子であったのに不倫騒動ですべてを失ったとしています。
 対して、不倫相手の男性は何の影響も受けていないというのです。

 ここまでは、日本でも沸き上がったゲス批判と構図は同じです。
 客観的にみれば、女性ばかり代償を払い、男性は無傷という状況です。
 これが日本の根底にある「性差別」という論調ならわかります。
 ところが、方向性がやや斜めに進んでいきます。

 日本では女性アイドルが男性ファンを意識して「恋愛」を禁止されます。
 かつてはAKB48の峰岸みなみが恋愛禁止を破って丸刈りになりました。
 成人である20歳を過ぎたら、恋愛を禁止すべきではない。
 そして、峰岸みなみの丸刈り動画が添付されて記事は終わります。

 どうして不倫騒動が恋愛禁止の話にすり替わってしまうの?

英国では不倫と恋愛は同列で語るもの?

 不倫騒動で女性ばかりが代償を払わされている。
 日本の芸能界には女性アイドルは恋愛禁止というルールがある。
 これが「日本の芸能界に存在する性差別」だというわけです。

 どうやら英国では不倫は恋愛と同じものだとみるようですね。
 日本では不倫は不義・不貞として恥ずかしい行為とするのが普通です。
 自身が未婚でも相手が既婚なら、相手の伴侶に対する不義になります。

 英国ではこの価値観が根本的に違うというように読みとれます。
 ベッキーは成人の未婚女性で、誰と恋愛するのも自由なのだと。
 謝罪しすべてを失ったのは「恋愛禁止」のルールを破ったせいだと。

 これ、日本の価値観とは相容れないですね。
 ベッキーが独身男性との熱愛が報じられても、こんな騒動にはなりません。
 CMも番組も降板せずに、芸能活動を続けられたでしょう。
 むしろ、年齢的にも祝福されたのではないでしょうか。

ガーディアン記者は日本の芸能界に疎い?

 そもそも恋愛禁止って、女性アイドルだけのルールではないでしょう。
 男性アイドルも同じルールが暗黙で課せられているのは明白です。
 ジャニーズのタレントで自由に恋愛した人なんていましたっけ?

 女性にも男性にも当てはまるなら、それは「性差別」ではありません。
 経営者が雇用者に対して過干渉である業界、というレベルの話です。

 欧米の芸能人が、しっかりと人権尊重されているのはわかります。
 芸能人である前に、一人の人間であるという考えがしっかりとあります。
 日本のアイドルは偶像的過ぎ、という批判は納得いくものです。

 でも、これはあくまでも比較論としての話でしかありません。
 差別とか人権蹂躙と言われるほどのものではありません。
 いうなれば、文化の違い、価値観の相違という枠の中の話です。

 ガーディアンの記者は日本の芸能界や文化に疎いのでしょうか。
 英国の文化・価値観を前提に記事を書いているように感じます。
 「性差別」なんて過激な言葉を使う前に、日本の文化を理解すべきです。

日本人は「性差別」と感じているの?

 ゲス川谷×ベッキーの不倫騒動は大きなニュースになりました。
 でも、日本の記事で「性差別」とまで書いたものはないのでは。
 「キャラの違い」によるものと理解しているのが大半ではないでしょうか。

 ベッキーといえば爽やかで清々しいイメージを売りにしたタレント。
 不倫というドロドロの行為とは真逆の位置にいる人です。

 対して、ゲス川谷は「ゲスの極み乙女」というバンドのボーカルです。
 自身で「ゲスの極み」と名乗るロックバンドですから、推して知るべし。
 ロッカーであれば、反社会的行為も表現活動の一環といえなくもないです。

 また、恋愛禁止と絡めた日本の記事も見たことがありません。
 そもそも、恋愛禁止は男性ファンを意識してのルールであるはず。
 不倫騒動でベッキー批判の先鋒にいるのは女性達です。
 ターゲットが違うのですから、関連があるはずがありません。

英国のバックグラウンドをみてみると?

 自由に恋愛せよ、と同じ重さで「自由に不倫せよ」が英国文化でしょうか。
 紳士淑女の国というイメージは改めなければなりません。

 ただ、英国では結婚というものが近年、大きく変わりつつあります。
 結婚件数は過去最低水準で、籍を入れず同棲する事実婚が増えています。
 あちらのバックグラウンドを理解すると、少し見え方も違います。

 結婚しない理由のひとつは「お互いの自由を尊重するため」だそうです。
 その自由には、恋愛の自由も含まれているのでしょう。

 つまるところ、既婚者が減ることで不倫も減りつつあるのが英国です。
 事実婚者との恋愛を不倫と見なしているなら、不倫の定義が違います。
 こうした背景があるなら、ガーディアンの記事も理解できなくもありません。

 なにげに、異文化の相互理解の大切さを感じた記事でした。
 元は、不倫騒動と性差別という内容だったのに、飛躍したものです。

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