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インドネシア高速鉄道 着工前から早くも危機!日本が尻拭いか?

time 2016/02/01

インドネシア高速鉄道 着工前から早くも危機!日本が尻拭いか?

 昨年10月、インドネシア高速鉄道計画で中国案が採用されました。
 日本案有利とされてから、一度は白紙撤回、後に中国案採用という大逆転。
 日本案の採用間違いなしとみらていたので、大きなニュースとなりました。

 ところが、起工式から波乱含み。
 建設許可が下りない内から「見切り発車」で強引に起工式を実施する事態へ。
 建設許可が出せないのは、未提出の必要書類あるからだとか。
 提出されても中国語で書かれており、担当者が読めないなんてことも。

 これで急転直下、日本案が再燃する可能性はあるのか?

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「インドネシア政府の財政支出や債務保証なしで建設できる」

 もともとが、日本案を蹴って中国案が採用された経緯がひどいものでした。
 日本が数年かけて調査したデータと同じものを中国は提出していました。
 中国がインドネシア高速鉄道計画に参入したのは6ヶ月前だというのに。

 さらには、白紙撤回に戻ると中国は破格の財務支援を申し出ます。
 その内容は、インドネシアの財政負担はいらないというのです。
 つまりは、タダで高速鉄道を作ってあげますよということ。

 日本案に二の足を踏んだのも財政面の負担の大きさが理由でした。
 白紙撤回にしたのも、費用対効果が見込めないという判断からです。
 そこに「財政負担不要」の条件を、中国は出してきたわけです。
 インドネシア政府としては、その案に飛びついたという流れです。

 中国は高速鉄道の輸出実績が欲しかったから、破格の条件を提示しました。
 インドネシアは財政負担なく高速鉄道が建設できるならベストです。
 両者は、win-winの関係となるはずでした。

 それがいまや、中国は「悪しき」実績を積みかねない状態です。
 インドネシアも中止にするにせよ少なからず費用が掛かってきます。
 結局、lose-loseの関係になりかねない事態に陥りつつあります。

中国はずさん?逃げようとしている?

 中国はインドネシアに限らず、アジアに影響力を高めようとしています。
 AIIBが「アジアインフラ」の名乗っているのもそのひとつ。
 背景にあるのは、拡大する中国の脅威に対抗した日米の囲い込みです。

 南シナ海では人工島を作って、国際法を破ってまで覇権を広げています。
 そのせいで米国と衝突の危機に直面しようともお構いなしなのです。
 その中国の積極攻勢を裏支えしていたのは、経済成長でした。

 ところが、年明けから中国経済は大失速。
 経済成長率も下方修正され「大盤振る舞い」に陰りが見えてきました。
 中国内でインドネシア高速鉄道計画に否定的な意見もあるといいます。

 中国が日本よりずさんであることは誰もが知っていることです。
 逆に、日本よりきっちりしている国がどれだけあるかという話ですが。
 ただ、今回の中国のずさんな対応は、計画から逃げを打つ布石という話も。

 もしも、中国がインドネシア高速鉄道計画から逃げ出したとしたら。
 インドネシアも頼みの綱は、日本以外にありません。

フィリピン・南北通勤鉄道計画という前例

 似たような話が、フィリピンでもありました。
 こちらは、2004年にフィリピン政府より中国が鉄道建設を受注しました。
 しかし2005年に建設着手も工事遅延を繰り返して「全面凍結」に。
 この時の中国側の提案も「無償資金協力による支援」でした。

 これは2015年11月に日本が支援を行うことで合意しています。
 結局、中国が手を付けて放置した鉄道を、日本の支援で再建するわけです。
 これ、数年度のインドネシアの姿と重なります。

 支援に掛かる費用は、日本の円借款が活用されます。。
 円借款は低金利とはいえ、無償支援ではなく借金です。
 フィリピン政府としては、高い授業料を払うことになりました。

日本がインドネシアでも尻拭いか?

 インドネシアの鉄道建設がどのような顛末になるかはまだわかりません。
 ただ、フィリピンの前例もありますので、政府関係者は戦々恐々でしょう。

 日本も財政面で厚遇する案を出したのを蹴って中国案を採用しました。
 日本に引き継いでもらうにしても、その時より条件が悪いのは当然です。

 「タダより高いものはない」「安物買いの銭失い」
 インドネシアの教科書に載せて、教訓として子供達に教えていい話です。

 むしろ、アジア中の教科書に載せて、再発防止に努めては。
 尻拭いの度に、日本の名が挙げられてもたまりませんから。

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