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緊急事態条項にナチスを持ち出す「的外れ」が異常な理由

time 2016/01/20

緊急事態条項にナチスを持ち出す「的外れ」が異常な理由

 自民党が憲法改正の具体的項目とする緊急事態条項。
 これを野党は「ナチスと一緒」として批判しました。
 これに首相は「限度を超えた批判だ」と反論しました。

 民主党の岡田代表がナチスを引き合いに批判したのが先日のこと。
 今度は、社民党の福島副代表がナチスを持ち出して批判を繰り広げました。

 野党の代表クラスの方々が出てきての「ナチスと一緒」という批判。
 あまりに批判の方向が「的外れ」で勉強不足と言わざるを得ません。
 日本の野党の代表クラスはこの程度の知識量で務まるものなのでしょうか。

 なぜナチスを持ち出すのが的外れか。
 その理由は大きく2つ、少し調べればすぐにわかることです。

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世界中にある「緊急事態条項」を知らない?

 「緊急事態条項」に当たるものは世界各国に存在しています。
 例えば、昨年11月にフランスのパリで同時多発テロが起こりました。
 その際に「非常事態宣言」を発令し、現在も継続中です。

 これも「緊急事態」の対応のひとつで政府や警察権限が強化されます。
 今まさにテロとの戦いで進行中の緊急事態。
 そのことも野党の代表クラスの方々は知らないというのでしょうか。

 2001年の911事件でもアメリカは非常事態宣言を発令しています。
 諸外国には緊急事態のための備えが必ずあるのです。

ナチスの悪とは権力掌握の過程ではない

 ナチスを引き合いに出して批判するのは、悪い印象を与えたいから。
 「ナチスと一緒」といえば、多くの人が条件反射で「悪いこと」と感じる。
 そんな印象操作、レッテル貼りのために持ち出したに過ぎません。

 なぜなら、ナチスの悪は権力を掌握する過程やその方法ではないからです。
 ナチスの悪は、ユダヤ人を大量虐殺したホロコーストにあります。
 このことは欧米社会では当然の認識です。

 ナチスは民主主義の元で、正当な手続きにより権力を掌握しました。
 クーデターや弾圧、詐欺といった類の方法は使っていません。
 ドイツ国民は自らの判断によりナチスに権限を与えたのです。

 これを否定することは民主主義を否定するということ。
 緊急事態条項でナチスを持ち出すのは「的外れ」もいいとこです。

震撼すべきはこれが野党の代表だということ

 野党は「戦争法案」というレッテル貼りから進歩していないのです。
 あれは確かに成功しましたが、完全に国民を馬鹿にした策です。
 イメージがあれば本質の説明は必要ない、というメッセージですから。

 これでいずれ、憲法論議が盛り上がればデモが起こるでしょう。
 そのプラカードには「ナチス」が登場するというマッチアップです。
 これ、民族差別の話でないのになぜナチス?と外国から不思議がられます。

 一番危険なのは、野党代表が知識を持たずに発言しているところです。
 民主党は野党第一党だというのに、その党首がこれですから。
 過去に、空母にB-52が乗ると発言した福島氏は仕方ないとしても。

 戦争をしない国にしたいなら、戦争のことをしっかりと学ぶべきです。
 同様に、独裁国家にしたくないなら独裁国家を学ぶべき。
 そんな基礎も持ち合わせない人達が野党の代表である日本という国。
 そんな事実に、日本国民は一番震撼していることではないでしょうか。

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