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外国人向け地図記号「卍」で賛否 ここはひとつ「おもてなし」でいこう

time 2016/01/14

外国人向け地図記号「卍」で賛否 ここはひとつ「おもてなし」でいこう

 国土地理院が外国人向け地図記号の標記ルールの報告書を公表しました。
 インバウンドに注目が集まり、4年後には東京五輪も開催されます。
 それらをにらんでの「おもてなし」の準備だということです。

 ところが、注目を浴びているのは寺院のマーク「卍」です。
 ナチスの鉤十字に似ており、アンケートでも批判的な声があったとか。

 「卍」のマークは欧米ではデリケートに扱われています。
 ワンピースの海賊旗やポケモンのデザインに使われた「卍」が、海外版では差し替えられたという事例もあるのです。

 しかし「卍」と鉤十字はまったくの別物。
 別物であることをしっかりと説明すべき、という意見もあります。

 でも、せっかく日本まで遠路観光に来た外国人達が見るものですから。
 日本文化としては「おもてなし」の心を地図上でも見せたいものです。

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卍と鉤十字の違いは?

 卍は一般的には「左卍」と呼び、鉤十字は「右卍」と呼びます。
 どちらも、欧米など諸外国ではナチスの象徴としてみられています。

 卍は古代から世界各地で「幸運」や「吉祥」の印として使われました。
 インドから中国を経て日本へ。
 欧州へはメソポタミアを経て伝わったとされています。

 左卍は和の元とされ、回転方向は外への広がりを意味しています。
 右卍は力の元とされ、回転方向は内向きに集まることを意味しています。
 ふたつは対の関係にあり、その意味はまったくの逆となっています。

 日本の左卍は中国から仏教の印として伝わり、現在も使われています。
 ナチスの右卍はインド・ヨーロッパ語族の宗教的シンボルとされました。
 その発端はシュリーマンが発見したトロイ遺跡に刻まれたいた印でした。

 どちらも古代から東西の古代文明で用いられていた印です。
 似てはいても、その意味するところは逆です。

もしも不快な記号が使われていたら?

 まったく違う意味の記号を「似ている」という理由で排除する。
 それが、日本に古代から延々と馴染んできた印であるというのに。
 それはおかしい、という意見に同意したくもなります。

 ただ、ナチスは欧米人からするとトラウマのようなもの。
 右卍でも左卍でも、見るだけで不快感を覚える人がいるということです。

 例えば、「和式便器」のマークがある国ではレストランの記号だったら。
 その国の観光当局に「日本ではトイレのマークだから変えてはどうか?」と注進したくなる気持ちもわかるのではないでしょうか。

 逆に、「鳥居」のマークがある国ではトイレの記号だったら。
 日本でも鳥居のシールを貼ったら立ちションが激減したいう事例があります。
 印や記号というのは、文化と関係が深いのです。

郷に入りては郷に従うのも日本人らしさ

 地図記号だってその国の文化ですから、異邦人は異文化を楽しむべき。
 そういう考えもあります。

 海外旅行の一番の楽しみのひとつは異文化に触れることですから。
 不快な印があっても、その国の文化的な理由があるはずなのです。
 それを異邦人が自国文化を持ち出して口出しするのは筋違いです。

 この考え方は日本人らしさのひとつだと言われています。
 欧米では逆に、自身の文化を主張することを好む傾向があります。
 「卍」の賛否に関する議論も、日本人らしい話ということになります。

 外国人に「郷に入りては郷に従え」の態度で臨むのも日本人らしさです。
 でも、観光「客」に「おもてなし」の心で臨むのも日本人らしさです。

地図記号に世界共通はない

 外国人向けの地図記号なら外国の地図記号を使えば済むことです。
 しかし、地図記号に世界共通のものはありません。
 各国がそれぞれに定義して使用しています。

 地図にもいろいろあるので、用途によって記号はたくさん出てきます。
 その上、やはり文化的な側面もあるので共通とはいかないのでしょう。
 日本の寺院が英語でtempleでも、教会のマークでは受け入れ難いです。

 独自でいいのだから、寺院の記号は「卍」でも良いのです。
 しかし、ここはひとつ「おもてなし」の心でいってはどうでしょう。
 東京五輪の招致で、流行語大賞にもなった言葉ですし。

 外国人が不快だというなら改めて差し上げればよろしかろうということです。
 どっちにしろ日本人らしさが見れていいですね。
 日本人の伝統を大事にしつつ、柔軟さも兼ね備えているところ、大好きです。

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