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成人式は必要か? そろそろまじめに議論してもいい頃

time 2016/01/08

成人式は必要か? そろそろまじめに議論してもいい頃

 毎年、悪い意味でも盛り上がりを見せる成人式。
 今年も北九州市で「きちんとした服装」を求める異例の事態へ。
 花魁姿や、特攻服姿に住民から苦情が寄せられたのが理由だそうです。

 最近の若者は「○○離れ」が騒がれますが、「成人式離れ」は聞きません。
 公官庁主導のイベントなんて、一番に離れていきそうなものなのに。
 成人式が時代の変化に順応して、大切に受け継がれてきたともいえます。

 ところが、成人式の意味・意義を重視すべきという方々もいるわけです。
 そもそも、成人式の意味・意義ってなんでしょうか。
 現代の日本において成人式って必要なイベントなの?

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意外と新しい?戦後に誕生したイベントだった

 成人式のルーツは「元服」に始まる成人を祝福する行事です。
 元服は奈良時代から始まったそうですから、1000年以上の歴史があります。

 ただ、現代風の成人式となると、その始まりは戦後のこと。
 まだ70年程度の歴史しかない、新しい行事ということになります。

 敗戦により落ち込んだ若者を元気づけようとした「青年祭」が始まり。
 埼玉県の蕨市には「成年式発祥の地」の記念碑があるそうです。
 蕨市から全国へと広がって「成人式」として定着しました。

趣旨は理解されているとはいえない?

 成人式の趣旨は「大人を自覚し、それを祝い激励する」こと。
 ところが、成人側の認識は「同窓会のようなもの」が大半です。
 久々に友人と再会するのが目的なら、衣装が奇抜になるのも納得です。

 成人式へは、地域差はあるものの平均では半数以上が参加します。
 高い参加意欲を維持しているのは、目的が時代に順応したからでしょう。
 芸能人による講演なども、若者に受け入れられていると言えます。

 しかし、逆に首長の挨拶や、議員の激励は不要論が多いです。
 若者からすれば、目的は同窓会ですから偉い人の演説はいらないのです。
 この意識の乖離は致命的なほどに離れているのです。

開催する側のメリットは?

 開催する側は、成人式を続けるメリットはあるのでしょうか。
 戦後からとはいえ長く続いた伝統行事を途絶えさせるのはおしいでしょう。
 新成人は高い参加意欲を示しているのですから辞める理由がない。

 しかし、趣旨が変わってしまったイベントを開き続ける意味はあるのか。
 官営の同窓会というのなら、予算の付け方も違うのでは?

 ちなみに首長にとっては、成人式はとてもメリットがあります。
 全国統一地方選挙は春に行われるもの、そして成人式は1月に行われます。
 成人のほとんどは「浮動票」で、その前で演説をできる絶好の機会です。

 首長が再選を目指しており、その年が選挙の年であることが前提です。
 それでも政治家からすれば、続ける理由として十分でしょう。
 また、参加率が高いのに取りやめて、批判を浴びる必要はありません。

成人式は25歳に「引き上げ」ては?

 若者にも、首長にもメリットがある成人式というイベント。
 本来の趣旨から離れつつあっても、辞める理由にはなりません。
 「蚊帳の外」の周辺住民が苦情を言っているに過ぎないのです。

 ただ、周辺住民も税金を納める善良な市民です。
 そして、成人式は官が主宰するので、当然税金により開催されます。
 この三方のバランスはしっかりと取りたいところ。

 いっそ、成人式は結婚適齢期の25歳からに改めてはどうでしょうか。
 そして、内容を「同窓会かつ婚活パーティー」にしてしまうのです。

 若者が成人式に求める「同窓会」としての役割は維持されます。
 少子化対策にもなるので、税金投入も理解が得られます。
 そして、25歳でも「浮動票」でしょうから首長の選挙対策もばっちり。

 みんなが喜ぶWin-Winの成人式は、婚活パーティー形式で決まりです。
 婚活パーティーなら、多少は衣装が派手でも許されるでしょう。
 異性の気を引くための「勝負服」ですから。

 「成人式婚」なんて言葉が流行れば、一気に加速できるんですけどね。
 政府の少子化対策も、こういう方向に進めてもらいたいものです。

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