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イランとサウジアラビアの対立で日本が戦争の危機? 知っておきたい3つのこと

time 2016/01/07

イランとサウジアラビアの対立で日本が戦争の危機? 知っておきたい3つのこと

 イランとサウジアラビアが国交を断絶しました。
 周辺国からサウジに追随して、イランと断交する国が続出しています。
 イランの孤立化が一気に加速しました。

 連日、さまざまな報道がありますが、要点をまとめていきましょう。
 時間のないビジネスパーソンのために要点を3つに絞りました。
 最低限を抑えて、気になるところは掘り下げていきましょう。

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スンニ派とシーア派の闘いという構図

 イランは「シーア派の大国」と呼ばれるシーア派の中心国家。
 サウジは「スンニ派の盟主」と呼ばれるスンニ派の中心国家です。
 この両国が表立って敵対関係になり、宗派が注目されています。

 しかし、シーア派vsスンニ派の闘いは既にずっと続いています。
 それが、シリアの内戦です。

 シリアは政府がシーア派、国民の多数がスンニ派という構図です。
 そして、イランはシリア政府を支援し、サウジは反政府側を支援しています。

 ちなみに、欧米は政府側、中露は反政府側を支援しています。
 これ、一昔前の冷戦時代なら代理戦争と呼ばれていたかも知れません。
 この背景があるから「第三次世界大戦の危機」という声も挙がるのです。

民主化を推進するスンニ派、王制を守るシーア派

 そもそもスンニ派とシーア派の違いは予言者ムハンマドの後継ぎ問題です。
 ムハンマドの血統を重視したのがシーア派。
 血統にこだわらず、優秀な人が指導すべきというのがスンニ派です。

 この価値観を見ると一目瞭然です。
 スンニ派は民主主義に近い思想であり、シーア派は独裁に近い思想です。
 欧米がスンニ派を支援し、中露がシーア派を支援するのもわかります。

 「アラブの春」はまだ終わっていないということです。
 そして民主化の敵はシーア派になるのです。

日本が他人事ではない理由は石油

 イラン-サウジ両国の対立で懸念されているのがホルムズ海峡の封鎖です。
 サウジはペルシャ湾岸に油田地帯をもっています。
 ペルシャ湾からは、ホルムズ海峡を通らないとインド洋に出られません。

 このホルムズ海峡は日本の安保関連法案の時にも散々登場してきました。
 機雷の掃海が戦争行為に当たるか否かという議論です。
 いま、ホルムズ海峡閉鎖の危機が現実味を帯びてきました。

 日本への原油の大半はホルムズ海峡を通って輸送されてきます。
 ここが封鎖されることは「国家存立の危機」に該当するというわけです。
 イランが機雷を設置して海峡封鎖すれば、集団的自衛権の発動となります。
 この危機のために作った法律ですから、当然の行使となるでしょう。

まだまだ奥が深い問題がいっぱい

 基礎的な3つの情報に絞りましたが、事は安直には進みません。
 日本とイランは伝統的に友好的な関係にあります。
 「海賊と呼ばれた男」という本でも有名になりました。
 日本が安易に欧米に追随するかどうかは、ひとつのポイントです。

 また、サウジはISISを支援しているとも言われています。
 サウジの国教はスンニ派内のワッハーブ派という宗派になります。
 その教えは原理主義的で、ISISの唱える教義と共通点が多くあります。

 石油にしても、米国が40年ぶりに原油輸出に踏み切りました。
 米国は中東を上回る石油産油国とも言われています。
 中東の原油に危険が伴うと、得をするのは・・・。

 複雑すぎる中東情勢、知らないうちに鉄火場というのは避けたいですね。

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