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元素番号113番「ジャポニウム」認定か 元素名のちょっと小話

time 2015/12/27

元素番号113番「ジャポニウム」認定か 元素名のちょっと小話

 元素番号113番、仮名「ウンウントリウム」が国際認定されそうです。
 2003年に確認されたとされるこの元素は、確証が得られていませんでした。
 その証明に成功したのが、日本の理化学研究所(理研)になります。

 これにより2016年に命名権が理研に与えられる見通しとなりました。
 理研に命名権が与えられれば元素名「ジャポニウム」が有力とされています。

 元素は92番のウランより重い元素は現在の自然界に存在しません。
 人工的に合成するしか方法はなく、各国が発見を競ってきました。
 理研が命名権を得ればアジア初となります。

 ウランといえば、原爆や劣化ウラン弾などで一般にも知られています。
 しかし、それより重い元素は人工物ゆえにあまり馴染みがありません。
 94番のプルトニウムが同じく原爆の原料として有名なくらいです。

 では、重い元素から少し小話を紹介します。
 酒席で話題に出れば披露できるレベルでお送りします。

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98番カリホルニウムはSF御用達

 元素番号98番は「カリホルニウム」という元素です。
 カリフォルニア大学で発見されたことから命名されました。
 学術用語の日本語表記では「カリホルニウム」となります。

 カリホルニウムは数々のSF作品に登場する有名な元素です。
 その理由は、原子爆弾を非常に小型化できる可能性があるためです。
 実際に、研究もされていたようです。

 そのため、SF作品では銃弾型核爆弾として登場したりします。
 ライフル銃で数キロ先の目標を狙撃すると、核爆発が発生する。
 自爆攻撃にしかならない気もしますが、そんなイメージです。

 ところが、実用化研究は現実味がないと打ち切られました。
 その理由は、カリホルニウムが非常に高価だったためです。

 単純計算すると日本円で100gが約7兆円だとか。
 戦争は経済の延長だということを思い出せてくれます。
 経済的理由で世界は核爆弾の銃撃戦という悲劇を逃れたのです。

 もし、カリホルニウムが安価に製造できるとしたら?
 世界の戦争絵巻、特にテロ事件現場の絵はかなり違っていたでしょう。

99番アインスタニウムは皮肉の名?

 元素番号99番は「アインスタニウム」という元素です。
 いわずと知れた、前世紀の大天才アインシュタインから命名されました。

 アインスタニウムは水爆実験により確認された元素でした。
 水爆実験で観測用に散布したろ紙からすぐに発見されました。
 当時は水爆が軍事機密だったため、偽って原子炉から発見とされました。

 アインシュタインは原爆開発をアメリカ大統領に進言したことでも有名です。
 ところが、後年は原爆開発を悔い、核兵器廃絶を訴えていました。

 そんな彼の名を水爆により誕生した元素に命名する。
 アメリカという国の品性なのかブラックジョークなのか。
 本人からすれば名誉あることと諸手を上げて喜べないでしょう。

 ちなみに、アインシュタインは若いころから平和主義者でした。
 晩年には世界連邦と世界政府の樹立を提唱しています。
 イスラエルの大統領になることを打診されたことも。
 彼がイスラエル大統領になっていたら中東事情はかなり違ったでしょう。

100番フェルミウムはアメリカの懐の広さ?

 元素記号100番は「フェルミウム」という元素です。
 ノーベル物理学賞を受賞したエンリコ・フェルミから命名されました。
 ちなみに、フェルミは授賞式からそのままアメリカに亡命しました。

 フェルミウムも水爆実験により確認された元素です。
 フェルミはマンハッタン計画でも中心人物を務めました。
 しかし、彼もまた後年には水爆開発に反対していたのです。

 フェルミはイタリア人でしたが妻がユダヤ人でした。
 それゆえ、ムッソリーニの支配下で迫害を受けていました。
 そして1938年のノーベル賞授賞式からそのまま亡命したのでした。

 もしもフェルミの妻がユダヤ人でなく、イタリアで研究を続けていたら。
 あるいは、イタリアが人類初の原子爆弾を手にしていた可能性も。
 イタリアは枢軸側、日独伊三国同盟の一角です。
 架空戦記のように、第二次世界大戦は大逆転したかも知れません。

 人類初の水爆実験から生まれた2つの新しい元素。
 そこに、亡命してきた2人の天才科学者の名を付けるアメリカという国。
 これは懐の広さなのか、水爆開発への後ろめたさの表れなのか。

「ジャポニウム」は理研の復権となるか?

 理研といえばSTAP細胞の一件で大いに株を落としました。
 国からの補助金が大幅に減らされるという話もありました。

 しかし、アジア初で後世に名が残る業績となれば話は別です。
 「ジャポニウム」が誕生すれば理研復権の足掛かりとなるでしょう。
 理研がSTAP細胞だけで崩壊するのはあまりにもったいないことです。
 ぜひとも名誉挽回しその優秀さを世界に知らしめて欲しいものです。

 ところで「ジャポニウム」以外に名前の候補はないのでしょうか?
 日本の物理学者といえば湯川秀樹をおいて他にありません。
 研究内容も遠からずですし、「ユカワニウム」なんてのもあり?

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