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新聞は生活必需品? 読売社説が叩かれる訳

time 2015/12/22

新聞は生活必需品? 読売社説が叩かれる訳

 軽減税率の対象に新聞が含まれることで自公が合意しました。
 それを受け、民主・枝野氏は「水道や電気が軽減税率の対象になっていないのに新聞が対象となるのはおかしい」と批判しました。

 これに反論したのが読売新聞です。
 社説で「民主主義や活字文化を支える重要な公共財である新聞や出版物に対する理解を欠いていると言わざるを得ない」として枝野氏を批判。
 ところが、この読売新聞の社説に批判が殺到しているのです。

 その批判は「どっちも大事」というものではありません。
 「新聞は嗜好品」と新聞だけに批判が集まっています。
 その裏にある、新聞の傲慢さが見えているのです。

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新聞は民主主義のために必要なものか?

 新聞はかつては民主主義にとって必要不可欠なものでした。
 民主主義は国民主権が原則の政治体制です。
 その国民に、正確な情報が伝えられるのはシステムの大前提となります。

 それが報道であり、その使命を担ってきたのは新聞でした。
 新聞は政府の監視役という例えもありますが、第一義は情報提供です。

 ところが、時代は変わりました。
 ニュースの多くはテレビやインターネットから得る時代となりました。
 紙媒体である「新聞」の価値は、急激に低下してきています。

 民主主義にとって重要なのは「情報」ですから媒体に依存しません。
 どんな媒体を経由しても情報が正確で即時性があれば民主主義は成立します。
 もはや、紙媒体の新聞は民主主義にとって必要なものではありません。

読売新聞の論説委員はニュースを知らない?

 現在において、情報を伝達する最高のツールはインターネットです。
 もし民主主義を盾に軽減税率を求めるなら、ネット環境を対象にすべき。

 新聞よりネット環境が相応しい理由は過去記事の通りです。
 ⇒知識に税金を掛ける是非 新聞を軽減税率にするならネット接続費も軽減すべき!

 民主主義にとってネットが重要な事件が過去にありました。
 2010年に起きたジャスミン革命というチュニジアの民主化運動です。
 これは「アラブの春」としてアラブ圏に広まっていきました。

 新聞もテレビも統制された国で、民主化運動を支えたのはネットの力。
 特にFacebookが重要な役割を果たしたとされています。
 民主主義にとって重要な情報、それはネットが担保した顕著な例です。

 ネット選挙の導入など、あらゆる面でネットが浸透していきている社会。
 まさか、読売新聞の論説委員はニュースを知らないのでしょうか?
 知っているなら、我が身可愛さの暴論を社説に載せたのでしょうか?

新聞は報道機関として特化すべき

 紙媒体である新聞は即時性においてもネットに及ばないのは明らか。
 まずテレビに及ばず、次いでネットに及ばず。
 それで民主主義の根幹を成す「報道」の第一人者ぶるのは無理があります。

 ただ、ニュースソースとしての重要性は何ら失われていません。
 その取材力、分析力は民主主義にとって重要なものです。
 ただ、記者クラブなどの悪しき弊害による部分もありますが。

 新聞はニュースソースとしての価値に特化していくのでしょう。
 その経費を紙媒体の新聞の販売費で賄うビジネススタイルが限界です。
 テレビやニュースサイトに情報提供する組織になるべきなのでは。

電子版の扱いは社説でどう説明するのか?

 新聞の電子版は軽減税率の対象とはなりませんでした。
 同じニュースを紙で買うか、電子データで買うかで税率が違うということ。
 それは、新聞紙は「重要な公共財」で電子データは「嗜好品」ということ?

 紙でも電子版でも、情報こそが民主主義に必要なもの。
 紙の文字は「活字文化」でモニターの文字は違うというのでしょうか。

 読売新聞の論説委員は、この点をしっかり社説で説明してもらいたいです。
 新聞の軽減税率は、何もかもが破綻しているようにしか見えないのですから。

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