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「今年の新語」大賞が発表 「流行語大賞」に比べて選考委員は素直?

time 2015/12/15

「今年の新語」大賞が発表 「流行語大賞」に比べて選考委員は素直?

 三省堂の辞書編者が選ぶ「今年の新語」ベスト10が発表されました。
 大賞に選ばれたのは、じわじわくるという意味の「じわる」
 他、マイナンバーやLGBTがランクインしています。

 ベスト10の後半に進むと「これって新語?」と疑問の出るものも。
 ところが、寸評が素直で好感が持てると話題になっています。

 有名なユーキャンの「流行語大賞」は、正式には「新語・流行語大賞」
 こちらも「新語」が含まれるはずが、あまり被らない内容になりました。
 偏向的と批判を浴びた「流行語大賞」に比べ、「今年の新語」は素直?

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2位から5位は鉄板の新語

 2位「マイナンバー」、3位「LGBT」、4位「インバウンド」、5位「ドローン」
 いずれも2015年に話題となった言葉が並びました。

 「インバウンド」は流行語大賞になった「爆買い」と並び立つ言葉。
 国外から大量購入する勢力を指す言葉として広まりました。
 事件にもなったドローンや、差別発言で炎上したLGBTなど手堅い内容です。

 ちなみに、筆者が私生活で「LGBT」を使った際には、「何それ?」「日本語でしゃべれ」とひどい責めを受けたことは秘密です。

「爆音」「刺さる」「斜め上」が新語?

 8位「爆音」、9位「刺さる」、10位「斜め上」
 この辺りから「これって新語?」という疑問が沸いてきます。

 他の言葉は確かに、昨年以前に言ったり聞いたりはまずありませんでした。
 でも「爆音」「刺さる」「斜め上」は以前からよく使う人もいるはず。
 これ「流行語大賞」ではなく、「今年の新語」ですから不適当なのでは?

 その答えは「選考結果発表」にて解説されていました。

「今年の新語」は「意味が変わった言葉」も含まれる

 「爆音」については、従来は爆発音やエンジン音に使われていました。
 それが、「すごく大きな音量」という意味で使われるようになった、と。
 つまり、言葉の意味が変わったから「新語」だということです。

 ただ、「今年の言葉」選考委員は素直です。

調べてみると、1999年の書籍『音楽誌が書かない「Jポップ」批評』(宝島文庫)に〈R&R〔=ロックンロール〕を耳を覆いたくなるような爆音でプレイする〉とあるなど、比較的以前から例が存在します。

 以前からあるじゃないか!とつっこみたいですが、待ってください。

「多くの人が使っていることに気づいた」ということで、今年の新語に。

 選考委員が「今年、気付いた」から「今年の新語」だというのです。
 選考委員が気付かなかったのなら仕方がないか、と許すしかありません。

 「刺さる」も反省したり傷つく表現だったのが、感動を露わす言葉に。
 ただ、これも昔からそういう使い方をしている人が大勢いましたが。

選考委員が「刺さる」の変化に最初に気づいたのは2011年のことでした。今は新用法がいっそうよく目につくようになりました。

 2011年から気が付いたなら、そのときに「今年の新語」にしなさいよ!
 一応、言葉の定着をもって「今年の新語」とするそうです。
 今年、特に「刺さる」が定着するようなエピソードもなかった気がしますが。

 極めつけは「斜め上」です。
 選考委員の素直な寸評をお楽しみください。

発祥は、冨樫義博さんの1990年代の漫画「レベルE」からとも言われます。だとすると、生まれてから年数を経たことばです。ただ、一般化したのは比較的最近です。選考委員の一人は、この用法自体は前から知っていましたが、正確な意味がもうひとつよく分かりませんでした。今年に入り、いろいろな例に接するようになって、ようやく意味がつかめました。

 選考委員がやっと正確な意味をつかめたのが今年、ということです。
 1990年代から存在を知りながら、長く正確な意味がわからなかった。
 それが、20年越しに「理解」できたというのです。

 きっと選考委員は「やっとわかった!」と小躍りして喜んだのでしょう。
 そして、2015年の「今年の新語」に滑り込ませたわけです。
 ここまでくると、長年の疑問が晴れたことを一緒に喜びたいです。

選考委員も人間なんだよ、というスタイル?

 「流行語大賞」が批判を浴びたとき、選考委員に注目が集まりました。
 彼らは「言葉のプロ」だからこそ選考委員なのです。
 その選考に強い主観、政治的主張が入ることに批判が向けられました。

 しかし、「今年の新語」の選考委員は教えてくれます。
 選考委員も、人間であり一市民であり、その能力に限界はあるのだと。

 なんで「戦争法案」や「ふるえる」が「今年の新語」に入らないのか?
 それは、選考委員が気付かなかったり、正確な意味をつかめていないから。
 あるいは、主観的にみて相応しいと思わなかったから。

 流行語大賞選考委員のやく氏も主観が入らないなど無理と言っていました。
 そう考えると、辞書の説明文も編者の主観が入っているんですよね。
 それを正面から説明してくる「今年の新語」選考委員に好印象です!

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