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北朝鮮が「水爆保有」 水爆は「きれいな爆弾」ではない

time 2015/12/13

北朝鮮が「水爆保有」 水爆は「きれいな爆弾」ではない

 北朝鮮の金正恩第1書記が「水爆保有国」と発言したと報じられました。
 これまで北朝鮮に水爆の製造能力はないとみられていました。
 水爆の存在を裏付ける証拠は何もなく、専門家は懐疑的としています。

 北朝鮮が核保有を宣言してから、はや12年が経ちました。
 核実験を繰り返し、ミサイルに搭載可能な小型化に成功したとされます。
 しかし、この小型化も専門家は疑問視しています。

 そこに来て「水爆」発言です。
 水爆といえば、原爆の数100倍の威力があるとされます。
 水爆と原爆とはどう違うのか?少し掘り下げてみましょう。

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水爆は放射能汚染のない「きれいな」爆弾?

 原爆とは、ウランやプルトニウムという放射性物質を用いた爆弾です。
 それらの核分裂エネルギーによって爆発を発生させるのです。

 対して、水爆は重水素を用いた爆弾です。
 自然界には、通常の水素に混ざって0.015%の重水素が存在します。
 それらの核融合エネルギーによって爆発させるのが水爆です。

 重水素は海水中に大量に存在し 重水は電気分解で濃縮できます。
 つまり、核融合の原料は「海水」で十分だということ。
 世界のエネルギー問題など、核融合炉ができれば一気に解決です。

 しかも、重水素による核融合では放射能はほとんど発生しません。
 放射能汚染を伴う原爆よりも遥かにきれいな爆弾が水爆です。
 原発も早く全廃炉にして、水発?に切り替えるべきなのです。

 とは、うまくいかないのが水爆の難しいところです。

「きれい」は難しく「汚い」は簡単?

 原料となる重水素は、海水からも取れて入手は簡単です。
 しかし、核融合を発生させるには高温高圧の環境が必要になります。
 これが非常に難しいことです。

 水爆を最初に開発したアメリカは、初期からこの研究を続けています。
 高温高圧の環境を作り出すには大規模装置が必要になるのです。
 しかし、爆弾として実用化するには「小型化」は必須です。

 その結果、起爆装置に原爆を用いる方法が開発されました。
 起爆するのに原爆を使えば爆発で放射能を撒き散らすことになります。

 さらに、威力を高めるために、外側をウランで覆う方法が開発されます。
 それにより、核融合のみの爆弾より威力を倍近く上げることができます。

 起爆の原爆(核分裂)→水爆(核融合)→覆いの原爆(核分裂)

 ただし、当然ですが放射能汚染は原爆と変わらない大きさに広がります。
 放射能の観点から見れば、原爆より威力が大きいので広範囲に広がります。

 現在でも原爆を用いない「純粋水爆」は実用化に成功していません。

北朝鮮が水爆を持っていたら?

 原爆を実戦で使用した実績は、いまだに広島・長崎だけです。
 当然、水爆は開発はされましたが実戦投入されたことはありません。

 原爆は長い間、抑止力として存在意義を発揮してきました。
 抑止力として原爆で十分なら、水爆を開発する理由は何でしょう。

 国威発揚と示威行動をより高めるために、さらなる新兵器を欲っしたのか。
 それなら、実際は開発できていなくても言葉だけで十分効果が得られます。

 ただ、北朝鮮のやることですから。
 いざとなればソウル郊外に「見せしめ」で落とす可能性だってあります。

 いや、朝鮮半島は「自国領土」ですから放射能汚染は避けたいでしょう。
 すると、北朝鮮にとって韓国以外で一番の敵といえば、、、
 アメリカまでは遠過ぎなので、近場で、なんてことも。

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