ナレッジ ウォーカー 「時事散策」

軽減税率のグレーゾーン 第4のビール登場なるか?

time 2015/12/12

軽減税率のグレーゾーン 第4のビール登場なるか?

 軽減税率の内容について、自公両党が合意しました。
 内容は「酒を除くすべての食料品が対象」で「外食を除く」というもの。
 これにネット上ではさっそくさまざまなコメントが飛び交っています。

 「食玩のオマケが高級品になっていくのか?」
 「ペットフードはどうなるの?」

 グレーゾーンが広ければ、それだけ人による判断が必要になります。
 そこに癒着と腐敗と、利権が発生するのは政治の常というもの。
 軽減税率にまつわる混乱とせめぎ合いは、続くことは間違いなさそうです。
 グレーゾーンを巡る戦いこそが、本当の戦いになるのか?

 ※「外食を含む」から「外食を除く」に報道が変化しました。
  内容も合わせて改変しました。
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料理酒の扱いは?

 「酒を除く」のグレーゾーンに挙がるのは酒を使った料理。
 普通に考えれば、料理酒やフランベくらいなら対象外になりそうなもの。
 要は、アルコールが火工により飛んでいれば良いということ。

 しかし、料理酒そのものはアルコール度数があります。
 当然、購入時には軽減税率の対象外となると思われます。
 すると、食材の調達には10%の消費税が掛かり、料理は8%の消費税となる。

 結局は仕入においては複数税率が発生することにります。
 仕入税額控除を正確に行うにはインボイス方式が必要になります。
 「酒を除く」としたことで、複雑さが増し店舗の負担は重くなります。

 では、料理酒は「材料」として軽減税率対象としたらどうなるのでしょう。

第4のビールで抗争激化?

 政府は第3のビールが広く普及したことで酒税改正を画策し始めました。
 ビールの税率を下げ、第3のビールの税率を上げ、金額差を小さくすること。
 ビールより第3のビールの方が売れているので、税収増を狙っています。

 しかし、もしも軽減税率で「料理酒」が対象となれば話は変わります。
 「料理酒」だけどそのまま飲める、第4のビールが登場するなんてことも。

 大手ビール会社と財務省とは長く激しい戦いを繰り広げてきました。
 酒税法の隙間を突いた発泡酒、さらに進んだ第3のビール。
 企業努力、新商品開発の労力は、税対策に使われてきたのです。

 そこに抜け道があるなら、必ず突いてくるとみて間違いありません。
 この「酒を除く」のグレーゾーンは激しい利権争いになりそうです。

食玩のオマケがどんどん高級化する?

 食玩は「食料品」扱いになりますから軽減税率対象になります。
 では、オマケの玩具がどんどん高級化していくことになるでしょうか。
 例えば、食玩のオマケが家電や衣服なんてことにも?

 その点は景品法により規定があるので、変わりなさそうです。
 景品法ではオマケが見えて外れなしの場合、「総付景品」となります。
 「総付景品」は価格の10%まで、1000円未満なら100円までです。
 これだと、オマケが高級化するということはなさそうです。

 ただ、まれに高値で流通しつつも原価が激安のものもあります。
 例えば、コンタクトレンズは小売価格は3万円でも原価は30円とされます。

 3万円のコンタクトレンズをそのまま売ると、消費税10%で33000円。
 食玩のオマケにコンタクトレンズを付ければ、消費税8%で32400円。
 こういう裏技も出来るといえばできます。

 ただ、景品法には常識的な範囲内でやりましょうという記述もあります。
 公正取引委員会に目を付けられるリスクを負う程ではなさそうです。

ペットフードは嗜好品なのか?

 人間の食料が軽減税率対象なら、ペットの食料はどうなるのか?
 この問いに対する明確な答えは出ていません。

 ただ、これは広く解釈すれば家畜の飼料はどうなのか?となります。
 ペットというと嗜好品扱いで、軽減税率対象外でも良いと思えます。
 しかし、家畜の飼料となると結局は食料品に転化するので微妙なところ。

 ただ、ここまで行くと畑の肥料はどうなるかと話は広がるばかりです。
 では、ペットフードを「人間も食べれる」と食料品として売り出したら?

 グレーゾーンのグレーっぷりは深いです。
 しばらくは企業の努力と財務省のせめぎ合いが続くのは間違いなし。

 「外食は除く」となり、イートインやテイクアウトの問題も発生してきます。
 せめて悪徳業者が利を貪るようなことにならないことを願います。

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