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新型ステルス駆逐艦「ズムワルト」 軍艦の常識を覆す?

time 2015/12/09

新型ステルス駆逐艦「ズムワルト」 軍艦の常識を覆す?

 米海軍の新型ステルス駆逐艦「ズムワルト」が試験航海に出航しました。
 米海軍最大級の巨大駆逐艦は、高いステルス性を備えています。
 そのため、船体は異様な「逆三角形」になっています。

 ステルス駆逐艦はこれまでも各国で建造されてきました。
 しかし、「ズムワルト」は一目で他艦とは形が異なります。
 新世代ステルス艦として、軍艦の常識を覆すのでしょうか?

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ステルスといえば軍用機が有名

 ステルス機といえば、戦闘機・爆撃機が先行して開発されてきました。
 レーダー反射を抑えることで、レーダーに映りにくくした飛行機のこと。
 そのため、レーダー波を散らすために、特殊な形をしています。

 特殊な形は、残念ながら空気力学の効率性とは相反します。
 その不安定さを制御する為に高度な電子制御が必要になります。
 ステルス機の真価はその形状より、電子制御にあるともいえます。

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ステルス駆逐艦の特殊な形状

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 「ズムワルト」は海面から上にいくほど幅が狭くなっています。
 普通の船舶は、甲板まで上に行くほど幅が広がっていきます。
 これはタンブルホーム船型といわれ、ほとんど採用されていません。

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 外傾型のステルス艦はすでにいくつかの国で採用されています。
 外傾部はレーダー波を海面に反らし、上部構造物は空に反らす設計です。

 これだと、海面に反射したレーダー波が一部戻ることになります。
 すべて空に反らす方がステルス性は高くなるのです。
 そこで内傾したタンブルホーム船型が採用されたわけです。

 ただ、見慣れない形のせいか、不安定に見えなくもありません。
 そこを電子制御して安定性を確保しているのでしょうか。
 試験航海である程度は、その性能が確かめられるのでしょう。

大成功なら艦型のスタンダードになる?

 ステルス性も含めて、どこまで高性能かはこれから明かされます。
 飛行機のステルス機は世に出て以降、世界中で導入が進められています。
 今後の軍艦はすべてタンブルホーム船型になる可能性もあります。

 マストを廃止し、アンテナはすべて壁面に貼り付ける形になりました。
 甲板に露出した砲台も正面に反射しないよう斜めの形状になっています。
 タンブルホーム船型の軍艦が並んだら、随分違った景色になりそうです。

敵も味方も高ステルス性能艦になったら?

 ステルス性がこれからも向上を続け、敵も味方もステルス艦を配備したら。
 互いに、レーダーでは敵を補足できなくなることになります。
 そして、誘導兵器も敵が補足できなければ役に立ちません。

 敵位置の把握は人工衛星とのデータリンクで行うことになるのでしょう。
 しかし、それも撹乱することができれば、互いに視認するしかありません。
 となれば、無人偵察機やヘリが未来の目となるのでしょう。

 敵艦を発見すれば、非誘導の砲弾かロケット弾で攻撃する。
 まるで、太平洋戦争時代の海戦に逆戻りしたかのようです。

 そういえば「ズムワルト」の主砲は非誘導砲です。
 後部甲板は広くなっておりヘリコプター格納庫があります。
 ヘリで目視し、非誘導弾で砲撃する未来をすでに予見している?

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