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民主党と維新の党が統一会派結成 「統一会派」って新党結成の違いは?

time 2015/12/08

民主党と維新の党が統一会派結成 「統一会派」って新党結成の違いは?

 民主・岡田代表と維新・松野代表が会談し、統一会派結成で合意しました。
 ゆくゆくは合流を目指すことも確認し、他野党にも連携を呼びかけます。

 民主党と維新の党は、結集の仕方で現在も合意できていません。
 維新の党が「民主の名には入らない」と新党結成の上での合流を主張。
 前原氏など民主党の一部はそれに迎合するも、執行部は新党結成に反対。
 「党名変更なら余地あり」と新党は絶対拒否の姿勢を示してきました。

 維新の党の党代表選が終わったことで、トップ会談が実現。
 合流が一気に進むかと思いきや、新党結成ではなく統一会派結成で合意。
 新党ではなく「統一会派」とは、いったい何なのでしょうか。

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一見すると政党と会派は同じ?

 衆議院、参議院の議会内にはそれぞれに「院内会派」が存在します。
 「政党の議員」と「会派のメンバー」は、構成が同じことが多いです。
 自民党という政党があり、衆参議員にそれぞれ自民党という会派があります。

 政党は国会議員、地方議員、一般人も含めて構成される組織です。
 会派は院内活動の組織で、衆議院の会派には衆議院議員しかいません。

 統一会派とは、複数政党が一緒になって「会派」を構成するケースです。
 会派と政党は別物ですから、無所属議員を含めたり政党の縛りを受けません。
 それでも「政党の議員」=「会派」となることが多いようです。

院内においては政党より重要な「会派」

 選挙においては会派は登場しません。
 議員だけで構成される会派が、選挙時に登場するわけがないのです。
 そのため、一般の有権者には「政党」ばかりが目に付くのです。

 しかし、国会内においては「会派」の方が重要です。
 国会は議論の場であり、議会が政府提案を議論し承認するかを決めます。
 その議論は、質疑応答の形式で行われます。

 その際の「質問時間」は会派の人数によって決まります。
 弱小会派の議員は短時間しか与えられず、巨大会派は長時間が与えられます。

 「各党ごとの質問時間」というのは誤りで「各会派ごとの質問時間」です。
 その長さは「議論に参加できる時間」ですから、非常に重要です。
 国会審議においては、政党より会派こそが重要なのです。

質問時間はどのように決まるのか?

 会派の一人あたりにどれだけの質問時間が与えられるのでしょうか。
 その取り決めは「申し合わせ」により決まるとされています。

 本来は会派の人数による「按分」で決まります。
 ただ、いろいろと会派の間で時間に「融通を利かす」幅を持たせています。
 それが「申し合わせ」により決まるとされているのです。

 政府は行政機関、国会は立法機関で三権分立により独立しています。
 そのため、政府提案を国会で審議する際の、最大会派は与党になります。
 現在でいえば、安倍内閣があり、衆参議員の最大会派は自民党です。

 ところが、政府の提案は与党の総務会で事前に審議して合意しています。
 事前に合意しているので、国会での与党の質問は「応援質問」になります。
 普通に会派の人数で按分すれば、一番長い質問時間が応援質問になります。

 そこで、与党会派の質問時間を「融通」し「申し合わせ」をするのです。
 与党と野党は喧々諤々の闘いをし、裏に表に謀を駆使していそうなもの。
 でも、実は充実した審議ができるように質問時間を融通する仲なのです。
 意外と、政治の世界も良心で動いているものだなと感心してしまいます。

新党結成ではなく統一会派の意味とは?

 民主党と維新の党は新党結成や合流とはなりませんでした。
 では、統一会派を組むことの意味とは何でしょうか。

 要するに、参院戦の一番のポイントである選挙協力には合意していません。
 会派はあくまでも院内だけの組織ですから。

 ただ、統一会派となれば質問時間はひとつにまとまります。
 質問者も会派を代表して一人ないし複数人が立ちます。
 つまり、会派内においては同意見であることが前提になってくるわけです。

 議員は複数の会派に所属できないことになっています。
 つまり、民主党議員と維新の党議員は、国会内で共に活動するということ。
 意味するところは「意見・主張を共有する団体」ということです。

 まずは統一会派を結成して、意見の相違を調整していこうということか。
 単に互いに合流方法で合意できないので、統一会派だけでもということか。
 党名はともかく、両党はすでに精神的には合流しているということです。

 野党再編がひとつ進んだとみて良いでしょう。
 どういう結果であれ、民主と維新の合流は確定したということです。

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