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民主が野党統一候補を検討 これは選挙詐欺ではないですか?

time 2015/12/03

民主が野党統一候補を検討 これは選挙詐欺ではないですか?

 民主党が参院選で「野党統一候補」擁立の方針を決めました。
 各党に共闘を呼び掛けていくことになります。

 これまで「国民連合政府」構想を訴える共産党が野党結集を進めてきました。
 しかし、民主党は党内に共産党の共闘に反対する勢力が出るなどまとまらず。
 共産党との共闘でむしろ支持者が離れることも懸念されていました。

 無所属候補であれば、政党色は消えて有権者の支持が得られやすい。
 争点も「安保法制撤回」に一本化すれば、各党のずれも浮き上がらない。
 そんな思惑から無所属の「野党統一候補」擁立が発案されたのでしょう。

 でも、これは「選挙詐欺」ではありませんか?
 その候補は選挙時は「無所属」でも実質的にいずれかの党に属している。
 選挙後に「実は○○党でした!」では、有権者を騙し討ちするだけでは。

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野党統一候補は当選後に政党入りするのは確実?

 無所属候補は地方選挙では広く支持を得るために多く存在します。
 知事や首長は、範囲内での権限が強いという理由もあります。
 しかし、国政政治家の環境は地方議員とは異なります。

 政党の運営は政党交付金によるところが大きいです。
 先日も、維新の党分裂で政党交付金の扱いが揉めました。
 年末に政党再編が起こるのは国会会期より政党交付金のためです。

 政党交付金は議員数と得票数で決まります。
 そのため、政党は出来るだけ多くの議員を所属させておきたいのです。
 もちろん、政党に属していない無所属議員に交付金はありません。

 参院選は7月とみられています。
 参院選後はしばらくは「本来の党」に属することはないでしょう。
 しかし、年末になれば必ず「本来の党」に入党するはずです。
 これが「選挙詐欺」という理由です。

オリーブの木構想そのもの?とは?

 もうひとつの方法は、無所属議員が集まって新党を結成することです。
 こちらの方が現実味があるかも知れません。

 ひとつの争点で一致した議員が、他の政策は脇において新党に結集する。
 それが「オリーブの木構想」で生活の小沢代表が提唱していました。
 当選後の新党結成になれば、まさに「オリーブの木」そのものです。

 ただ、この方法での「オリーブの木」には指導者が存在しません。
 元々が別々の野党が「裏公認」している候補者たちの集団です。
 年末までの時限政党になることが予想されます。

 また、参議院議員では決定的な政策決定力がありません。
 体裁は「オリーブの木」でも実質は「烏合の衆」でしかないのです。

各党の政策の食い違いは棚上げになる?

 無所属の「野党統一候補」の一番の弊害は、当選が目的になっていること。
 野党議員の数さえ増やせればよし、という安直さがあります。

 「国民連合政府」では、安保以外の政策も調整する姿勢を見せていました。
 安保法制撤回までの暫定とはいえ、ある程度の期間は政権運営するのです。
 その間、安保以外の政策進行がすべて止るようでは困るからです。

 しかし、「野党統一候補」では野党間の政策調整が棚上げになります。
 なぜなら、候補者は「無所属」なのですから。
 目的を見失ったか、あるいは最初から勝つ気がないかです。
 参院選は政権選択選挙ではないから、そこまで考えていないのでしょうか。

野党大勝利の未来予想図は?

 次回選挙は衆参同時選挙になる可能性が示唆されています。
 そうなれば、参議院選の選挙対策は衆院選にも反映されるでしょう。

 無所属の野党統一候補が衆参ともに多数当選したと想定しましょう。
 最初に、首相指名で揉めることになります。
 岡田氏なのか、志位氏なのか、あるいは野党党首の誰なのか。

 無所属の新人たちが「裏公認」の党首に投票するようなことがあれば。
 議席は野党多数なのに、首相は自民党党首なんてことにもなりかねません。
 「選挙で勝って政権取れず」では目的と手段が逆の極みです。

野党統一候補のモチベーションは?

 本来が無所属の人が、安保反対を持論で選挙を戦うのはよいでしょう。
 しかし、実質は野党所属でありながら無所属で公認も受けずに出馬する。
 これは、候補者自身のモチベーションは上がるのでしょうか?

 選挙戦では無所属候補は政党所属候補よりも多くの制約を受けます。
 公認もしないのですから、表立っての支援は受けられないでしょう。

 さらに、与党公認でもない本当の無所属候補が出馬してきたとき。
 有権者に違いを知らせるのになんて説明するのでしょうか。

 当選すれば取り込み、落選すれば知らんふりもできる。
 まるで大企業が下請けに過酷な条件を課すか、派遣切りのよう。
 得するのは政党だけです。

 そして有権者へは「選挙詐欺」ときたものです。
 ここまでくると、むしろこの戦略で突き進んで欲しいものです。
 有権者を「騙せる」と見込んだツケを払わないとわからないのでしょう。

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