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失敗が予想されていたNOTTVが予想通りに失敗 その裏側には?

time 2015/12/01

失敗が予想されていたNOTTVが予想通りに失敗 その裏側には?

 スマートフォン向け有料放送「NOTTV」がサービス終了を発表しました。
 NOTTVはNTTドコモが提供するサービスで利用にはドコモ端末が必要です。
 独自の動画コンテンツを有料にて提供するサービスでした。

 2012年4月に開局するも、2016年6月末でサービス終了を発表。
 わずか4年強での撤退は、会員数が伸び悩んだことが理由だそうです。

 しかし、開局からすでに失敗を予想する人は大勢いました。
 素人目に見ても商業化できると思えないサービス展開に疑問が沸きます。
 その裏側にあるのは?

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加入者数は右肩上がりなのにサービス終了?

 2015年3月に同様のスマホ向けサービス「もっとTV」が終了しました。
 「NOTTV」も危ないのでは?とみられましたが、加入者数は右肩上がり。
 「もっとTV」の凋落と「NOTTV」の躍進は識者の分析対象となりました。

 しかし、分析結果は非常に残念な内容でした。
 いわゆるドコモによる強制加入戦略です。

 新規契約時に複数のサービスに強制加入させるのです。
 もちろん、加入後一定期間は無料です。
 しかし、期限が過ぎれば有料になり携帯料金に含まれて払われます。

 この「解約忘れ」を狙った戦略が「強制加入戦略」なのです。
 その副産物として一時的に加入者数が増えるようにみせることもできます。
 多くの人はすぐに解約するとしても、瞬間加入者数は増えて見えるのです。

 結局「強制加入」による見せかけの躍進が、裏付けされてしまいました。
 このNOTTVの体裁を整えようという動きにも理由があります。

NOTTVはドコモ社長の肝入りで始まった?

 ドコモの執行役員だった草野氏はNOTTVに反対だったそうです。
 ところが、社長裁定でNOTTVのサービス開始が決定しました。
 社長の肝入りとなれば、体裁は整えねばならないのが企業戦士の定めです。

 ただ、理由はそれだけではありません。
 NOTTVはアナログ停波の後の、空き周波数帯を使っています。
 この帯域をどこもが電波免許を取得してサービス開始したものです。

 ちなみに、電波帯は有限な資源で電波事業者の取り合いとなっています。
 日本の電波は国民の財産ともいえるもので総務省が管理しています。
 周波数帯の「無駄遣い」は国民の批判に晒される可能性を含んでいます。

 その辺りも「体裁」に拘らざるを得ない事情だったと考えられます。

NOTTVは電波利権の産物なので赤字でもよい?

 アナログ停波後の電波利用は業界では大きな注目を集めていました。
 ただ、NOTTVが使っている周波数帯は弱い電波となっています。
 携帯端末で送受信はできないので、サービスは限られます。

 NOTTVの運営会社mmbiは13チャンネルを取得しました。
 ところが放送業者を募ってもまったく申込がありませんでした。
 仕方なく、mmbiは自身で13チャンネルを使うことにしたのです。
 この時点で、NOTTVの未来は明るいものであるはずがありません。

 ドコモはわかっていてこの周波数帯を取得しサービスを開始しました。
 最初から赤字でも良いと考えなければできないことです。
 その裏には、電波利権の「取引」があったとされています。

アナログ停波後の「空き地」問題とは?

 電波帯は有限な資源で、無駄遣いは批判に晒される可能性があります。
 それは、電波事業者だけでなく総務省も同じです。
 むしろ、批判に晒されやすさでは総務省の方が上でしょう。

 国民に多大な経済的負担を強いて実施したアナログ停波です。
 その空けた電波帯が「空き地」のままでは、道理が通りません。
 しかし、スマホ全盛時代にスマホサービスに応えられない電波帯。
 放送業者が集まらない不人気電波帯であることは明白です。

 そこで白羽の矢が立ったのがドコモでした。
 代わりにプラチナバンドを提供してもらうことで「取引」したのです。

 電波帯は国民財産ですから基本的に使用権は入札により決まります。
 いわば、談合があったということです。

 NOTTVは失敗を予想されつつ、予想通りに失敗したのです。
 しかし、ドコモの本命はプラチナバンドですから問題ないのです。

NOTTVの後は?

 電波帯を利用者限定の事業に使われることへの反発もありました。
 ドコモユーザだけが享受できるサービスに国民の財産を使うのかと。

 すべての電波帯を等しく国民のために有効活用するのは難しいです。
 それはアナログ停波後の電波帯の不人気を見れば明らかです。
 それなら、アナログ停波しなければよかったのでは?

 電波利権はまだまだ奥が深いのは間違いなさそうです。

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