ナレッジ ウォーカー 「時事散策」

「日本のテレビ局は傲慢」なぜ新聞の社説は問題にならない?

time 2015/11/27

「日本のテレビ局は傲慢」なぜ新聞の社説は問題にならない?

 「放送法遵守を求める視聴者の会」が記者会見が注目を集めました。
 呼びかけ人のケント・ギルバート氏は強い言葉でテレビ報道を批判しました。
 「日本のテレビ局は傲慢に見える」
 「日本の放送局と新聞社は分離すべき」

 「日本平和学研究所」の調査を元に、安保法制について「違法的」と指摘。
 「反対」の発言が放送時間の90%以上を占めた番組が複数あったとしました。

 一方で、問題にならないのは新聞の社説です。
 テレビ報道より遥かにはっきりと、それぞれの新聞社が「賛成」「反対」を明言して主張を繰り広げています。

 テレビ報道は公平性が問題になるのに、新聞は問題にならないのはなぜか?
 その違いは、メディアの役割の違いにあります。

sponsored link
新聞社とテレビ局の違いとは?

 新聞社も放送局も「報道機関」であることは同じです。
 報道機関には社会的責任と国民の知る権利に奉仕する義務が生じます。

 同じ報道機関でも新聞社とテレビ局には大きな違いがあります。
 テレビ局は総務省の認可を受け、放送法に縛られているということです。
 「日本のテレビ局は傲慢」というのも放送法に照らした批判です。

 放送法では第4条で以下のように定められています。
 「政治的に公平であること」
 「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」 

 一方で新聞社には公的機関の認可もないし縛る法律もありません。
 新聞は「言論機関」でもあり、嘘でなければ何を書いても許されるのです。

 「日本の放送局と新聞社は分離すべき」というのはそのためです。
 日本の放送局はすべて大手新聞社と同一グループにあり、交流も盛んです。
 そのため「何を放送しても許されると」勘違いしているという指摘です。

「報道の自由」と放送法は矛盾しないの?

 報道機関には「報道の自由」があるのをご存知でしょうか。
 「報道の自由」は明確に憲法や法律で定められたものではありません。
 憲法21条の「表現の自由」により保証されているとされます。

 対して、放送法は不偏不党が求められるといった「制限」があります。
 それでは、放送法は憲法違反なのか?とはなりません。

 放送事業には電波の利用が伴います。
 電波は無限ではありません。有限な資源であり「国民共有の財産」です。
 それを使用する以上は「公共性」が放送局には「公共性」が求められます。

 また、テレビ放送は影響力が活字メディアに比べて圧倒的に強いです。
 その意味からも「公共性」が求められています。
 そのため、基本的に自由でありながらも「制限」が掛かっているのです。

 逆にいえば、放送法を逸脱しない範囲でなら自由です。
 制作側に基準があるから番組を作りやすいというのはあるのでしょう。

放送局の暴挙は止まらない?

 TBSは「NEWS23」でアンカーの岸井氏が安保法制反対を呼びかけました。
 岸井氏は毎日新聞の特別編集員です。
 TBSは毎日新聞とは業務提携しており、論説委員の交流が盛んです。

 岸井氏の発言は放送法に違反しているとして、多くの批判が上がりました。
 「放送法遵守を求める視聴者の会」はTBSに公開質問状を送りました。
 その回答は「特段、コメントすることはありません」です。

 テレ朝やTBSなどは「放送免許を剥奪すべき」と度々批判を浴びています。
 しかし、明らかな放送法違反があっても何ら罰則は与えられません。
 せいぜいがBPOが注意する程度のことです。
 それがゆえに、「日本のテレビ局は傲慢」が増長するのでしょう。

 背景には、テレビ放送に必要な膨大なインフラ設備があります。
 既存の放送局を潰しても、簡単に次の放送局は参入できません。
 放送局が減ることは国民の「知る権利」の保証には良くないことです。

 また、膨大なインフラ整備には国からの支援が含まれています。
 国からの支援は、当然国民の税金から支援したということです。
 それが故に、簡単に廃棄することもできないのです。

新聞の社説を放送するのは放送法違反!

 新聞社は言論機関であり制限はなく、自由に社説を書くことができます。
 しかし、放送局は放送法による制限があり、不偏不党が原則です。
 新聞の社説をそのまま放送することは、内容によっては放送法違反です。

 新聞の論説委員が番組に呼ばれて、社説と同じように「自由」に話す。
 そのメディアリテラシーの欠如が、一番の問題です。
 テレビにはルールがあり、知らないのなら出演すべきではありません。

 しかし、放送局に罰則を与えるのは難しいことです。
 政府が罰則を与えるのも、言論弾圧の誹りを受けるリスクが高いです。
 それが故に、「日本のテレビ局は傲慢」になってしまっています。

 これを止めることが出来るのは、スポンサー企業だけです。
 知名度向上や商品購入の導線がネットに移れば、スポンサーも移動します。
 徐々になりつつあるも、まだまだ時間が掛かりそうな話です。

sponsored link

down

コメントする






sponsored link

カテゴリー

アーカイブ