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韓国・朴大統領の「空白の7時間」 調査前に振り返る「問題」のあらまし

time 2015/11/24

韓国・朴大統領の「空白の7時間」 調査前に振り返る「問題」のあらまし

 韓国で朴大統領の「空白の7時間」の調査が決定しました。
 野党系委員が推進し、官民合同の特別調査委員会により実施されます。
 これには与党系委員から「政治的中立に反する」と反発の声も出ています。

 「空白の7時間」は韓国国内で注目を集めた問題です。
 旅客船セウォル号沈没事故の初動の遅れとなった空白時間とされています。
 この件で、朴大統領は大きく支持率を低下させました。

 そのせいか、官邸側も非常に敏感になっています。
 日本の産経新聞がこの件を書いたコラムが名誉棄損と訴えられました。
 そして、ソウル支局長が拘留されたことは日本で大きく取り上げられました。

 「政治的中立」はともかく、多くの人が真相を知りたがっているところ。
 よく知らない人は、今一度問題のあらましを振り返ってみましょう。

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旅客船セウォル号沈没事故

 まずは、「空白の7時間」が問題となった事故の話からです。
 2014年4月16日、午前9時頃に旅客船「セウォル号」が転覆します。
 この船には修学旅行のため高校生300人以上が乗船していました。

 沈没の原因もまた、ずさんな話ですが本筋から逸れるので省きます。
 10時頃に沈没が避けられなくなると、乗員は一番に退避を始めます。
 乗客に「避難するよう命じた」とも「待機せよと命じた」ともいわれます。
 ともかく、乗客を置いて乗員が先に退避していまいました。

 その後、沈没は進み乗客の多くは船内に残されたままとなりました。
 救助隊はすぐに現場に駆けつけましたが、指揮が混乱し進みません。
 その内、二次災害まで発生し犠牲者数を増やしました。

 2日後に船は完全に沈没します。
 最終的には乗員・乗客295名、捜索作業員8名が死亡する事故となりました。
 ちなみに、一番に逃げた乗員は「殺人罪」で逮捕されました。

 この事故当日、10時頃に大統領は事故の報告を受けました。
 その後、17時頃に対策本部を訪れるまで所在が不明だったのです。
 これが「空白の7時間」と呼ばれ問題となりました。

「空白の7時間」を巡るやりとり

 事故当日17時頃は、沈みゆく船と進まぬ救助で悲壮感が漂っていました。
 そこに現れた大統領は「救命胴衣を着けているのに発見が難しいの?」と、状況をまったく把握していない質問をしたとされています。

 つまり、乗客の船からの退避が行われたと思っていたのです。
 10時過ぎから報告をまったく受けていなかっただけでなく、テレビなどの情報も一切届いていなかったということです。

 このことは野党がさんざんに大統領を追求していきます。
 秘書室長は大統領の所在を把握していなかったと説明します。
 報告は直接ではなく書面で行っていたとのこと。
 野党は秘書室長が把握していないはずがないと責め立てます。

 当の朴大統領は完全に沈黙です。
 そのため、その後のセウォル号関連の慰霊行事などでも散々に叩かれます。
 特に遺族の反発は強く、メディアも大きく取り上げて大問題に発展しました。

「空白の7時間」は密会との噂へ発展

 その後、「空白の7時間」に男性と密会していたという噂が立ちます。
 大手新聞が「大統領のウワサ」として記事にすることで拡散しました。
 密会の相手は、元側近の男性で妻帯者であったが離婚したばかりとか。
 実名まで特定されて広まりました。

 ちなみに、この「ウワサ」を広めた大手新聞は朝鮮日報です。
 そのコラムを引用したのが産経新聞のコラムでした。
 それが名誉棄損として支局長が逮捕されるに至ったのです。

 国内の反発を考えると国内メディアは糾弾できず。
 しかし、過度の扇動的報道は抑制するための見せしめが欲しい。
 そんな思惑から産経新聞が「反日無罪」と相まって選ばれたのでしょう。
 代わりに、世界中のメディアから「報道の自由がない国」と叩かれました。

「空白の7時間」は朴大統領に引導を渡すのか?

 セウォル号事故は情報が錯綜し、混乱ぶりが日本にも伝わってきました。
 事故当日の昼すぎには「高校生は全員無事」というニュースが流れました。
 その後、「人数に誤りあり」となり、蓋を開けばほぼ全員が船内に。

 船内の高校生からメールが届いたとか、電波が圏外のはずだとか。
 民間ダイバーが救助活動をしており、海軍の救助活動ができなかったとか。
 ダイバーのレベルが低くて、ろくに救助できなかったとか。

 その大混乱は、朴大統領が現場指揮をすれば防げたとは思えないものです。
 それでも、国家元首は陣頭に立たねばならなかったのでしょう。
 そのとき不在だった理由が色濃い沙汰かはわかりませんが、重要なことです。

 注目は与党が過剰にこの問題を避けたがっていること。
 大統領が一貫して沈黙を貫いていることです。

 蓋を開けたら、何が飛び出るのかまったくわかりません。
 しかし、どうやら露見すればかなりの大事になりそうな気配がします。
 いよいよ、朴大統領に引導が渡されるのでしょうか?

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