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日本の護憲派に聞かせたい フランスの憲法改正は右傾化ではない?

time 2015/11/18

日本の護憲派に聞かせたい フランスの憲法改正は右傾化ではない?

 仏・オランド大統領は、憲法改正を目指す意向を示しました。
 パリ同時多発テロを受け、対テロ戦を柔軟に展開するためとしています。

 その内容は非常事態宣言によらずとも強い権限集中を可能にするもの。
 これは国権強化、フランスの右傾化と見る向きもあります。

 ISISはテロ対象国を広げるかのうような威嚇を行っています。
 東京同時多発テロが今日にも発生しないとはいえない状況になっています。
 日本には、国家非常事態宣言に該当する法規定はありません。

 もしも日本で政府に権限集中する憲法改正となれば、大批判の嵐は避けようがなく、安保法制の比ではないでしょう。
 では、反対ばかりでなく、どうのようにテロに対応していくのか。
 その答えが「9条があるから」「話し合いで解決」なのが日本の護憲派です。

 フランスの憲法改正は、日本の手本となるのか。
 憲法改正論議の足しに、今回の事例を掘り下げてみてましょう。

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国家非常事態宣言という一大事が相応しいのか?

 現在のフランスは国家非常事態宣言が発令されています。
 これは、第二次世界大戦開戦以来のことだそうで、極めて非常事態です。
 フランスの存亡の危機となった戦争と比べると、過剰にも見える対応です。

 日本でも、国家非常事態宣言を「過剰」として批判を受けた方がいました。
 問題は、国会非常事態宣言が今回の事件に適当であるかということです。
 仏・オランド大統領も、「適当ではない」と考えたのです。

 国家非常事態宣言は強力な権力集中が発生します。
 その分だけ、発令には厳しい条件が課せられています。

 戦争は原則として宣戦布告で始まり講和条約で終わります。
 戦場は国境線から始まり、敗退が続けば徐々に大都市、中心部に迫ります。
 少なくとも、過去の戦争の大半はこのような過程を経て行われました。
 テロとの戦いには、そういった過程はなく、突然中心部で発生します。

 国家非常事態宣言では、厳しい条件も含め小回りが利かないのです。
 それは、国民の安全を速やかに確保できないことを意味します。

憲法改正で国権は強化されるのわけではない?

 憲法改正は、非常事態宣言ではなくテロ対応ができる権限取得が狙いです。
 それは発動条件を緩くした国権強化を可能とする憲法改正でしょうか。

 むしろ、逆になると予想されます。
 発動条件が緩くなれば、強化される権限も小規模になるのは当然のこと。
 それよりは、強権である非常事態宣言が頻発する方が問題です。

 また、テロとの戦いに経過はないのと同じく、終わりもありません。
 永続的に政府に強力な権力が集中するのは、好ましい状況ではありません。
 その点でも、政府の権限を不適切に強化しないように制限するのが目的です。

 もしも、憲法改正を行わなかったら?
 国家非常事態宣言がISISが殲滅されるまで継続される可能性もあります。
 つまり、戦時下と同等の強権が政府に長期間に渡って委ねられるのです。

 どちらが民主国家の国民にとって危険かは一目瞭然です。
 政府の暴走の危険を憂慮するなら、適切な権限付与の規定を作るべきです。

70年前の憲法に固執する日本の護憲派は危険な存在?

 日本は戦後70年に渡って憲法改正を行ってこなかった国です。
 しかし、この70年で世界は大きく変わり、戦争も変わりました。
 どんなに素晴らしいルールにも、時代に合わなくなる時がきます。

 日本も早急に国家非常事態宣言に該当する法規定を設けるべきです。
 発生してから特措法を審議したのでは、国民の生命財産は守れません。
 恒久法として、規定すべきであると思います。

 特に護憲派をはじめとする左派は、安倍首相のテロ対策支援により日本人が標的となったと批判を繰り広げています。
 となれば、東京で同時多発テロが起こる可能性もあるわけです。
 ならば、非常事態宣言に該当する法整備は急務です。

 非常事態に陥ってから法整備の審議が行われるのは危険です。
 事態が緊迫していることで、時間的余裕もなく、精神的余裕もありません。
 感情論優先で、先鋭的な決定が成される可能性もあります。
 とんでもない強権を政府に与えてしまう可能性もあるのです。

 対テロ戦という70年前にはなかった戦いが現在にはあります。
 適切な法整備、憲法改正が行われることが、政府暴走の抑制にもなります。
 それを「9条を守れ」の一辺倒で批判する護憲派は、逆に危険な存在です。
 政府の権力集中・暴走を支援する存在になってしまうかも知れないのです。

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