ナレッジ ウォーカー 「時事散策」

シリア難民を「解放軍」にするのは良案か? 第二のタリバンとなるか?

time 2015/11/17

シリア難民を「解放軍」にするのは良案か? 第二のタリバンとなるか?

 ポーランド外相が難民問題とシリア内乱を解決する、驚きの提案をしました。
 シリア難民を訓練し軍隊化して帰国させ、祖国を解放させるというもの。
 難民に「労働」を与えることになり経済対策にもなるというのです。

 一見すると、シリア人にシリアを解放させるというのは筋が通ります。
 門外漢の米ロ仏が空爆をするよりも、根本解決に近いです。

 しかし、それは過去に通って失敗した道に景色が似ています。
 テロリストを訓練し育成したのは、アメリカなのです。

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イスラム国の母体だったアルカイダを育成したアメリカ

 アルカイダというイスラム過激派組織があります。
 アメリカで911事件を起こし、その名を世界に知らしめました。

 彼らはソ連のアフガン侵攻に対抗するためにアメリカが育成しました。
 イスラム義勇兵を集め、訓練して、武器を与えて、ソ連と戦わせたのです。
 その結果、ソ連はアフガンから撤退し作戦は成功しました。

 しかし、アルカイダはその後、反米へと路線変更していきます。
 元々が、中東にはパレスチナ問題がありました。
 イスラエルを支援するアメリカと対立するのは時間の問題でした。

 そして、911事件が発生します。
 その後は、対テロの報復戦争へと発展していきます。
 戦場で対峙するのはかつて師弟関係にあった米軍とアルカイダなのです。

 イスラム国はアルカイダの流れを汲む組織です。
 遠縁ではありますが、米国仕込みの軍隊ということもできます。

シリア「解放軍」はすでにあるのだが…?

 シリアには「自由シリア軍」という組織があります。
 いわゆる「反政府組織」に該当し、いうなれば「シリア解放軍」です。
 自由シリア軍はアメリカの支持を受けています。

 ところが、シリア国民の支持が広がっていません。
 その理由は、「アメリカの支持を得ている」から。

 中東の根底にあるのはパレスチナ問題です。
 イスラエルを支援するアメリカが支援する組織は、支持されないのです。
 さて、欧州主導で組織した「シリア解放軍」は支持されるでしょうか?

 ちなみに、自由シリア軍はアルカイダと協力関係にあるとされます。
 アルカイダはイスラム国とも敵対しています。
 この辺りの複雑さが、シリア内乱が容易に治まらない理由なのでしょう。

ポーランドの土地柄は何かに影響するのか?

 前例が惨憺たるものだからといって、ダメということはありません。
 失敗から学び改善を加えるのが、成功へと続く道なのはすべて同じこと。
 ポーランド外相の提案を前向きに論じてみても良いかと思います。

 ポーランドはかつてホロコーストにより多くのユダヤ人が殺された地です。
 後にユダヤ国家となったイスラエルは、ポーランドをどう見ているのか。

 そのポーランドの発案で、イスラム戦士が鍛えられ中東に送られてくる。
 彼らはシリア解放に尽力するのでしょう。
 では、シリア解放後に欧州仕込みのその武力はどちらに向かうのか?

 イスラエルとシリアの境界にはゴラン高原があります。
 国連が「イスラエルが不法に併合したシリア領」とする地です。
 いまもイスラエルの併合状態は継続されています。

 シリア、イスラエル、中東、宗教、本当に複雑怪奇です。
 いかに平和が尊いものかがよくわかります。

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