ナレッジ ウォーカー 「時事散策」

テロは仕方ない?「難民」を武器にしたテロ戦術が有効過ぎる理由

time 2015/11/16

テロは仕方ない?「難民」を武器にしたテロ戦術が有効過ぎる理由

 パリ同時多発テロはヨーロッパの景色を一変させました。
 その一番の要因は、実行犯がシリア難民として入国していたということ。
 欧米の「価値観」の弱点を突く、強力な戦術であることを証明しました。

 パリのテロは起こるべくして起きたもの。
 シリア難民を本格的に受け入れた時点から、避けようがない状況でした。
 そして、まだ収束したと決まったわけではありません。
 フランス以外、特にドイツはより多くのシリア難民を受け入れています。

 これでシリア難民の受け入れ停止となるでしょうか。
 シリア難民の国外退去や強制収容などの力技に出るでしょうか。
 欧米の「価値観」ではそれはできないことです。

 「難民」を武器にした戦術はあまりに有効的です。
 そして、日本とて対岸の火事ではありません。

sponsored link
「難民」を利用した敵地でのゲリラ戦という新戦術

 ISISは「難民」をテロリストの隠れ蓑として利用してきました。
 これは、自陣に引込んで行うゲリラ戦を、敵地に潜入して行うようなもの。
 かなり画期的な戦術となっており、そして非常に有効です。

 ベトナム戦争で米軍は非戦闘員の女性や子供を虐殺したとされています。
 大戦中の日本も中国で女性や子供を虐殺した事件はいくつかあります。
 大局的には許されないこと、しかし戦術的には仕方がない面もあります。

 ゲリラは攻撃を仕掛け、反撃されれば逃げて民衆に紛れこみます。
 一般の民衆は非戦闘員ですから、攻撃することを禁止されています。
 それを逆手にとって「民衆のふり」をするのです。

 中国の便衣兵は、農作業にいくふりをして日本兵と挨拶を交わします。
 そして、通り過ぎると後ろから襲い掛かって日本兵を殺すのです。
 「非戦闘員は巻き込まない」という価値観を逆手に取った戦法です。

 一般の民衆も直接手を下さなくても、ゲリラ兵を匿ったりします。
 自分達が「盾」になることを知っているのです。

 ゲリラと戦う側は、有効な反撃もできずにただ味方が殺されていきます。
 ゲリラ兵が逃げて民衆に紛れてしまえば、もう手が出せないのです。
 まるで、子供の追いかけっこの「バリア!」みたいなものです。

 業を煮やして一般民衆ごとゲリラを殲滅すれば「虐殺」とされます。
 ベトナムや中国の「虐殺」とはそういうものが含まれています。
 国際社会からの批判という反撃が待ち構えているのです。

「難民排除」に向かうことができない欧米的価値観

 未然にテロリストを選別して国外に退去させる方法はありません。
 難民とテロリストを見分けることは、非常に難しいことです。
 ということは、テロ対策はシリア難民全体に及ぶことになります。

 方法論として考えられるのはいくつかあります。
 ・シリア難民の受入れ拒否
 ・すでに国内にいるシリア難民の国外退去
 ・すでに国内にいるシリア難民を強制収容所へ

 どれも、現実に行えば世界中の批難が集中することは間違いありません。
 そもそもが欧米の価値観、キリスト教的価値観では選べない方法です。

 国家存亡に関わる小国や途上国なら公然と難民拒否を打ち出せるでしょう。
 しかし、大国の国家運営に関わるエリートには、それはできません。
 つまり、難民にテロリストを紛れませる戦術は、今後も続くということです。

 物理的にそれを防ぐ手段は確かにあります。
 しかし、精神的に、価値観的に、防ぐ手段は存在しない戦術なのです。

フランスはISISの最優先標的ではないということは?

 フランスでテロが起きた原因にシリア空爆を実施していることがあります。
 シリアを空爆しているのは米ロ仏です。
 それが、テロの標的となった理由であり、原因とされています。

 しかし、フランスがシリア空爆を開始したのは難民問題が理由です。
 大量の難民は現実的に受入れ許容量を超えていると判断しました。
 彼らが難民たる所以は、母国シリアで内乱が続いているから。
 シリア難民の解決策は、シリアの内乱を速やかに治めることです。

 テロの原因が空爆なら、空爆の理由はシリア難民です。
 シリア難民の原因はシリアの内乱で、その原因は…。
 ずっと先まで続きますが、根本原因はフランスにあるわけではありません。

 ISISの最優先テロ対象国はアメリカであることは間違いありません。
 そうなると、シリア難民に紛れたテロリストは世界中に拡散したとみるべき。
 フランスだけにテロリストが紛れ込んだとは考えられません。

日本にも有効な戦術となる可能性は高い?

 日本は欧米とは若干異なる価値観を有しています。
 多神教ベースのため「絶対正義」より多様な意見を許容する傾向があります。
 そのため、諸外国に比べ難民受入れに厳しくても大問題にはなりません。

 しかし、近い将来に朝鮮半島で戦争が勃発したらどうなるでしょうか。
 こんなシミュレーションもできます。

 戦雲が近付くにつれ、難民船や中国経由で北朝鮮難民が日本に流入する。
 日本は難民受入れに厳しい態度で臨み、基本的には受け入れない。
 しかし、不法入国やなし崩しで国内の北朝鮮難民は増加していく。

 ある日、日本海の浜辺で子供の遺体が発見される。
 「子供に罪はない」といって、北朝鮮難民受入れの気運が一気に高まる。
 国連は騒ぎ、欧米も糾弾し始め、仕方なく難民受入れのハードルを下げる。
 そして、数百万人の北朝鮮難民が日本になだれ込む。

 第二次朝鮮戦争勃発、日本は米軍支援で韓国側に与する。
 韓国の後背を脅かしたい北朝鮮はどうするか。
 難民に紛れて日本に潜入している工作員に…。

 これ、日本の価値観でも容易には対策が取りづらいです。
 このテロの新戦術をどう防止するかも、今回の事件の重要な見所です。

sponsored link

down

コメントする






sponsored link

カテゴリー

アーカイブ