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民主党解党か?保守系議員が解党要請へ 民主党は役目を終えたのか?

time 2015/11/12

民主党解党か?保守系議員が解党要請へ 民主党は役目を終えたのか?

 ついに民主党の大物議員からも解党要請が出される見込みとなりました。
 前原氏、細野氏が維新・江田氏と会談し、「解党」で一致しました。

 これまで民主・若手議員が「解党」を岡田代表に要望する動きはありました。
 維新の党は民主党との合流に「互いに解党し新党結成すべき」としています。
 そこに保守派の重鎮である前原氏が賛同し、細野政調会長も加わりました。

 民主党が解党し、維新の党と合流した新党はどうなるのか。
 民主党はその役目を終えたのでしょうか。

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野党再編は集まるだけではない?

 安倍政権が続いていますが、支持率は就任当時から下降傾向にあります。
 これは、どの政権でも同じようなものですが、違うのは野党支持の動きです。
 政権支持は下がっても、野党支持は広がっていないのです。

 これは既存野党に政権交代能力がないとみなされていると受け取れます。
 民主政権がマニュフェストの大半を反故にしたことを忘れてないのでしょう。
 その民主党が最大野党で政権交代の第一候補ですから、仕方がありません。

 政権支持率がどれだけ下がっても、野党支持が低ければ意味はありません。
 消極的支持として、結局はまた自民党が政権を取ってしまうからです。
 これは、国民にとっても選択肢がないという意味で不幸なことです。

 そこで叫ばれるのが「野党再編」です。
 これまでの「野党再編」は「数の力の強化」に着眼していました。
 岡田氏の民主党をそのままに維新の党を吸収したいという考えもそれ。
 共産・志位氏の「国民連合政府」も方法論としては「数の力」です。

 これに民主党保守派議員が反対を示していました。
 そして「数の力」より主義主張の先鋭化を目指すことを選択したわけです。
 それが前原氏、細野氏、江田氏の新党結成の動きです。

 「数の力」としては弱体化するかも知れません。
 しかし、同じ主義主張の人が集まれば先鋭化されます。
 長期的には、それが国民に支持されれば、政権交代も現実味が出てくる。

 現状のまま連立を目指すのと、どちらが現実味があるかという話です。

民主党の足並みがそろわないのは結成当初から?

 民主党は「数の力」の重要性をよくわかっていました。
 結成からこれまでに数々の政党を吸収して「数の力」を強化してきました。
 そのため、党内に意見の違いをもつ多くの議員を抱えています。

 民主党の議員数は衆議院で71名、参議院で58名となっており最大野党です。
 民主党内部には複数の派閥があり、保守系や旧社会系などと呼ばれます。

 大きな党であれば党内に派閥があるのは当然で、自民党にもあります。
 同じ党である以上は「違い」の幅は狭いに越したことはありません。
 また、違いの幅があっても人数的偏りが大きければ問題になりません。

 民主党の最初から政局の中で誕生しました。
 自民党と新進党が勢力を伸ばすと、小政党の危機感から結成されます。
 母体となったのは元自民党議員で構成される新党さきがけ。
 そこに、社民党議員が加わるというごちゃまぜ新党でした。

 さらに、弱体化した新進党が加わって民主党の基礎が確立されます。
 新進党は非自民・非共産が集まった政党でリーダーは小沢氏でした。
 「否定する相手」が共通であったというだけの集団ともいえます。
 なんでも否定する民主党の姿を示唆するような結成の経緯です。

 党内に保守もリベラルも抱えているのは、経緯を見れば当然のこと。
 それで右派でも左派でもない「中道」を理念とするのも理解できます。
 中身は右派と左派も大勢いて、混ぜて割れば中道ということです。

民主党の役目は終わったのか?

 政局から誕生した民主党ではありますが、時と共に勢力は増していきます。
 勢力が増すのは、それなりに求められる役目があったからです。
 民主党が野党第一党に上りつめたのは「政権交代」を求められたからです。

 90年代の日本は自民長期政権が崩壊し、連立政権の時代でした。
 連立政権は連立内の人数比が拮抗すると、政権として弱いです。
 そこで、二大政党制というのが渇望されていました。

 二大政党制の一翼を期待された新進党が求心力を失うと次が求められます。
 そこに躍り出たのが、新進党を吸収した民主党でした。

 二大政党制の条件は、現実的に政権交代が許容できること。
 共産党や社民党では「現実的に」政権交代は許容されません。
 少なくとも、冷戦時代を知る世代がいなくなるまでは無理でしょう。

 そして、民主党は役目通りに政権交代を果たすのです。
 もちろん、それで終わりではありません。
 二大政党制はその後も有権者に政権交代の選択肢を提供するのが狙いです。

 しかし、民主党は政権を担う能力がないと有権者から判断されてしまいます。
 これは民主党の存在意義を否定されたも同然のことです。
 理想を声高に叫ぶ永遠の野党は、民主党の役目ではありません。
 それは、共産党や社民党の役目です。

 要は民主党は政権交代政党となり得るのか?というのが肝です。
 それが否となれば、解党して新党結成という判断に至るのもやむなしです。
 前原氏や細田氏、若手議員はそう判断したということです。

新党の役目は民主党と同じ?

 前原氏らが狙う新党は、保守系議員が集まると思われます。
 民主党の前原氏に近い派閥からは40名ほど。
 民主党の中道派勢力も加われば80名ほどになると見込まれます。
 維新や無所属議員を取り込めば、現状と同規模は維持できるかも知れません。

 但し、左派系議員は合流を避ける可能性が高いです。
 むしろ、左派勢力の入党は拒否するかも知れません。
 それでは民主党と同じ道を辿るだけですから。

 当然、新党の役目は政権交代可能な政党であることです。
 自民党も保守政党とされますので、系統としては被ることになります。
 政権交代を担うには、有権者に与党とは違う選択肢を提供すること。
 この辺りのさじ加減で、新党の立ち位置が変わってくると思われます。

 前原氏は自民党に考えが近過ぎるので、前面には出てこないのでは。
 民主党の顔だった岡田氏がそのまま当主になっては新鮮味がありません。
 若い細野氏か枝野氏が前面に立ったとして求心力はいかほどか。
 主義主張を先鋭化させるなら、もっと尖った代表を期待したいところです。

国民連合政府構想が民主党を瓦解させたのか?

 民主・岡田代表が容易に解党を受け入れるとは思えません。
 組織の長ですから、それは当然のことです。

 現状を維持しても国民連合政府構想には乗れないのも事実。
 前原氏らの解党合意は、毅然とした拒否の表れです。
 それどころか維新の党の取りこみも失敗するかも知れません。

 仮に、新党がうまくいっても現状の民主党と同程度の規模。
 そして国民連合政府構想に乗っかることはまずありえません。

 本当は、「民主党」の看板を掲げることが一番の欠点です。
 それは党首としては受け入れられないことでしょうけれど。

 民主党をここまで追い詰めたのは国民連合政府構想でしょうか。
 正確には、国民連合政府などなくても追い詰められていました。
 国民連合政府構想が、それを顕著にしたというだけです。

 民主党が解党し、新党結成に失敗したら。
 その結果、共産党の支持がますます増えたとしたら。
 共産・志位氏がそこまでの策士であれば稀代の名参謀です。

久々に民主党に注目が集まる?

 前原氏らの行動が、国民連合政府を拒否する示威行動の可能性もあります。
 フリを見せることで岡田氏を揺さぶるだけなのやも。
 しかし、維新の党が「解党し新党結成」を求めているのも事実。

 ここは是非とも岡田氏にも志位氏に倣って賭けに出て欲しいところです。
 型物原理主義者とされる岡田氏が賭けを打つかはわかりませんが。
 ひさびさに民主党に注目が集まりそうです。

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