ナレッジ ウォーカー 「時事散策」

成功でも失敗でもない 日韓首脳会談の成果とは?

time 2015/11/06

成功でも失敗でもない 日韓首脳会談の成果とは?

 共同声明もなく、昼食会もなく、記者会見もない。
 中身の見えない日韓首脳会談は中身がなかったというのが正解の模様。
 各社の「予測」報道ばかりが過熱しています。

 そもそも日韓首脳会談、その前日の日中韓サミット、その主要議題は何か。
 諸々の問題を話し合い確認したというが、主が歴史問題だったのは確かです。
 結果的に、韓国も中国も日本から何らの譲歩も引き出せませんでした。

 一方、日本も歴史問題で進展が得られたかといえば何もなさそうです。
 「来た、見た、会った」と、それだけのことです。

 ただ、会談に至る過程を見ると、少々評価は変わります。
 そして、会談後の状況もまた、評価に値することがありました。
 会談そのものよりも前後のイベントの方が重要になってしまいました。

sponsored link
日韓首脳会談が開かれる前に何があったか?

 日韓首脳会談は3年以上もの間、開かれていませんでした。
 安倍首相は「常に対話の窓は開いている」という姿勢でしたが、韓国・朴大統領が「会談しても意味はない」として拒否してきたからです。

 きっかけは日中韓サミットの開催でした。
 こちらも年行事の予定が「必要性がない」として見送られてきました。
 それが、中韓が再開を決め、後から日本に連絡する形で開催されました。

 日本としては「対話の窓は開いている」わけですから応じます。
 しかし、中韓はともに歴史問題で譲歩を引き出すことを条件にしていました。
 ところが過去の首相と違って、安倍首相は譲歩には応じなかったようです。

 中韓は朴大統領が軍事パレードに参加するなど蜜月ぶりを示していました。
 中韓で連携して、日本の歴史問題を責め立てようと合意もしていました。
 その上で数年ぶりのサミットですから、何が狙いかは明らかでした。

 譲歩に応じない日本に中国は外側から責め立てます。
 国連総会では核武装の可能性を責め、戦時中のBC兵器の被害を責めます。
 呼応するように、韓国は日韓首脳会談の条件に慰安婦問題の進展を求めます。

 中国・李首相は開口一番に日本の歴史認識を批判したといいます。
 しかし、安倍首相は取り合わなかったようです。
 当然、慰安婦問題の進展を日韓首脳会談の条件にすることも受入れません。

 そして開かれた日韓首脳会談で何らの成果が出るはずもありません。

韓国側から見た日韓首脳会談までの経緯は?

 朴大統領は状況的に追い詰められていました。
 政策の中心にある経済対策では、日本の円安効果で苦しい状況が続きます。
 また、日本から観光客は激減し、日本での韓流ブームもさっぱりな状況です。

 そのため、国内から日本との首脳会談を開くべきとの声が上がります。
 しかし、朴大統領は「意味なし」としてこれを突っぱねていきます。

 転機は訪米で冷遇されたことです。
 これまで歴史問題を世界中で訴える「告げ口外交」をしてきました。
 その狙いは「歴史問題が解決しないのは日本が悪い」という世論形成です。
 しかし、「歴史問題が解決しないのは韓国のせい」とされてしまいました。

 その上、中国に傾注し過ぎていると指摘もされます。
 つまり米側に戻れということ、そして日本と仲良くしろということです。
 日中韓サミットのホスト国なのに、何もしないわけにはいきません。
 日韓首脳会談を韓国側から言いださざるを得ない状況になりました。

 日韓首脳会談をやれば成果を問われることは明らかでした。
 そこで、慰安婦問題の進展を条件に出しました。
 しかし、日本側は前提条件を付けることを受け入れてくれない。

 首脳会談をやる必要があったのは韓国です。
 日本はやらなくても、これまで通りが続くだけでした。
 結局、譲歩しない安倍首相を相手に成果を上げることはできませんでした。

日韓首脳会談後に何があったのか?

 韓国は会談が終わると、すぐさま竹島での軍事演習実施を発表します。
 もしも、会談が良好であれば、このタイミングで発表しないでしょう。
 韓国から見て、会談は不調であり国内世論のためにも対日強硬姿勢を見せる必要があったというわけです。

 韓国の世論調査でも内閣支持率は下がり、不支持率は上がっています。
 日韓首脳会談が韓国国民にとって期待外れの結果だったのです。

 しかし、これは最初から想定された通りのことでしょう。
 朴大統領は安倍首相を徹底的に冷遇し、李首相を厚遇しました。
 つまり、事前調整の段階で会談の成果がないことはわかっていたのです。

日韓首脳会談が行われたという事実だけが残った?

 米国の圧力で日韓首脳会談を開いたのなら、友好をアピールすべきです。
 しかし、それでは韓国国内世論がもたない。
 朴大統領にとっては、苦しい判断だったでしょう。

 韓国国民が日韓首脳会談を求めた理由はなんだったのでしょうか。
 慰安婦問題の解決もあるでしょうが、それ以上に経済の好転だったのでは?
 歴史問題に固執し、本筋を見誤ったという見方もできます。

 一方の日本は、歴史問題で屈しない姿勢を貫きました。
 譲歩しなくても、必要なら相手から会談を求めてくることを証明しました。
 そして、日本から会談する必要性はあまりないということも。
 これは成果ではありませんが、今後の外交方針に影響を与えるはずです。

歴史問題が外交カードではなくなるときも近い?

 歴史問題が常に日中韓の間で問題とされてきました。
 しかし、日本が譲歩しないことで初めて解決に近付いた気がします。
 そもそも、有効である限りは中韓は歴史問題を手放しません。
 つまり、有効である限り解決しないということです。

 日本が譲歩しないことで「効果なし」を見せることができました。
 これで歴史問題解決へ一歩進んだわけです。
 外交カードでも何でもなければ、歴史問題は解決できるようになります。

 すると、今後の展開としては諸外国の支持を得られるかに掛かります。
 極東の歴史問題は「日本が過去を受け入れない」というのが欧米の認識。
 これが、米国で「中韓が政治問題にしているのでは?」となってきました。

 今後は欧州諸国の意識改革を進められるかが焦点になります。
 ドイツの例を挙げ、敗戦国側に非があるという認識が強いまま。
 欧州と極東では、歴史問題は別物であることをアピールする必要があります。

 そうして歴史問題の根本原因が判明したとき、問題は問題ではなくなります。
 長い話ですが「子供達に謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」のなら、そこまで進めなければなりません。

 そこまで行けば、今回の日韓首脳会談が評価されるかも知れません。

sponsored link

down

コメントする






sponsored link

カテゴリー

アーカイブ