ナレッジ ウォーカー 「時事散策」

ロッシェル塩だけじゃない? 戦争中の意外なもので作られた兵器たち

time 2015/10/30

ロッシェル塩だけじゃない? 戦争中の意外なもので作られた兵器たち

 戦時中の海軍が命令してワインを大量に作らせていたという話。
 ドラマ「マッサン」にも登場しウィスキー工場でワイン作りを行います。

 ワインから取れる酒石酸、これを化合するとロッシェル塩になります。
 このロッシェル塩が潜水艦のソナーとして高性能を発揮するのです。
 海軍が重要な軍需物資として、製造を指示するのはそんな理由から。

 そのロッシェル塩が、上野の国立科学博物館で初公開されるとか。
 日本とワイン、ワインと戦争。
 意外なものが戦争では軍需物資として製造推奨されていました。

 実は、他にも「こんなものが?」と思われるものが戦争で使われています。
 日本らしい、意外なもので作られた兵器を紹介します。

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風船爆弾の粘着剤は食卓に並ぶ「あれ」だった?

 Japanese_fire_balloon_Moffett
 日本軍の秘密兵器に風船爆弾がありました。
 日本上空から米国上空まで流れるジェット気流を利用した爆弾です。
 風船(気球)に爆弾を付けて、ジェット気流で米国を爆撃するのです。

 9300発が放たれ1000発ほどが米国に到達したとされています。
 米国では細菌兵器を搭載された場合を想定し、厳重警戒が敷かれました。
 しかし、細菌兵器の搭載は天皇が裁可せず、実施されませんでした。

 その風船爆弾の風船部分は和紙で作られていました。
 しかし、その接着剤が米国側の研究では何で作られたのかがわからない。
 戦後判明した接着剤の原料は、こんにゃく糊。

 日本は大量の風船爆弾を作るためにコンニャクを徴用しました。
 そのため、日本の食卓からコンニャクが消えたと言われています。
 コンニャクが重要な軍需物資となったのです。

 ちなみに、風船爆弾は史上初の大陸横断爆弾でした。
 米本土を爆撃した数少ない実績を持つ兵器でもあります。
 戦果は、不発弾に触った家族6人と小規模な山火事されています。
 日本側も製造中の事故で6人が殉職しており、兵器としては駄作でした。

 でも、細菌兵器を載せていたらどれだけの被害が出ていたか。
 しかもジェット気流は逆方向には流れませんから、一方的な攻撃。
 考えようによっては、日本軍の中でも最も恐ろしい兵器です。

飛行機のガソリンが足りない?ならば「あれ」でどうだ?

 ソロモンの零戦隊
 戦争は米国の経済制裁が大きな理由でした。
 それによりほぼ米国からの輸入に頼っていたい石油が枯渇します。
 石油を確保するために、南方戦線に進出したのが太平洋戦争です。

 当然、戦争終盤になるとその石油が枯渇し始めます。
 ガソリンがなければ軍艦も飛行機も動かないのです。
 どれだけ兵器を揃えていても、ガソリン不足ではガラクタの山なのです。

 そこで、国内でなんとかガソリンを調達しようという試みがありました。
 目を付けたのは、「松脂」です。
 松脂は松の木の根に多く含まれています。

 日本軍は海岸線に生える松林の松を伐採し、その根を抜いて集めました。
 松林の大量の穴をみた人達は、不思議な光景に驚いたそうです。
 しかし、日本軍はそんな彼らに緘口令を敷いたとか。
 例え、米軍に漏れても何に使うかまでは想像できなかったでしょう。

 実際に松脂から作ったガソリンで戦闘機は空を飛んだそうです。
 しかし、あまりにガソリン精製の効率が悪いので計画は中止されました。

 もしも松脂が効率よくガソリン精製に向いていたら。
 日本中の松が掘り起こされ、松林は消えていたかも知れません。
 和風なイメージの松が、ガソリンになるのも意外性があります。

総力戦とは人的リソースだけの話ではない

 ワイン、こんにゃく、松。
 これらが兵器に使われるために、軍需物資になっていました。
 「総力戦」とはいいますが、総力とは本当に総ての力です。

 まだまだ知られざる軍需物資があるかも知れません。
 負けた側はほとんどの資料を廃棄してしまうので謎が多いのです。

 「軍事転用できるから軍事産業」なんて言い始めたら何も作れません。
 ワイナリーも、こんにゃく農家も、軍事産業になってしまいます。

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