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民主・岡田代表が「国民連合政府」を否定 政権交代に賭けるより安定野党を重視か?

time 2015/10/29

民主・岡田代表が「国民連合政府」を否定 政権交代に賭けるより安定野党を重視か?

 民主・岡田代表が共産党が提唱する「国民連合政府」を否定しました。
 「『国民連合政府』は非常に無理がある」とし、その理由に安全保障政策の違いをあげ「国民の信頼を得られない」としています。

 共産・志位代表が提唱する国民連合政府は、野党の結集を呼び掛けるもの。
 目的を安保法制廃止と集団的自衛権容認の閣議決定の撤廃に据えています。
 そのために、野党間の政策の違いはいったん脇に置いた連携を訴えています。
 目的が成ったらば速やかに解散総選挙を行う「暫定政権」も明言しています。

 これまで何度か志位氏の国民連合政府に掛ける熱さを紹介してきました。
 民主党より遥かに長い共産党の歴史を塗り替える覚悟で望んだ大構想。
 その熱さは、岡田氏にはまったく届いていないのか?

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参院選で勝ったら国民連合政府に乗るということ?

 国民連合政府が目的を成就するには、政権交代が不可欠です。
 そして、成立する政権は野党が結集した連立政権となるでしょう。
 志位氏は、第一党の代表が首相になればいいとも言っています。

 では、政権奪取に向けての具体的なロードマップはどうか。
 次の国政選挙はよほどのことがなければ参院選です。
 では、参院選は政権選択選挙ではないから国民連合政府は不要なのか?

 参議院で野党が過半数を得ると、いわゆる「ねじれ国会」になります。
 ねじれ国会は政権否定の民意の表れとして、衆議院の解散を求めるのが常道。
 もちろん内閣は応じませんが、政権運営に支障を来たすのも事実。
 そうやって、衆議院解散への土壌が形成されていくのです。

 「参議院は政権選択選挙ではないから」というのは軽視し過ぎです。
 「衆議院さえ取れればよし」では強行採決と同じくらい乱暴な話。
 そういえば、民主党政権時代は強行採決を乱発していましたね。

 参院選では「国民連合政府」の旗は掲げず、参院選で優位に立ったら次の衆院選では「国民連合政府」の旗を掲げる。
 都合が良すぎる論理に見えますが、国民に見透かされていませんか?

安全保障政策の違いは脇に置けるものではない?

 国民連合政府の目的は安保法制撤廃にあります。
 この目的自体が「安全保障政策」なのですが、受け入れられない違いとは?

 共産党の安全保障の立場は日本の政党の中でもかなり極端です。
 ・日米安保の否定
 ・自衛隊の存在は違憲

 対して、民主党は政権も経験した政党ですから現実路線です。
 日米安保も自衛隊の存在も容認しています。

 しかし、志位氏はそこが争点になるとして先手を打っています。
 国民連合政府のためなら安保容認、自衛隊も容認を打ち出しています。

 となると、何が受け入れられない「安全保障政策」の違いなのでしょう。
 単なる言い訳にしか聞こえません。
 志位氏がここまで譲歩してきているのに、聞く耳をもっていないのか。

 ひとつ考えられるのは、民主党は本当は集団的自衛権を容認派だということ。
 今は「何でも反対」の国政対策で、集団的自衛権に反対しています。
 しかし、岡田代表をはじめ幹部に集団的自衛権容認派は多くいます。

 国民連合政府の目的である「安保法制廃止」には同意できても、もうひとつの目的「集団的自衛権の行使容認の閣議決定の撤廃」には賛同できないということか?
 仮にそうなら、はっきりと明言すべきですがなぜ濁すのでしょう。

野党再編の中心になるはずが内部崩壊の危機?

 民主党にとって共産党との連携は内部崩壊の危険をはらんでいます。
 元外相の松本剛明氏が民主党を離党しました。
 理由のひとつに「共産党との連携模索」を挙げています。

 いまのところ松本氏に追随する動きは出てきていません。
 松本氏は求心力の高い人物ではないようで、崩壊を免れています。
 しかし、共産党との連携に否定的な枝野氏や前原氏が後を追ったら。
 今、民主党は小沢氏離党以来の危機に直面しているのです。

 岡田代表としては、いったん共産党と距離を置いて沈静化を図りたい。
 だから国民連合政府の旗を降ろして、通常の選挙協力に納めたいのです。

 これ、志位氏は受け入れる可能性が高いと思います。
 なぜなら志位氏の熱さは本気だからです。

 国民連合政府に民主党は不可欠です。
 共産党が第一党では、絶対に政権交代はできません。
 反与党の受け皿になっても、本気で共産党政権を望む人は少数派です。

 だから前面には現実路線で政権経験もある民主党を立てたい。
 国民連合政府の成就のためには民主党が崩壊してもらっては困るのです。
 だから志位氏は民主党の内部事情を汲みいったん旗を降ろすと思うのです。

 ただ、SEALDsは「野党の統一候補が出るなら応援する」としています。
 絶対に若者の浮動票を取り込みたい。
 国民連合政府の旗を降ろして、野党統一候補が可能なのかも鍵になります。

参院選で勝ったら国民連合政府復活?そもそも勝ち目は?

 参院選は衆議院と違って、3年ごとに半数を入れ替える制度になっています。
 2016年の参院選で改選されるのは2010年の参院選で当選した人達です。
 2013年の参院選で当選した人達は対象とはなりません。

 2013年の選挙では、改選121議席に対し自公の当選者数は76人です。
 この人数は2016年の参院選では改選対象ではないのでそのままです。

 つまり、野党が参議院で過半数を占めるには77議席の獲得が必要です。
 自公が大惨敗した2007年でも野党で75議席です。
 その再来でもない限りは厳しい状況です。

 勝ち目のない参院選では国民連合政府の旗は立てない。
 その次の衆院選でも勝ち目がないから・・・。
 民主党が乗ってこない国民連合政府は志位氏の夢で終わるのでしょうか。

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