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マンガが見直されている? 真面目に考えたマンガのメリット3点、デメリット3点

time 2015/10/27

マンガが見直されている? 真面目に考えたマンガのメリット3点、デメリット3点

 本をよく読む子ほど、マンガもよく読む。
 全国学校図書館協議会と毎日新聞の合同調査で、明らかにされました。

 マンガは「活字離れ」の元凶とされてきましたが、読書の入口として、また図書館への呼び水として、見直す動きがあるとのことです。

 以前より、マンガが小説に劣るという論には納得いきませんでした。
 テレビの見過ぎはバカになると言われ、いまは誰も言わなくなりました。
 マンガも「推奨」される媒体になるのでしょうか。

 真面目に考えたマンガのメリット・デメリットを3つずつあげます。

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メリット1:小説よりもテンポが良い

 マンガと小説の一番の違いは絵があることです。
 絵があることで、小説にある説明文を大幅に削減できます。
 そのため、読んでいてテンポが良いというのがあります。

 刑事が強盗を捕まえるシーンがあったとしましょう。
 小説は、刑事がどんな人か、場所、季節、仲間の有無など、多くの情報を文章で表わさないと読者には状況が伝わりません。

 マンガはそれを数コマの背景絵で、読者に伝えられます。
 しかも、本筋のト書きや会話は同時に進行させることができます。

 テンポの良さは読者への飽きを防止するし、集中を促します。
 説明文の長い小説は想像力を育むかも知れませんが、途中で読むのを挫折してしまっては意味がありません。

メリット2:情報量が多い

 絵があることで情報量が多いのもメリットです。
 小説では長すぎる説明文では読者が飽きてしまいます。
 そのため、必要な部分だけを説明することになります。

 例えば、古代ローマを題材にした作品があったとします。
 マンガでは皇帝の服も描くし、座る椅子や壁や柱の内装も描きます。
 戦争となれば両国の武装の差、武器や戦術、戦闘規模も描かれます。

 小説は周囲を緻密に書きだすには、文字数が掛かり過ぎます。
 また、本筋に関係なければ飛ばさざるを得ません。

 結果的に小説からは物語は読めても、当時の風俗はわかりません。
 想像力で補えと言いますが、基礎知識が不足していればそれは無理です。
 ましてや子供に、古代ローマの風俗知識を期待するのは酷です。

メリット3:演出が入れやすい

 コマ割りやアングルや集中線などを使った演出が容易です。
 これを小説でやろうとすると、かなり馬鹿げた文章になります。

 演出が入れやすいということは笑いの要素も入れやすいということ。
 それは読者、とりわけ子供の読者を惹きつけます。

 笑いがあるから「マンガは娯楽性が高過ぎ」とするのは間違いです。
 それは技術のひとつであって、マンガそのものではありません。
 笑いのないマンガもあるし、笑いのある小説もあります。

 ただ、読者が引き込まれ楽しんで読める。
 集中して物語の最後まで読めるということは、大きなメリットです。

デメリット1:曖昧さが描きづらい

 曖昧な表現は小説の方が優れています。
 「曖昧な表情」は文字では簡単ですが、絵で表すのは難しいです。
 作者の力量によるところもあるでしょうが、読者が誤解しては台無しです。

 手法としてマンガでそれを表現する方法もあります。
 しかし、小説の方が優れている点であることは間違いありません。

 難解な作品ほど複雑な感情が描かれるものです。
 その点は小説が向いています。

デメリット2:絵の好みがある

 絵の好みがない人もいますから絶対ではありません。
 しかし、読んでて楽しめない絵柄がある人は多くいます。

 内容が非常に楽しいものでも絵で門前払いしてしまうことが起こります。
 その点、小説は自分の想像力に任されますから、主人公の顔が気に入らないということは起こりません。

 ただ、小説にも読みにくいと感じる文章を書く作家もいます。
 読みたい題材の小説でも作者が気に入らないと読まない、はあります。
 マンガの絵柄もそれと同じ「好み」の問題とも言えます。

デメリット3:週刊誌や月刊誌の連載が単行本化される

 雑誌連載から単行本化されることの弊害があります。
 商業的な話なので致し方ない部分ではありますが。

 雑誌連載であり最後まで書き切れる保証がないケースがほとんどです。
 そのため、1話ごとに山場を設けて読者を煽る必要があります。
 これが物語に冗長を生みだしてしまいます。

 また人気が出れば最終回を引き伸ばされたりもします。
 これも物語に冗長を生みだします。

 最悪は打ち切りです。
 打ちきりマンガはストーリーが終結しないことが多いです。
 作品と呼べないものも。となると一過性の娯楽に落ちてしまいます。

それでもマンガは廃れてしまうか?

 いかがだったでしょうか。
 マンガの素晴らしさを少しでも感じてもらえればありがたいです。

 絵があることで「想像力を育てない」というのは想像力が不足しています。
 多様な絵を見ることで、むしろ想像の両翼は広がると見るべきです。

 ただ、未来に対してのネックもあります。
 それは紙媒体が廃れて、電子書籍がどんどん普及してきていること。
 小さな画面では、マンガより小説の方が遥かに読みやすいです。

 マンガは「排除」対象から「保護」対象になるかも知れません。

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