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南沙諸島に米軍派遣決定 集団的自衛権の発動の可能性は?

time 2015/10/22

南沙諸島に米軍派遣決定 集団的自衛権の発動の可能性は?

 米国が中国が埋め立てを進める南沙諸島への、軍派遣を決定しました。
 中国は周辺国の批難を無視して人工島の建設を進めています。
 領海とされる12カイリに侵入することで領海を否定する狙いです。

 いよいよ南シナ海の問題に行動で介入してきた米国。
 日本は先日、安保関連法制が成立したばかり。
 そして南沙諸島は日本にとって重要なシーレーンです。

 米中衝突があれば、初の集団的自衛権発動もあり得るのか?

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東シナ海の防空識別圏と同じく有名無実化が狙い?

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 南沙諸島は中国が強引に人工島建設を進めており、国際問題となっています。
 地図で見ても中国本土から遥か南の地。
 ところが、南シナ海全域は「中国の領海」とするのが中国の主張です。

 人工島には3,000m級の滑走路が完成間近とみられています。
 完成すれば、南シナ海へも防空識別圏を設定する可能性があります。

 2013年に中国は突然、東シナ海上空を防空識別圏に設定しました。
 航行するには中国の了承を得る必要があると警告します。
 それに日米をはじめ、周辺国は反発します。

 そのときも米軍は爆撃機を防空識別圏内に「了承を得ず」飛行させます。
 結果として、中国はそれを無視しました。
 中国の防空識別圏に実効性のないことを証明し、有名無実化しています。

 南沙諸島でも同様の結果となるのでしょうか。

過去から学んだ中国、準備が整った米国、状況は違う?

 中国の東シナ海への防空識別圏設定は「様子見」という識者もいます。
 周辺国の反応や対応を見極めようということです。
 日米が強行に譲らない尖閣諸島は諦めて、本命の南沙諸島に移ります。

 東シナ海の防空識別圏設定から学んだのは実効性を知らしめるということ。
 まず、実効性を優先し後に公式に防空識別圏を設定するというのです。
 そのためには人工島基地と滑走路の建設が最優先です。

 米国はそれを見越して軍備が整う前に軍を派遣しようという狙いでしょう。
 中国としても、東シナ海のように手を出せず終わりにはしないでしょう。

 米国の事情も、対中包囲の実効力がなかった2013年とは違います。
 TPPによる経済包囲網、そして日本の安保法制成立があります。
 米国は世界の警察をやめ、アジアの警察は日本に任せたい。
 その準備は整ってきました。

軍事衝突があれば「新3要件」を満たして自衛隊出動なるか?

 南沙諸島は日本の領海から遠く離れています。
 しかし、日本のシーレーンには重要な海域です。
 アラブから石油を運ぶタンカーは南シナ海を通過するからです。

 もし、南シナ海が中国の領海となったら、そして日中関係が悪化したら。
 日本は簡単に、主要な石油の運搬ルートを封鎖されてしまうことになります。
 南シナ海を回避すれば時間も燃料も、従来以上に必要になります。

 日本が太平洋戦争を始めたのも、石油の輸入を止められてからです。
 燃料資源のほとんどを輸入に頼る日本にとって、石油ルートは最重要です。
 これを脅かされることは「国家存立の危機」と判断する可能性があります。

 仮に、派遣された米軍が中国軍と軍事衝突を起こしたとしたら。
 その結果、中国軍が優位に立ち南シナ海の「実効支配」を確立したら。
 次の一戦は、米軍と並んで自衛隊が参戦することも大いに考えられます。

南沙諸島は「アジアの火薬庫」となるか?

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 南沙諸島は中国以外にも、台湾、ベトナム、ブルネイ、フィリピン、マレーシアが領海を主張しています。
 中国の強引な参戦により、多国間紛争地の様相を呈しています。

 米軍を派遣しても一過性のもので、根本的に問題は解決しません。
 誰かが超越的な立場から、仲裁する必要があります。
 それはこれまでは米国の役割でした。

 しかし、米国は世界の警察をやめようとしていると言われています。
 そして「アジアの警察」には米国に代わり日本に任せる算段です。
 南沙諸島と周辺海域の安定は日本のシーレーンにとっても重要です。

 強引な中国を止めることができるアジアの国は日本だけ。
 仮に中国が南沙諸島を諦めても、残る問題の解決を仕切るのは日本です。
 それがうまく行かないときは、南沙諸島が「アジアの火薬庫」となります。

 南沙諸島、日本からは直接的に関係ないように見えますがすごく重要です。
 これから熱くなるのは間違いありませんので、要注目です。

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