ナレッジ ウォーカー 「時事散策」

高速鉄道入札でインドネシアに批判的な声高まる 歴史的親日国も金には勝てない?

time 2015/10/20

高速鉄道入札でインドネシアに批判的な声高まる 歴史的親日国も金には勝てない?

 高速鉄道の入札で日中を天秤に掛けたインドネシア、白紙撤回から一転して後発の中国案を採用したことで、インドネシアのイメージは悪化傾向にあります。

 ジョコ大統領がNHKのインタビューで「日本との協力望む」と発言しました。
 さっそくネット上では「虫が良すぎ」「信頼は回復しない」と批判の嵐。

 高速鉄道の中国案は金額以外は日本のコピーで、情報流出が疑われています。
 その流出源がインドネシア政府ではないかという疑念が払拭できずにいます。

 日本側の見積もりの甘さも指摘されています。
 ただ、過去の日本とインドネシアの歴史を紐解くとそれも仕方ないかと。
 インドネシアは「歴史的親日国」なのです。
 それを知っておくと、景色がまた違って見えてきます。

sponsored link
インドネシア独立の礎を築いた日本軍

 太平洋戦争が始まる前のアジアは現在の地図とはまったく違いました。
 独立国は日本とタイ、それに清の3国だけでした。
 インドネシアは350年に渡ってオランダの植民地となっていました。

 i320

 それが崩れたのが太平洋戦争開戦による日本軍の南方作戦です。
 日本軍はインドネシアに進出するとオランダを駆逐して統治を始めます。

 オランダ人の統治では肌の色が違うアジア人を下等人種と扱いました。
 オランダ人女性はインドネシア人の使用人に裸を見られても恥ずかしがらなかったというエピソードがあります。
 同等の人間とはみなしていなかったのです。

 しかし日本軍は違いました。
 インドネシア人を教育し、武器を与え、自分達で地方統治をさせます。

 日本軍の目的はインドネシア人の長期的な戦争協力を引き出すこと。
 抑圧的な支配が出来るほど、人的リソースがなかったこともあります。
 それらは結果的に、インドネシアの意識改革を呼び独立支援になりました。

 後に独立の指導者となるスカルノ氏をオランダの軟禁から解放します。
 インドネシア人に武器を与え軍隊教育をします。

 そして、日本の敗戦で再び植民地支配しにきたオランダとインドネシアは独立戦争を繰り広げるのです。
 その礎を築いたのは日本軍でした。

インドネシアの独立戦争に参加した元日本軍

 日本の敗戦後、インドネシアに残り独立戦争に参加した日本人がいました。
 彼らは敗北した日本軍から武装解除の指示を受けますが、それを拒否します。
 もちろん、日本軍に指示を出すよう命令したのは戦勝国のオランダです。

 オランダはインドネシア人を見下していますから、舐めて掛かってきます。
 迎え撃つのはかつてのインドネシア人とは違います。
 指導者がおり、軍事訓練を受け、武装が整っています。
 激戦の末に、インドネシアは独立を果たすのです。

 インドネシアの独立戦争を扱った日本映画があります。
 興味があれば、楽しめること間違いなしです。

インドネシアは貿易相手国として互助関係にある

 日本は太平洋戦争で英米に宣戦布告しながら、東南アジアに攻め込みます。
 その理由は、石油や天然ゴムなどの資源確保になります。

 裏を返せば、インドネシアは日本が戦争してでも欲しい資源に溢れています。
 当然、戦後は最大級の貿易相手国となります。
 日本も多大な経済支援をインドネシアに対して行ってきました。

 こうして両国は戦後も新密度を増し「歴史的理由」もあってインドネシアはトップクラスの親日国となるのです。

 今回の高速鉄道の入札もそんな背景があって日本が乗り出していました。
 ずっと日本だけが手を挙げて進めており、急に中国が遅れて手を挙げました。

 中国は大した技術調査をする時間もなしに日本案と争います。
 日本の技術調査をコピーした案をタダ同然で提示して、採用を奪います。
 日本の担当者も想定外だったのは仕方なし。擁護したくもなります。

友好国として大惨事にならないことを祈るのみ

 インドネシアは財政面が理由で一度は白紙撤回しています。
 それを中国がタダ同然の提案をして、一転して中国案採用となります。
 中国がいなくても、日本案は採用されなかった可能性が高いです。

 情報流出の嫌疑はありますが、元より採用はなかったと諦めましょう。
 それよりは、友好国として中国製鉄道で事故が起きないのを祈るばかり。

 鉄道を完成させられるかというのが、まずは第一の関門です。
 そして、完成しても安全に運用できるのかが第二の関門です。
 さらには、中国資本で建設される負の遺産がなければ良いのですが。

 「タダより高いものはない」と痛い目に合わないといいですね。
 その尻拭いを日本に頼もうというのなら、友好国でもお断りです。

sponsored link

down

コメントする






sponsored link

カテゴリー

アーカイブ