ナレッジ ウォーカー 「時事散策」

「国民連合政府は日米安保維持」で見える共産党・志位氏の本気度と熱さ?

time 2015/10/16

「国民連合政府は日米安保維持」で見える共産党・志位氏の本気度と熱さ?

 国民連合政府構想で政権交代を狙う共産党・志位代表。
 国民連合政府は「日米安保維持」「自衛隊を活用する」と説明しました。

 「国民連合政府が、安倍政権に代わる唯一の現実的で合理的な政権構想だ」
 「戦争法廃止、立憲主義の回復という国民的大義での大同団結ができれば、
 相違点は横に置き、一致点で合意形成を図る」

 共産党は日米安保条約の廃棄が党綱領となっています。
 また、自衛隊の存在も否定しています。

 野党結集のため、一時的に現実的路線に寄り国民連合政府構想を推進する。
 共産党として、大胆な攻勢にでた形です。

 この諸刃の剣のメッセージ、誰にどのように届くのでしょうか。

sponsored link
民主党へのメッセージなのか?

 国民連合政府の最大の壁は最大野党の民主党を取りこめるのかどうか。
 民主党の有力議員から執行部への批判の声が相次いでいます。

 民主党へ向けた「歩み寄り」と見てまず間違いありません。
 これから防衛以外でも政権奪取時の政策方針で、共産党は軟化していくことが予想されます。

 すべては「国民連合政府」のため。そして安保法制撤廃のためです。
 そういう意味では共産党は伝統的な「ぶれない」姿勢とも取れます。

 民主党はこのメッセージをどう受け止めていくのか。
 ただ、民主党以外がこのメッセージをどう受け止めるかも気になります。

共産党と一番協調できそうな社民党がどう動くのか?

 共産党に近しい社民党はこの発言をどう受け止めるのでしょうか。
 社民党は日米安保の軍事面は否定して友好条約にすべきとしています。
 また、自衛隊も縮小して最低限度にすることを方針としています。

 既存の日米安保維持・自衛隊の活用は、社民党の方針に合いません。
 民主党に合わせれば、社民党とは合わなくなるのは当然のことです。

 ただ、社民党はいまや議員数ぎりぎりの泡沫政党。
 まずは議員数の維持が最優先と判断する可能性も高いです。
 「国民連合政府」の暫定的な対応であれば容認するかも知れません。

 生活の党もぎりぎりなので小沢氏ですから乗ってくるでしょう。
 一番反対しそうな維新の党は、選挙以前に民主党に吸収されそうです。
 野党勢力結集の阻害要因としては社民党さえ受け入れれば大丈夫そうです。

共産党支持者はどう見るのか?

 共産党の一番の魅力は、政局に左右されない強力な信念です。
 今回の共産党の判断は一時的とはいえ、それに逆らうもの。
 これを支持者はどう受け止めるのか。

 共産党の支持は減ることは間違いないと思われます。
 それは国民連合政府に乗った社民党も生活の党も同じこと。
 恐らくは、民主党支持者でも同じことが起こるでしょう。

 ただ、浮動票になった彼らの受け皿はありません。
 当然、自民党も支持しないでしょうから、多くは消去法で「野党連合」を支持するしかなくなるのです。
 そこまで読んで、今回の発言になっているとみて間違いないでしょう。

 しかし、それは「受け皿」となる第三勢力が存在しないことが前提です。
 つまり、すべての野党が結集して初めて消去法支持が成り立つのです。
 これ、かなり危険な賭けです。

SEALDsは国民連合政府を支持するのか?

 安保法制への反対のスローガンは「戦争反対」でした。
 しかし、理解が深まるにつれレッテル貼りだと気づく人が増えています。

 となると、安保法制反対の一番論理的なスローガンは「憲法無視」です。
 憲法学者の多くが、「安保法制は憲法違反」と断じているという事実。
 これが、安保法制反対の根拠となってきます。

 しかし、その憲法学者の多くが「自衛隊も違憲」という立場です。
 つまり、憲法学者の意見を重視するのなら「自衛隊を活用」はダメなのです。
 それでは、自民党と同じく「立憲主義の否定」になってしまいます。

 この矛盾をどう消化していくのかがSEALDsはじめ反対団体には問われます。
 SELADsの「反対デモ」は論理性が欠落しているのが特徴ですから、何ら気にせずに「安保反対・自衛隊容認」でしれっと来る可能性も大いにあります。

 それなら「憲法学者のほとんどが反対している」のロジックは使えません。
 そこまで理解しているのであれば良いのですが。

そもそも国民連合政府は「暫定政権」だったのでは?

 国民連合政府は安保法案廃止を目的とした政権交代構想です。
 安保法案の廃止、集団的自衛権の閣議決定の撤廃。
 この2つを達成したら、速やかに解散総選挙を行うという構想です。

 そんなことは可能なのでしょうか?
 政権交代が悲願の野党がその座を容易く譲るとは思えません。

 国民連合政府の名の元に結集した野党が選挙で勝利して政権を樹立する。
 目的を果たしたら即座に解散して、またばらばらに選挙戦を戦う。
 それで、自民党に勝つ見込みがあるのでしょうか?

 解散する可能性があるのは、総選挙で再び勝てる可能性があるときだけ。
 各党が単独で戦って勝てる見込みがないなら、連立政権を目指すしかない。
 それって、国民連合政府と何も変わらない。
 だから、解散・総選挙はやらない!

 こんな流れが目に浮かびます。

共産党・志位代表の本気度だけは伝わった?

 志位氏の発言が共産党にとってどれだけのデメリットがあるか。
 それを背負ってでも「国民連合政府」に賭けた、その熱さは伝わりました。

 実現可能性は低いと言わざるを得ません。
 しかし「安倍政権に代わる唯一の現実的で合理的な政権構想」というのは、確かにその通りだと思います。
 既存の野党が政権交代を担う政党になれるとは思えませんから。

 その僅かな可能性ながら、唯一の実現方法。
 そこに共産党の歴史、昔からの支持者、そういうものを失うリスクを背負ってでも賭ける志位氏の姿。

 これ、成功したら映画化しますよ。
 共産党監修の映画って言われたら、見たくないですけれど。

sponsored link

down

コメントする






sponsored link

カテゴリー

アーカイブ