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麻生財務大臣「面倒くさい」は中小事業者の悲痛の声? ケーキ屋さんのインボイスとは?

time 2015/10/15

麻生財務大臣「面倒くさい」は中小事業者の悲痛の声? ケーキ屋さんのインボイスとは?

 麻生財務大臣が軽減税率について「財務省は本当は反対だ」「面倒くさい、ってみんな言っているよ」と発言しました。

 これを受け、ネットでは早速、麻生叩きが始まっています。
 「面倒くさいとはなんだ」「面倒なら消費税増税をやめればいい」
 一部には「言い方はあれだが正論だな」という意見も。

 財務省を率いる財務大臣と、一般人とでは視点がずれています。
 言葉尻を取って反発する前に、発言の狙いを正しく把握しましょう。

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「面倒くさい」って誰が言っているのか?

 軽減税率の問題点については過去の記事を参照ください。
 ⇒軽減税率はなぜダメなのか? 消費税還付案の白紙撤回で他に対案なし?いやある!

 ダメな理由を3つにまとめれば、
 1.高所得者の受ける恩恵が大きくなり低所得者救済にならない
 2.軽減税率の対象を決める権限が利権となる
 3.複数税率制で複雑な税制になり設備投資や人件費が必要になる

 「面倒くさい」の発言の真意は3番のことを指すと思われます。
 特に小規模な小売店などは、資金に余力がなく対応に困ることは明白です。

 実は、軽減税率の一番の問題は末端の消費者ではありません。
 末端の消費者は、レジに登録された商品と税率で出された合計額を払うだけ。
 しかし、小売店や中間卸売業者はそうはいかないのです。

 仕入で払った消費税額と、顧客から受け取った消費税額は相殺されます。
 税金の二重払いになってしまうから当然のことです。

 これまでは請求書があればそれで足りていました。
 しかし、軽減税率の導入で税率が複数になるとそうはいきません。
 仕入先に払った消費税を証明する「インボイス=税額票」が必要になります。

 軽減税率の対象は食料品が有力ですが、贅沢品は除外すべきとされています。
 例えば、イチゴの仕入は軽減税率の対象となったとしましょう。
 それを調理してケーキにして売った場合に、贅沢品となったならば?
 仕入と販売とで、税額が異なることになります。

 牛乳も生クリームを経てケーキになったら?砂糖、果物、小麦粉。
 カボチャをハロウィンの飾りにするなんてのも考えられます。

 小規模な小売店では、インボイスの管理に掛かる経費は無視できません。
 これが「面倒くさい、ってみんな言っているよ」の本当の意味です。

麻生大臣は負担軽減策を否定しているわけではない?

 今回の発言はまた「失言」扱いされそうですが、もう切貼り報道に惑わされるのはやめましょう。

 「面倒くさい」というのは麻生氏の心中を表したわけではありません。
 インボイスに反対している中小の事業者の気持ちを代弁したものです。
 恐らくは、麻生氏にも財務省にも陳情が山のように来ているのでしょう。

 また、軽減税率を否定しているのであって軽減負担策を否定していません。
 もちろん、財務大臣としては「減税」に前向きであるはずはありませんが。

 いつもの麻生節で、注目を集めていますが言っていることは正論です。
 「消費税還付案」を白紙撤回し「軽減税率」しかない、というのは誤りです。

 この発言で、「軽減税率もダメ」という財務省の意思を表しました。
 となれば、「他の案」も議論されていく流れが作られます。

 安倍首相は、負担軽減策に否定的な自民党税調会長を交代させました。
 何らかの負担軽減策は絶対にやるということです。

 この流れで、軽減税率に反対を言えるのは麻生大臣くらいなものです。
 ぜひとも、第3の案、第4の案へと議論を広げてもらいたいです。

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