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古典のチャイニーズジョークはためになる? 韓非子の笑話

time 2015/10/08

古典のチャイニーズジョークはためになる? 韓非子の笑話

 ビジネスパーソンにとってジョークは必要なスキルのひとつです。
 重苦しい会議の冒頭、アイスブレイクを狙って軽いジョークを挟む。
 それが出来るかどうかで、ファシリテーターとしての評価は全然変わります。

 ジョークにも種類があり、ビジネスの場では下ネタは厳禁です。
 時事ネタだったり、今のビジネスの状況を例えた皮肉だったり。
 ただ笑いを取るにも、知識と教養が必要になります。

 英国のブラックジョークや、米国のアメリカンジョーク。
 いろいろありますが、チャイニーズジョークはご存知でしょうか?

 中国の紀元前に生まれた古典のチャイニーズジョーク。
 「韓非子」からいくつか紹介します。

 「韓非子」は三国志に登場する諸葛孔明が、劉備の後を継いだ劉禅の学問の教材として用いたとも言われています。

 中国ではジョークのことを「笑話」と書きます。
 紀元前250年頃に韓非が書いた「韓非子」の「笑話」とは?

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矛盾

楚の国の男が盾と矛を売っていました。
盾を誉めては「この盾の堅さときたらどんなものでもこれを貫けない」
矛を誉めては「この矛の鋭さときたらどんなものでも貫くことができる」
それを聞いていた者が尋ねた。「その矛でその盾を貫いたらどうなるのか?」
男は応えることができなかった。

 有名な矛盾の逸話です。これ、ジョークだったんですね。
 現在でも一般的な用語として使われる「矛盾」は紀元前の笑話。

 ビジネスでも矛盾がないようにプレゼンを構築するのは重要なスキルです。
 ジョークの中に「プレゼンの注意点」という教訓が隠されています。
 さすがはチャイニーズジョーク。笑いを取るだけではありません。

お祈り

衛の国の夫婦が一緒に神様にお祈りにいった。
夫は妻が「どうか百束の布が手に入りますように」と祈っているのを聴き、
「どうしてそんなに少なく祈るのか?」と尋ねた。
妻は「それより多いと貴方が愛人を買ってしまうだろうから」と応えた。

 目先の欲に捉われずに、祈りが通じた先を見越して祈る。
 これもビジネスで役立つ教訓が含まれています。

 仕事が少ない時には増やさねばと四方に手を尽くします。
 しかし、いざ仕事が増えると廻しきれる量ではなかった。
 そんな欲張りビジネスパーソンにはこのジョークを送りましょう。

お祓い

燕の国の李季という男は旅することが多く、妻はその間に私通していた。
あるとき李季が不意に旅から帰ると、妻は私通の最中だった。

男は寝室にいる。困った妻に使用人が入れ知恵をした。
「男を裸にし、髪を振り乱して、表門から飛びださせるのです。
 私達は何も見ていないと言えば、きっとうまくいきます」

男は言われるままに、裸になり髪を振り乱して表門から飛び出していった。
李季が「あれは誰だ?」と問う。
しかし家中の者が「なんのことです?何も見えませんが」と応えた。

「お前たちには見えなかったとなると幽霊かな?
 裸で髪を振り乱して飛び出していった恐ろしい幽霊であった」と納得した。

 これは諸葛孔明の「空城の計」にも似ています。
 相手の意表を突くことで、勝手に深読みさせて引き下がらせるテクニック。

 どうしても通せない提案があったとき、奇をてらってみるのもありです。
 上司は本気にせずに笑って「やってみろ」と言うかも知れません。
 そうすればこちらのもの。成果さえ出せば上司は後から味方になります。

 小手先のテクニックですが、いざというときに試してはどうでしょう。

風呂番

韓の僖侯が入浴すると風呂の中に小石が入っていた。
僖侯は側にいた者に尋ねた。
「いまの風呂番を辞めさせたら、次の者は決まっているか?」
「はい、決まっております」
「その者をここに連れてきなさい」

その者が連れてこられると、僖侯は尋ねた。
「風呂に小石を入れたのはお前だな?」

その者は観念して応えた。
「風呂に小石があれば今の風呂番は首になります。
 そうすれば私が代わりに風呂番になれるからやりました」

 誰だってミスしたくてミスするわけがありません。
 あまりに意図的なミスが発覚したら、疑うべきは他にいるということです。

 ビジネスの世界は利害関係が複雑に絡み合い、ときに策謀も巡ります。
 利害関係の先を読み、誰がこの状況を意図したかを予想する。
 これもまたトラブル対応には重要なことです。

靴の寸法

鄭の国の男が市場へ靴を買いに出掛ようと足の寸法を測っていた。
ところが、出掛ける時にその寸法を書いたメモを忘れてしまった。

男は靴売りの前でそれに気づき、慌ててメモを取りに家に帰った。
メモを取って市場に戻るも、もう店は閉まり買いそびれてしまった。

それを聴いた者が尋ねた。「なぜ靴を試しに履いてみないのだ?」
男は応えた。「足よりも寸法の方が確かだからな」

 手段と目的がごっちゃになった好例です。
 手段に拘る余り、目的を見失ってしまったが故のジョーク。

 リーダーは目的のために複数の手段を想定し、そのひとつを選択します。
 その手段が失われれば、すぐさま次の手段を選択するのが良いリーダー。
 失われた手段に固執して、目的を見失うのでは本末転倒です。

まとめ

 「韓非子」の笑話はいかがだったでしょうか。
 もしチャンスがあればビジネスの場で使ってみてください。

 「これ『韓非子』の引用なんだけどね」なんて最後に付け加えてみたり。
 この人は諸子百家に通じているのか?と思わせたらしてやったりです。

 中国の古典ジョークは現在でも役に立ちます。
 中国は、実は紀元前が最盛期だった超古代文明なんでしょうか。

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