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難民問題へ日本から970億円拠出 金は出すが・・・

time 2015/09/30

難民問題へ日本から970億円拠出 金は出すが・・・

 安倍首相は国連で演説し、シリア難民を受け入れているレバノンや南欧に約970億円を支援することを表明しました。また、中東とアフリカの平和のためにも支援するを検討していることも示しました。

 ドイツが難民受入れを表明し欧州各国での分担案を出した頃から、日本も難民を受け入れるようにと国際団体などが指摘していました。

 国内でも14の難民支援の民間団体が、「日本も受入れを」と政府に申し入れを行いました。

 結果的に、難民受入れの表明はせず、支援の表明に留まりました。
 日本に注目が集まることで、日本の難民受入れが極めて少ないことが諸外国にも知れ渡っています。

 同時にネット上では、難民を受け入れた国から「日本の判断はクレバー」だなどと評価する声も。
 日本は「金は出すが手は出さない」を難民支援でも貫くのでしょうか。

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シリア難民は日本の基準では難民ではない?

 日本の難民受入れが少ないのは、世界でも厳しい審査基準があります。
 この厳しさは、日本に来る「偽装難民」の多さが原因です。

 詳しいことは過去記事でも取り上げています。
 ⇒世界が難民を受け入れたくない3つの理由 難民は本当に難民か?

 シリア難民は裕福なドイツを目指す傾向が顕著です。
 内戦が理由で国外へ脱出したのは難民ですが、豊かな生活を求めてドイツに向かうのは移民です。

 これがシリア難民が市民レベルで受け入れられていない原因です。
 そして、日本に来る難民の多くも豊かな生活を送るのが目的です。

 シリア難民は世界的に注目を浴びている事案ですから、日本でも受け入れるべきという意見が挙がるのも当然です。しかし、これが端緒となって難民審査のハードルが下がっては招かれざる偽装難民を呼び込むだけです。

 本当に必要な人に適切な支援を届けるのも政府の仕事です。
 これまでの日本を取り巻く難民の状況を見ると、受入れ表明しないのは適切な措置と言えるのではないでしょうか。

シリア難民がなぜ増え続けているのか?

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 シリアの内乱は元はといえば「アラブの春」でした。
 暴徒化する民主化デモに武力で対抗したことで、事態は悪化します。

 民主化を後押ししたい欧米からは「テロ支援国家」とされ「世界最悪の独裁者」でアサド大統領を12位に選出します。「化学兵器の使用を確認」したとされ、国連軍の武力介入を提案します。まるで、イラク戦争の再来のような流れですが、国連決議は中露の拒否権発動により却下されました。

 今回の国連総会でも「アサド政権である限り安定はない」とする米国と、「イスラム国に対する防波堤となっている」とするロシアで話は平行線になっています。

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 シリア内の状況は政府軍と反政府軍、そこに複数のテロ組織が入り込んでいます。当初は反政府軍と共闘すると思われたテロ組織は、政府軍と反政府軍の両方と対峙して三つ巴の内乱に発展しています。

 民主化運動から端を発した反政府軍を独裁者の政府軍が抑えつける構図かと思えば、アサド大統領は絶対的な支持を受けて大統領に再選を果たします。

 

 元々、アサド大統領は世襲ではありましたが強権発動は先代に比べてほとんどなく、国民から支持されていました。シリアの「アラブの春」の根底にあったのは民主化よりもイスラム教内の宗派の対立があったと言われています。

 つまりは、シリアの内乱は迷走状態になっているということです。
 民主化を推したい欧米も、政府軍がテロ組織と対峙しているので、政府軍を叩けばテロ組織を助けることになってしまいます。政府軍を支持すれば独裁者を認めることに。反政府軍は頼りにならず。

シリア難民は永遠の難民となる可能性も?

 

 この混乱、短期に収束する見込みはありません。
 混乱が続くということは難民は難民であり続けるということです。
 いっそ、イスラム国が建国された方が敵が明確になっていいくらいです。

 そのときにはシリア難民は母国を失い、流浪の民になるということ。
 それは永遠の難民になったということです。

 永遠の難民になる可能性があるのであれば、極力同民族、同宗教の国家に受け入れられて欲しいです。日本にいても100年単位でイスラム教はマイノリティでしょうから。

 しかし、シリアの混乱が続けば難民もまだ増えるということ。
 何度でも日本政府に難民受入れを迫ってくるでしょう。

 状況に合わせて何度でも議論されていくのでしょう。
 この件、日本としても国会演説で終わりではないです。

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