ナレッジ ウォーカー 「時事散策」

1歳児を殴った64歳男逮捕 子供の敵となった高齢者たち

time 2015/09/29

1歳児を殴った64歳男逮捕 子供の敵となった高齢者たち

 ベビーカーに乗った1歳男児を殴ったとして64歳の男が逮捕されました。
 「ベビーカーが邪魔だったから」だそうです。

 普通であればベビーカーが邪魔であれば、怒りは保護者へ向くところ。
 それが1歳児に向けられ、殴るという事件に発展しています。

 先日も、保育園児の声は「騒音」だと思うと回答した人が35%に上り、話題となりました。
 保育園を新設する際に、高齢の周辺住人から否定的な意見が出る例は、何度もニュースなどで取り上げられています。

 孫を愛でる老人という微笑ましい構図は失われつつあります。
 小さい子供を疎ましく思う老人が増えてきた背景にあるものは?

「電車にベビーカー」に反対する声は?

 2014年3月、国土交通省はベビーカーは折り畳まずに、電車やバスを利用できる新ルールを発表しました。これで、電車でのベビーカー論議には区切りがついたはず。とはなりません。

 反対の意見を上げたのは満員の通勤電車で毎日がんばるビジネスパーソンではなく、高齢の女性たちでした。

 いわく「昔はおんぶしていた」「今の母親は甘えている」などなど。

 なぜ高齢者は子育て世代、そして子供に対して厳しいのでしょうか。

大阪都構想の反対理由に見る高齢者の意識とは?

 橋本大阪市長が推進していた大阪都構想。
 住民投票で否決され、実現は相成りませんでした。

 大阪都構想が否決された理由のひとつに旗頭である橋本氏が、高齢者から好かれていなかったというのが挙げられています。その根拠とされているのは、大阪市の敬老パスの有料化です。

 橋本氏は高齢者が地下鉄とバスに無料で乗れる敬老パスを有料化しました。
 理由は大阪市の財政を改善するためです。

 橋本氏の説明を要約するとだいたい3つです。
 ・敬老パスは全国に存在するが、無料なのは大阪市だけ
 ・敬老パスで利用した分は大阪市が税金から公共交通機関へ支払っている
 ・有料化してその分は教育予算に回したい

 これに高齢者は反発しました。
 大阪都構想実現となれば、敬老パスは有料化どころか廃止になると。
 反対派が煽ったせいもありますが、それで高齢者は大反対したのです。

 大阪では中学校の給食はありませんでした。

 全国で95%が給食なのに、予算が足りずに実現できないのです。
 それでも、高齢者は敬老パスの方が大事だと判断しました。

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 今の日本で、高齢者が大反対すれば選挙で勝ち目はありません。
 高齢化社会+民主主義では、高齢者は絶対強者です。

 子供には教育、医療、都市整備など多くの予算の使いどころがあります。
 それが理解できないのか、あるいは理解しようとしないのでしょうか。

根底にあるのは「自分達の時代は違った」さらに底には?

 高齢者の言い分のほとんどは「自分達が若い頃はなかった」というもの。
 給食もクーラーも、電車でベビーカーも、自分の頃にはなかったもの。
 だから、今の子供たち、子育て世代たちは「甘い」という価値観です。

 この価値観は理解できます。
 現在30代のビジネスパーソンにとって、「小中学生がスマホを持つ」ことに抵抗がある人も多いでしょう。

 子供としては、持っていないと仲間に入りづらいなど理由はあります。
 しかし、「自分達が小中学生の頃はなかった」として拒否していませんか?

 これは、我々が小中学生のときのファミコンと同じようなものです。
 世代を越えて何度も繰り返されていることです。

 しかし、高齢者のさらに底にあるのは「敵対意識」です。
 社会福祉費という同じパイを、高齢者対策に使うか子育て対策に使うか。
 そういう、予算の取り合いであり、利害が対立しているのです。

 高齢者は子供達に福祉サービスを奪われる、と感じています。
 それが、孫には優しくても総論として子供に厳しい対応になるのです。

子供の敵となった高齢者をどう味方にするべきか?

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 政府は、少子化対策と男女共同参画を同じ担当大臣に任せています。
 ここに老人福祉、高齢者対策も加えて、一緒に考えるべきだと思います。

 少子化の原因は結婚率の低さ、出産率の低さにあります。
 その理由は若い世代の給与水準の低さです。

 育児・教育に掛かる経費が抑えられれば、子供の数は増えます。
 国土交通省のベビーカーのルールも、同じ観点からの施策です。

 ところが、育児・教育の経費を抑えるには福祉サービスが必要です。
 この「福祉サービス」は、高齢者との取り合いなわけです。
 そして、高齢者は選挙の絶対強者です。

 高齢者に「子供のため」という訴えは届きません。
 「甘い」と返されて終わりだということは、大阪で良くわかりました。

 であれば、子供と高齢者をまとめて管轄することです。
 ゆくゆくは、高齢者と子供の接点を増やし、高齢者はどの子供と一緒にいても「孫といるみたい」と錯覚させるしかありません。

 非婚化、子作り拒否が増えたことで、今後は子育てを経験していない高齢者が増えていきます。そんな人達に「子供の為に」と言っても、ますます理解は得られなくなります。

 まじめに高齢者対策を取らないと、まずい事態になります。
 1歳児を殴る高齢者が登場するくらいですから。

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