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カタルーニャ州独立派が選挙で勝利! バルサはどこへ? 欧州が分離独立を目指す3つの理由

time 2015/09/28

カタルーニャ州独立派が選挙で勝利! バルサはどこへ? 欧州が分離独立を目指す3つの理由

 スペインのカタルーニャ州で州議会選が行われ、独立派が過半数を占める結果となりました。
 これにより、カタルーニャ州は独立へ向けて本格的に動き出します。

 昨年はイギリスのスコットランドが独立問題で揺れて、スコットランドが抜けた後のユニオンジャックがどうなるかも話題になりました。ベルギーやドイツなど欧州では分離・独立の流れが加速しています。

 カタルーニャ州の州都はバルセロナ。カタルーニャがスペインから独立すれば、メッシを擁し世界最高峰のサッカーチームであるFCバルセロナは、スペインの国内リーグであるリーガ・エスパニョーラから離脱しなければなりません。

 サッカーファンにとっても注目の事件。今度の展開は?

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1年半以内に独立宣言が出る?

 

 2014年に行われたカタルーニャ独立を問う住民投票では、8割以上が賛成票を投じるという圧倒的独立支持でした。

 その余勢をかっての州議会選、独立派の3党で過半数を占めたことで独立への動きは本格化します。あとは認めるつもりが一切ないスペイン政府と、どのような調整が行われ、どのような手続きが踏まれるかが焦点です。

スペイン・カタルーニャ州、独立派が議会過半数
読売新聞 2015年09月28日

スペイン東部カタルーニャ自治州で27日、州議会選(定数135)が投開票された。

州選管によると、同州のスペインからの独立を支持する3政党が過半数の72議席を獲得した。

マス州首相は同日夜、支持者を前に、「カタルーニャ人は独立に賛成票を投じた」と述べ、勝利宣言した。今後、独立に向けた動きを本格化させる構えだが、中央政府は、独立は違憲として認めない考えで、対立を深めている。

 NHKの報道では、独立までの、ロードマップも描けている模様です。

マス首相は、独立を主張する3つの政党が過半数の議席を獲得すれば1年半以内に独立を宣言したいと述べていました。

 1年半、早いですね。これが欧州分裂の序章となるのでしょうか。

サッカーのFCバルセロナが取るべき道は?

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 FCバルセロナはカタルーニャ独立となれば、リーガの所属資格を失います。
 スペインプロリーグ機構の会長が、「独立すれば脱退」を明言しており、特例措置などを設ける気はないようです。

 そうなると、FCバルセロナはチャンピオンズリーグやUEFAへの出場資格も失うことになります。

 それを逃れるには2つの方法があります。

 独立したカタルーニャが自国でサッカー協会を設立してFIFAに加盟し、自国リーグを作ってそこにFCバルセロナを所属させる方法です。

 カタルーニャ内だけで強豪リーグを設立するのは難しいことは間違いありません。CLやUEFAへの出場枠もどれだけ当てられるか。弱小リーグとなればビッグネームがバルサ移籍を望まないことも予想されます。強いチームとの対戦数も減ればバルセロナの弱体化も避けられません。

 もうひとつは他国のリーグに所属することです。位置的にはスペインがだめならフランスでしょう。

 フランスリーグはモナコなどフランス外のチームも属しています。可能性はあります。

 ただ、結局のところ今は強行姿勢を示しているスペインプロリーグ機構ですが、人気も実力も筆頭のバルサが他国リーグへ遷るとなればルールを変えてでも現状維持を目指す可能性もあります。

 出来れば場外戦は迅速かつ穏便にすませて、チームがサッカーに集中できるようにして欲しいところです。

欧州の独立問題は経済問題?ギリシャや難民問題と根っこは同じ

 欧州の独立問題はスコットランド、カタルーニャだけではありません。
 ベルギーではフランドルが、ドイツではバイエルンが、イタリアで北部と南部で分裂しそうな流れです。

 この根本にあるのは経済格差です。
 そして、大きく3つの理由があります。

 1.経済力が強い地方が弱い地方を支援することへの不満
 2.EUという超国家の存在
 3.歴史的に独立国家の集合体だった

 経済問題やEUの存在などは、ギリシャ危機の根底にある問題と同じです。
 難民がドイツを目指す理由も、EU内での経済格差を浮き彫りにしました。

 東西問題(冷戦)が終われば南北問題(貧富)と20年前から言われていましたから、昨今の経済の悪化というよりは、先送りにしていた問題が限界を迎えたと見た方がよさそうです。

欧州で分離独立が相次いだ後にはEUの大統合時代が来る?

 分離独立の問題でも、2.EUという超国家の存在はわかりづらいです。

 EUは加盟国間の自由な移動を保障したため、国境に対する意識が緩くなったと言われています。このことは商売を行う人にとって、市場に自国と他国の壁がなくなったことを意味します。

 欧州は古代から戦争の繰り返しで国境線も何度も変わっており、肥沃な土地であるほど、経済的な中心地であるほど、戦争で取り合いになりました。

 住人にとって国家への忠誠が薄いのも仕方ありません。
 また、ルクセンブルクやリヒテンシュタインなどの小国も散在し、カタルーニャに接しているアンドラのように二重の属国だった国も現存しています。

 基本的に日本のひとつの県が独立するのとは大違いです。

 かつては小国になれば国際的な立場も弱まり、経済も外国依存になって、デメリットしかないと考えられてきました。しかし、欧州ではEUが成立し、経済や移動が自由化し、EUに加盟すれば国際的な発言権も得られるため、独立のデメリットが薄れてきた経緯があります。

 最終的に、欧州はもっと分離独立が進み多数の小国の集合になり、結果的にEUが連邦国家と同義になるような大統合が行われる、そんな未来が来るかも知れません。

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 が、現実は甘くありません。
 6ヶ国で始まったEUも現在は30弱。すでに国家代表による会議という方法は限界が叫ばれています。ここに加盟したがっているバルカン諸国が加われば新たな統治方式を検討する必要に迫られるかも知れません。

 スコットランド独立が騒がれた時にもEUは「スコットランドがEUに加盟することは難しい」と難色を示しています。

 もしかしたら、逆に戦国時代になるかも知れません。
 現在の戦国時代は武力を使わない、外交や経済による戦いになるでしょう。

 例えば、カタルーニャ、スコットランド、ベルギーのフランドル、ドイツのバイエルン、これらが独立後にフランスへ属するとしたら?独立を目指すのはいずれも経済的に富んでいる地域ですから、領土の広さ以上にフランスは強国になります。

 そうしたら逆にフランスはEUを脱退して、EUは崩壊するかも知れません。

日本の沖縄独立を並べて論じるのは?

 日本でも沖縄が基地問題から独立問題へと発展させようとしています。
 いわく、沖縄は琉球王国が日本に占領され取り込まれた、と。
 琉球の民は日本人とは別民族であり、民族自決を果たすべき、と。

 歴史的経緯はまだ検証や議論が必要だと思います。
 ただ、この問題は欧州の分離独立問題とはまったく構造が違います。

 まず、沖縄は日本国内で富んでいる地域ではありません。
 住民の平均年収は最下位で、国の補助金で地方運営がされています。

 国防は国策ですから沖縄県人の声より日本国民の声が尊重されます。
 沖縄が独立国家となれば、自国のことは沖縄の人が決められます。
 つまりは、基地問題の権限移譲を目指した独立運動なわけです。

 沖縄独立で欧州を例に出すのは、お門違いと言えそうです。

カタルーニャの熱い1年半が始まる

 サッカーファンとしてはサッカーに集中できる環境を整えて欲しいです。
 歴史ファンとしては、欧州の分裂から再統合という現代のナポレオン戦争も見てみたいです。

 いずれにせよ、スコットランドが住民投票で沈静化してから、再びの分離独立熱の高まりですから、これからしばらくはカタルーニャから目が離せません。

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