ナレッジ ウォーカー 「時事散策」

小学1年生の「暴力」5倍 荒れる小学校 に思うこと

time 2015/09/24

小学1年生の「暴力」5倍 荒れる小学校 に思うこと

 小学1年生が教師を何度も蹴って、教師が通院することになりました。
 そんな低年齢の暴力行為が、ここ数年で急増しています。

 親子関係や貧困などが影響してコミュニケーション能力が足りない子供が増えてきたというのが専門家の分析のようです。
 これにネットの反応は「鉄拳制裁を復活させるべき」「親がすぐに騒ぐから教師が厳しく指導できない」などといった意見が挙がりました。

 子育てしながら仕事に励むビジネスパーソンにとって、子供と接する時間の確保は悩みの種のひとつです。正解のない子育てで、我が子を暴力児童にしないためには…?

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「荒れる学校」はかつては中学、今は小学校?

 日本は受験大国ですから、幼児・小児の内から受験戦争に参戦していく子供たちも少なくはありません。それでも、義務教育の間は公立学校に通うのがまだまだ一般的です。

 公立学校は「地域」で入る学校がある程度決まりますので、地域全体が高級住宅街といった特別な事情でもない限りは、多彩な子供達が集まります。

 かつて、その問題の舞台は中学校でした。
 それが今は小学校、それも低学年になっているのだというから驚きです。

教師蹴る小1、通行人暴行=荒れる小学校、対応模索-問題行動調査
時事ドットコム 2015/09/16

「小1に何度も蹴られ、教師が通院」「登校中に注意された児童が通行人に暴行」など目を疑うような事例が並んだ。低学年を中心に件数が急増しており、学校現場では対応に模索が続く。

「家庭環境が影響し、規範意識に乏しい子どもや自分の感情を抑えきれない子どもが増えている」と分析する。

 小1に蹴られて教師が通院って、当たり所が悪かったのかな?
 あるいはイメージする小1ではなく、成長が早くて大人びた体系の小1による蹴りだったのでしょうか。

 小1に蹴られて通院する教師の弱さも感じますが、これは大きな間違い。
 被害の大小ではなく、暴力行為を問題視しないといけません。

 問題行動調査によると小学生の暴力行為は児童間で7000件超、教師とは2000件超となっており、小1では06年の調査開始時に比べて加害人数は5倍になったそうです。

 調査結果では、高学年になるほど増加率は下がり、中学生以上では減少に転じています。
 なぜ、小学校低学年の暴力行為が増えたのでしょうか。

「表沙汰」が増えただけで実数は変わっていない?

 2013年に「いじめ防止対策推進法」が成立しました。
 これにより学校の対処方法が明確になりました。

 対処方法にはカウンセラーや警察など、教員以外の専門家を交えた対応が規定されており、それによってこれまで学校内で閉じていたいじめ問題が表沙汰になるようになりました。

小学1年生の「暴力」5倍に その意外な「理由」とは
J-CASTニュース 2015/9/17

「荒れる小学校」などといった報道も出て小学校はとんでもないことになっている印象だが、実は暴力なのかトラブルなのか、その判断基準が変わっただけで「5年前と小学校はさほど変わっていない」と話す専門家もいる。

「いじめ防止対策推進法の施行もあって学校や親の意識が変わったことが考えられる。小学生は特に学校内で解決する傾向が強かったようだが、最近は警察に通報する事案が増えている」

「荒れる小学校などと言われていますが、5年前と比べ暴力を振るう小学生が増えたかというと、それほど変わらないのではないでしょうか」

 日本の貧富の差の拡大が~、少子化で過保護な親が~、とのたまわっていた専門家はこの側面からも見て頂きたいところ。

 とはいえ、実態の把握は難しいのがいじめ問題。
 中学や高校では減少傾向にあるのですから、「実数は変わっていない」は尚早な気もします。

教師だけでは限界がある、親を含めても限界がある、あとは?

 これまでの話をすべて真に受けた上で、小1の暴力増加が一番大きく、右肩下がりになっていることを分析しましょう。

 「いじめ防止法」で「表沙汰」が増えたとして、元々が小1など低学年の暴力は多くあったわけです。

 「小1に蹴られて通院する教師」に疑問符を付けましたが、小1に暴力を受けても被害は小さいのが当然。それで報告対象にしてこなかったというのは容易に想像できます。

 しかし、肝心なのは被害の大小ではなく「暴力行為」ですから、ガイドラインができて表沙汰になったことは肯定的に受け止めていかなければいけません。

 それが、高学年、中学生、高校生と年齢が上がるにつれて減少傾向へと変わって行きます。
 この背景にあるのは「社会性の向上」ではないかと思うのです。

 対家族だけでは社会性は培われないし、そこに教師が加わっても不足です。
 小学校低学年が関われる社会は狭いですから、狭い範囲内の他人が重要です。

 具体的には、他人の子供を褒めたり叱ったりする近所の人たちの存在です。
 つまりは、地域ぐるみで子供たちとの交流を増やすのが一番かと思います。

地域ぐるみの子育てを阻む2つの敵とは?

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 地域ぐるみの子育ては容易にはできません。そこには2つの難敵がいます。

 ひとつは、過保護な親。
 近所の子を叱ったら謝罪と賠償を要求されかねない、とあれば誰だってご近所トラブルは避けたいし、触らぬ神に祟りなしとなってしまいます。

 もうひとつは、不審人物の事案発生。
 当たり障りないコミュニケーションですら「事案」として挙がり、メールで地域の親達に周知されてしまいます。

 これらによって、容易には近所の子供たちを褒めるならまだしも叱ることはできないのです。

 犯罪から守るため、予防として効果があることはわかります。それで子供たちが「暴行」という犯罪に走っては意味がありません。このジレンマは大きな壁となり、地域の希薄な人間関係を醸成しているのです。

 過保護な親は他人がどうこうできませんが、犯罪予防は他の方策でカバーできないものでしょうか。そのためには、低学年の暴力件数が増加していることはもっと世に知らしめる必要があります。

 みなさんも勇気を出して近所の子供を褒めたり叱ったりしてみましょう。
 まずはそこから!

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