ナレッジ ウォーカー 「時事散策」

ドローン活用が本格化 ドローン大国への試金石になる?

time 2015/09/18

ドローン活用が本格化 ドローン大国への試金石になる?

 今も被災者が避難活動を続ける原発事故で、放射性物質の除染作業にドローンを活用するプロジェクトが注目されていると報じられました。

 つい先日も離島への宅配へドローンを利用する実証実験を行うと経産省が発表したばかり。ドローンの産業利用に本格的に乗り出してきました。

 ドローンといえば首相官邸に墜落した事件は4月のことです。翌5月には15歳の少年が善光寺の御開帳でドローン落下事故を起こし、その後も三社祭など至るところでドローンの飛行を示唆したことで、威力業務妨害で逮捕されました。これらはドローン規制のきっかけとなった事件です。

 ドローンのイメージは急速に悪化しましたが、悪い印象を払しょくしてドローン大国になれるのでしょうか?

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ドローンのイメージ低下で活用停滞が危惧された?

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 ドローンは「遠隔操縦または自律式の飛行物体」と定義されるもので、元は軍事技術から派生したものです。名前の由来は「未来の二つの顔」というSF小説に登場する飛行型ロボットの名前から。

 ドローンは世界が注目する新技術です。普通に考えても侵入困難な場所への調査を担ったり、小さな物体の輸送に使ったりと、用途は広く考えられます。

 ところが、4月の首相官邸へのドローン墜落事故で一気に「規制」の気運が高まります。元々が世界でも規制の必要性は認められ多くの国が取り組み始めていました。ところが、ドローンが放射性物質を搭載していたことから「テロの道具」という印象を与えてしまいました。

 続く15歳少年のドローンが善通寺の御開帳で墜落。彼は動画を生中継するために撮影しており、他の祭りやイベントでの撮影も示唆。警察がついてまわって注意し、最終的には威力業務妨害で逮捕されます。これでドローンは「迷惑行為の道具」という印象をさらに与えてしまいます。

 ドローン活用は新たなトレンド、インターネットやスマホに並ぶエポック・テクノロジーです。それが悪い印象ばかりが先行してしまったことで活用の停滞が危惧されました。

ドローン規制法成立で産業活用が盛り上がる?

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 つい先日の9月4日にドローンを踏まえた航空法改正が成立しました。これで利用時のガイドラインが定められ、晴れて産業活用再開への道が開けました。それを受けての、経産省の離島への宅配実験であり、除染作業への活用プロジェクトになるわけです。

 このタイミングで悪いイメージを払拭し「ドローン大国」へ向けて邁進する必要があります。

 ただのイメージと思うかも知れませんが、そのイメージがテクノロジーの進化を阻害した例は実際にあるのです。

日本がロボット先進国である理由は国民イメージ?

 日本がロボット開発において最先進を進んでいることはご存知の通りです。これはまさに日本人のロボットへのイメージが欧米の先進諸国に比べて「良好」であったから成し得たことです。

 欧米をはじめキリスト教圏では「フランケンシュタイン・コンプレックス」というものがあります。これは神より生命を与えられたという教えから、人間が生命やそれに類するものを創造することは倫理的に許されない「神の所業」であるという感情のことです。

 欧米の先進国では、ロボットに対して背徳感や反倫理のイメージがあることで開発や利用に積極的になれない部分があります。ハリウッド映画のロボットものは最後は必ず暴走して人間の敵となるのも、この感情が根底になるからです。

 しかし日本はそうではありません。ロボットに好印象を持っているからです。
 2006年の麻生外務大臣の演説を引用します。

私は鉄腕アトムにこそ、「国民栄誉賞」をやるべきではないか、と。

ロボットという言葉の元になった「ロボータ」というのは、チェコ語で「労働」とか、時には「苦役」というマイナスの意味を表す言葉なのだそうです。

ところがそんなロボットを、日本のアトムや、それに猫型ロボットのドラえもんが、「人間を助けてくれる優しい友だち」という意味の言葉に変えました。アジアを始めいろんなところに、ロボット、イコール善玉という意識を根づかせました。

そのせいで労働者が産業用ロボットを拒否しないから、ドラえもんが好きな国では、生産性が上がる。日本製の産業用ロボットも、よく売れることになります。

溶接や塗装に使うタイプのロボットでは、安川電機とか、日本の大手3社だけで、世界市場のシェアを半分握っているといいます。背景に、アトムや鉄人28号がいるわけで、つまりこういう風土をつくったのは、日本文化の大いなる業績だろうと、私など常々言っております。

 たかが漫画、たかがアニメという人もいるかも知れませんが、子供ころにそれを読み、大人になった技術者たちはロボットに背徳感を抱かず、むしろ好印象を持っていたがために、ロボット大国日本があるのです。

イメージ向上に漫画、アニメ界も協力すべき?

 ドローンは「テロの道具」「迷惑行為の道具」という印象を与えてしまっていますが、これを払拭して「便利で役立つ」「安全でカッコいい」というイメージに転化する必要があります。

 いまこそクールジャパンの本領発揮。漫画やアニメという分野でドローンを好意的に描き、国民イメージの改善を図ってはどうでしょう。

 近未来を舞台にした作品なら随所にドローンが登場しても違和感はありません。いや、ドローンが登場する方が本当の近未来として相応しいとも言えます。

 1995年に2015年を舞台に作られた「新世紀エヴァンゲリオン」では、2015年なのに携帯電話がガラケーでした。たった20年後の未来を描くことも難しいのが現在の技術進化です。

 2035年にはそこらじゅうにドローンが飛び交って、宅配や警備や宣伝広告などを担っているかも知れません。
 そうなるためにも、ドローンのイメージ改善を!

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