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土星の衛星エンケラドスは海の星 生命の可能性がある海を持つ太陽系の星たち

time 2015/09/17

土星の衛星エンケラドスは海の星 生命の可能性がある海を持つ太陽系の星たち

 米航空宇宙局(NASA)は土星の衛星エンケラドスは海が全体を覆っていることがわかったと発表しました。エンケラドスはの熱水環境があることが分かっており、生命の存在の可能性があるそうです。

 海のある衛星で有名なのは土星の衛星タイタンですが、近年は木星の衛星エウロパとガニメデにも水の存在が確認されており、生命の存在の可能性が予測されています。

 地球外生命体といえばかつては火星人や金星人、現在では遠く別の銀河からやってくるのが王道でしたが、「すぐそこ」の木星や土星の衛星にもしかしたら生命が存在するのかも知れません。

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エンケラドスの生命の可能性はいかほどか?

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 土星探査機カッシーニは1997年に打ち上げられ4度のスイングバイを経て7年近くを掛けて土星に到達しました。以来、10年以上も土星の探査を続けており現在も継続されています。

土星の衛星エンケラドス、星全体が海に覆われている NASA探査機の観測で判明
ITmedia ニュース 9月16日(水)

エンケラドスは直径500キロほどの氷衛星。内部には液体の海が広がり、氷の割れ目を通じ水が宇宙に噴き出していることで知られている。ただ、海がどの程度の広がりなのかは分かっていなかった。

エンケラドスはわずかに揺れながら土星のまわりを公転していることが分かった。岩石による中心部と表面が強固に結びついているなら見られない程度の揺れであり、中心部と氷の表面は星全体に広がった海によって隔てられていると結論した。

エンケラドスについては、宇宙に吹き出した水の分析から、地球の海底で見られる「熱水噴出孔」と同様の熱水環境があることが分かっている。熱水噴出口は地球生命が誕生した環境として本命視されており、エンケラドスに広がる巨大な海にも生命が存在するかもしれない。

 エンケラドスは「氷の火山」があることがわかっており、宇宙空間に氷の粒を放出しています。その噴出物には二酸化ケイ素が含まれていました。二酸化ケイ素は生命体の骨格や殻を形成する成分で人間にも骨や髪などに含まれています。

 また、メタンが含まれていることもわかっています。メタンは最も単純な有機物ですから生命が存在するための最低条件とも言われます。それをクリアしているとなれば期待感も高まるというものです。

 ちなみに、エンケラドスはギリシャ神話の巨人族のひとりの名前です。
 巨人族にしては小さな星ですね。

まだまだある 生命の可能性がある太陽系の星たち

 生命の存在の条件としては水の存在が不可欠です。もちろん、想像もできない生命体であれば水がなくとも誕生し存在し得るかも知れませんが、地球人が推測する生命誕生の経緯を辿るのであれば水は必須です。そして、エンケラドス以外にも「水のある星」は存在します。

木星の衛星エウロパ

 木星の第2衛星であるエウロパは直径が約3000kmと月より少し小さい星です。

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 エウロパは表面を厚さ3km以上の氷で覆われており、氷の下には海が広がっているとみられています。巨大惑星である木星からの強い潮汐力により内部に熱をもち、熱水噴出孔も存在すると予想されています。

 海には木星磁場の影響で地球の海より濃い酸素が含まれ塩分もあるようです。生命体が生息するには十分な条件がそろっています。地球外生命体の存在が最も期待される星です。

 ちなみに、エウロパはテュロスの王女エウローペーから。エウローペーはヨーロッパの名の由来でもあります。

木星の衛星ガニメデ

 木星の第3衛星であるガニメデは直径が5,262kmで水星より大きな星です。
 太陽系の衛星の中では最大となります。

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 ガニメデは150kmの氷の地殻の下に深さ100kmの海が広がっており塩分を含む豊富な海水があるとみられています。非常に薄い大気ながらも酸素の存在も確認されました。

 これはまだ今年3月に発表されたことです。まだまだこれから調査結果が明らかにされるでしょう。エウロパに比べればまだ生命の条件を満たしているとは言い難いですが、可能性のある星です。

 しかし、150kmの氷の地殻に100kmの海。地球の海の最深部がマリアナ海溝で10km程度ですから、とんでもない水の量です。いろいろな星があるものです。

 ちなみに、ガニメデはトロイの王子で美少年といわれるガニュメーデースから。水瓶座の壺を持っているのがガニュメーデースだそうで。男だったんですね…。

土星の衛星タイタン

 土星の第6衛星であるタイタンはガニメデに次ぐ大きさでこちらも水星より大きいです。

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 タイタンといえば大気が存在し雨も降ることで有名です。かつては地球外生命体の存在する星の最有力候補でした。

 しかし、カッシーニから分離した着陸探査機ホイヘンスの調査では、雨や川はあるがそれらは液体メタンであり水ではありませんでした。但し、地表の下にはシャーベットと岩石が混ざり合った海があり、非常に濃い塩水となっているとみられています。

 タイタンには生命の源である水は濃い塩水しかなく、地球の常識では生命の存在には厳しい環境です。しかし有機物であるメタンが大量に存在することから地球とは異なるタイプの生命がいる可能性が指摘されています。不可解な化学物質の分布も発見され、生命体が関わっている可能性も否定されていません。

 NASAはタイタンの海を潜水艦で調査する計画を立てているのだとか。『Titan Submarine Phase I』という計画でまだコンセプトのみ。しかし宇宙を越えて潜水艦が往くとは、NASAの本気度は生命の存在を確信しているから?

 ちなみに、タイタンはギリシャ神話の巨神族から。有名ですね。

存在するとすればどんな生命が?

 地球外生命体ときいてレトロなイカのような火星人を思い浮かべる人は、現在では皆無でしょう。

 木星や土星の衛星は太陽からの距離が離れており、地表は氷で覆われているため海は地下に存在します。そのため、十分な太陽エネルギーは得られません。そのような環境下では貝類や藻類などが狭い生態系を形成する例が地球上でも確認されています。

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 残念ながら多様な生態系を構築するには要素が不足していると考えられており、深海魚のような生命がいれば大発見(何がみつかっても大発見ですが)と言えるくらいだそうです。

 とても陸上を歩行するような哺乳類や爬虫類を想像させる生命体は期待できそうにありません。

 しかしこれはあくまで地球上の常識に則ったもの。地球と異なる生命誕生プロセスを経たものがいないとは限りません。メタンや水や熱水噴出孔はその可能性を底上げする要素のひとつです。

 もし魚のような生命がみつかったら、地球に持ち帰って研究したら、逃げ出して地球の環境に順応したら。
 未来では「外来種の生態系破壊」とは地球外来種の意味になっているかも知れません。

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