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支持率調査からみる 安保でも定率減税でもなく一番は景気対策?

time 2015/09/16

支持率調査からみる 安保でも定率減税でもなく一番は景気対策?

 連日の安保法制に関するニュース。国会前デモは盛り上がりをみせ、SEALDs代表の奥田氏が国会で意見を述べました。「打倒アベ」を掲げて過激なキャッチで若者達をまとめるSEALDsは政権打倒という一大事を成し遂げることができるのか?

 消費税の10%への引き上げを巡って定率減税の案も検討されています。マイナンバーを使った還付策が提案されるなど、すでに可決されたマイナンバー法案も登場し「増税のための減税案」も盛り上がりを見せています。

 しかし、NHKが行った世論調査では、そんな見た目とは違った答えが出ています。国民は安保法制の反対デモよりも定率減税の議論よりも、景気回復を重視している?

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なぜ内閣支持率は上がる?安保法案は反対多数なのに?

 NHKは無作為に電話を掛ける方法で世論調査を行い、1088人から回答を得たとのことです。
 その内容を見ると。。。

安倍内閣「支持」43% 「不支持」39%
NHK NEWS 9月14日 19時00分

安倍内閣を「支持する」と答えた人は、先月より6ポイント上がって43%でした。一方、「支持しない」と答えた人は、7ポイント下がって39%で、ことし6月の調査以来3か月ぶりに「支持する」という回答が「支持しない」を上回りました。

 なんと内閣支持率は上昇しています。ちなみに、産経新聞社とFNNが行った世論調査でも支持率は43.5%となっており上昇しました。この理由はどこにあるのでしょうか。

支持する理由では、「他の内閣より良さそうだから」が39%、「実行力があるから」が22%、「政策に期待が持てるから」と「支持する政党の内閣だから」が、ともに12%でした。
これに対し支持しない理由では、「政策に期待が持てないから」が47%、「人柄が信頼できないから」が21%、「支持する政党の内閣でないから」が9%などとなっています。

 支持する理由のトップは「他の内閣より良さそうだから」という消極的な理由。これは一時下げた内閣支持率でしたが野党の振る舞いを見て「他の内閣より良さそう」と感じたということです。国会前デモなどで国民が直接行動に出たことで、実は野党も厳しい目で見られています。自民党政権の対抗軸になれるかが問われているわけです。

 支持する理由でも「政策に期待が持てない」は低い数値。支持しない理由では半数近い47%。政策については支持如何に関わらず評価は低いようです。ではどの政策・法案が期待できないというのか。

安保法案は反対多数も野党支持は広がらず?

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集団的自衛権の行使を可能にすることなどを盛り込んだ安全保障関連法案を、今の国会で成立させるという政府・与党の方針には、「賛成」が19%、「反対」が45%、「どちらともいえない」が30%でした。

 「反対」が「賛成」を大きく上回っています。これまでの世論調査でも「総論賛成、今国会での成立は反対」という傾向が出ていました。気になるのは「どちらともいえない」の30%です。

 世論調査の回答率は66%だそうですから、調査に協力しない方々も多くいたということ。調査に協力する以上は政治に少なからず関心がある層でしょう。その層が今を盛り上がる安保法案に「どちらともいえない」と保留にしています。

 これは国民への理解が広がっていない、説明が不足しているともとれます。国会前デモで若者が~とか、国会審議でこのケースでは~と、本筋の「なぜ今必要か」「これまでに比べて戦争リスクは下がるのか」の議論が国民に理解できるレベルで煮詰まっていないのが一因と思われます。

「安全保障関連法案の成立によって抑止力が高まり、日本が攻撃を受けるリスクが下がる」という政府の説明に、納得できるかどうか尋ねたところ、「大いに納得できる」が6%、「ある程度納得できる」が25%、「あまり納得できない」が37%、「まったく納得できない」が26%でした。

 日本が攻撃を受けるリスクが下がらないのであれば反対するのが筋です。しかし、「あまり納得できない」「まったく納得できない」で合わせて63%もあるのに、今国会での成立に反対するのは45%となっています。「納得はできないけど反対とも言わない」という層があるのです。

 回答の62%が「ある程度」「あまり」という中間的な選択肢を選んでいるところから、理解がまだ不足している様子が読み取れます。

安全保障関連法案について、これまでの国会審議で議論は尽くされたと思うか聞いたところ、「尽くされた」が6%、「尽くされていない」が58%、「どちらともいえない」が28%でした。

 まだまだ議論不足と考えている人が圧倒的です。首相自らがテレビ番組で安保法案を説明して廻りました。次に議論を深めるためには野党の的確な質問が必要です。そこが不足していると多くの人が感じているから、野党の支持率が下がり、相対的に内閣支持率が上がっているのです。

 野党のみなさんは「与党が悪い」といえば仕事してるつもりかも知れませんが、国民はしっかりと野党のことも見ているということです。

消費税の2%を還付する定率減税も反対多数

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飲み物と食料品を対象に、支払った消費税のうち2%分を後から還付する軽減税率の制度を検討していますが、この案について賛成か反対か聞いたところ、「賛成」が14%、「反対」が51%、「どちらともいえない」が27%でした。

 定率減税自体は必要と感じている人が大半のようですが、方法論として還付するやり方は反対多数となっているようです。産経新聞社とFNNが行った世論調査の結果もみてください。

内閣支持率43・5%↑ 消費税負担軽減策「反対」7割超 橋下新党「評価せず」53%
産経ニュース 2015.9.14 11:39

消費税率10%への引き上げに伴う、生活必需品の税率を低く抑える軽減税率などの負担軽減策について72・0%が必要と回答した。

増税分の一部を後日払い戻す還付制度案に対しては反対が72・5%と、賛成の19・1%を大きく上回っており、国民の理解が得られていない実態が浮き彫りになった。

 定率減税は必要と考えているが、それを導入するには誰が考えても高いハードルがあります。支払い時に行おうとすれば煩雑な計算を小売店に求めることになるし、自動化するには莫大な設備投資を強いることになります。そのハードルを回避して提案されたのが還付するという案。しかし、支持は得られていません。

 安保法案に続いて定率減税でも支持が得られない安倍内閣。
 いったい支持率上昇の理由はどこにあるのでしょうか。

国民が求めているのは景気対策?

 自民党総裁選が無投票だったことも「好ましくない」が上回っています。その中で唯一の好評価だったのは景気対策でした。

安倍内閣の経済政策について尋ねたところ、「大いに評価する」が6%、「ある程度評価する」が44%、「あまり評価しない」が33%、「まったく評価しない」が12%でした。

 これも「ある程度」「あまり」という中間的評価が多いことが気になりますが、経済は専門性の高い分野なので一般国民としては仕方ない部分があると思います。「評価する」の合計が「評価しない」を上回りました。

 おもしろいのはこの次の設問です。

景気が回復していると感じるかどうかについては、「感じる」が12%、「感じない」が48%、「どちらともいえない」が36%でした。

 なんと半数近い人が「景気回復を感じない」と答えているのに、経済政策を評価する人が多いということ。株価上昇や円安によって景気が上向いていることを理解しつつも、自分達の給料が増えたわけではなく「実感できない」といったところでしょうか。

 中国のリスクやEUの難民を見ていれば、中国経済もユーロもリスクが多い状況です。その中で実感として横ばいであっても、それを評価する人が多いという風にも読めます。

 安倍内閣はアベノミクスに始まり、いまもアベノミクスが支えているということです。

安保法案にビジネスパーソンが冷めている理由はこれ?

 「学生」が盛り上がる安保法案の反対デモ。しかしビジネスパーソンは冷めた対応をしている人が多いのも現実。その理由は、もっとも重視しているのが「景気対策」であれば納得というものです。

 デマやレッテル貼りが横行する安保法案関連は、ネット上でも「遊び場」の雰囲気があるのも確か。定率減税の方法論もナンセンス。2%還付する方法に時間を掛けるなら、給料を2%上げる方法に時間を掛けたいというのが本音でしょう。

 政府は携帯事業者に価格を下げるように指示したとか。そっちの方が大きな問題なのです。

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