ナレッジ ウォーカー 「時事散策」

自衛隊海外派遣中に災害があったら? 自衛隊活躍を逆手に取った反対論に失笑の嵐?

time 2015/09/15

自衛隊海外派遣中に災害があったら? 自衛隊活躍を逆手に取った反対論に失笑の嵐?

 民主党の白真勲議員が安保法制の審議で「法案が可決すれば、今回の災害と同じような場合でも自衛隊が国民の命を守れない場合が出てくる」と発言しました。鬼怒川の氾濫で自衛隊の活躍に注目が集まる中で、防衛予算や人員を据え置きのままで自衛隊の任務を拡大することに懸念を示しました。

 ネット上では「一度に何万人を派遣するつもりだ?」「自衛隊の本業は何か知らないの?」というコメントが相次ぎました。

 安保法制の審議が佳境を迎える中で、反対派は災害救助の活躍で世間に好印象を与える自衛隊に陰謀論すらも言いだす状況。自衛隊の活躍を逆手に取った反対論は失笑を買ってしまったようです。

sponsored link
白真勲議員の主張は自衛隊拡大支持?

 安保法制のひとつのポイントに「自衛権を拡大するのだから予算や人員も多く必要になる、防衛費の負担が増える」というのがありましたが、これについては「既存の予算・人員の中で対応する」とされていました。それで災害時に十分な活動ができるのか?という指摘です。

安保法審議中危惧の声…自衛隊海外派遣中に災害 国民の命守れる?

「法案が可決すれば、今回の災害と同じような場合でも自衛隊が国民の命を守れない場合が出てくる」と危惧する声が漏れた。

根拠となるのは、05年8月末に大型ハリケーン「カトリーナ」が米国南部を襲った際、最大の被害を出したルイジアナ州の州兵のうち、3分の1がイラクに派兵されていたため、救助活動が遅れたと非難が集まった。同州では約1500人の死者が出た。

政府はこれまでの答弁で、安保法制ができても防衛予算や人員は「増やさない」と述べており、自衛隊が海外に派遣されている際に、国内で甚大な災害が起きれば国民に手が回らなくなる危険性も出てきた。

 反対派はそもそも安保法制は不要という考えですから、安保法制の中身を修正することではなく廃案を望んでいるわけです。つまり「海外派遣で災害時の人員不足が懸念される」のであれば「海外派遣は不要」というわけです。これはこれで筋が通っています。

 しかし賛成派は「人員不足が不安」ならば予算拡充・人員増加をすればよいとなります。これは自衛隊の存在自体を否定している憲法学界を反対論の主軸に据えている民主党としては、ブーメランのような事態になります。自衛隊を強化することになりますので。

 そういう点からネット上では失笑するコメントが溢れてしまいました。

自衛隊は災害活動と国防と、どちらを優先すべきか

 自衛隊は日本の防衛組織です。

自衛隊法第3条第1項
我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当たる

 災害活動は消防や警察の仕事です。自衛隊の主任務は災害活動ではありません。
 大規模な災害に対し自治体の長からの要請を受けて自衛隊は出動します。自衛隊はあくまで受け身であり、災害時に率先して行動することはないのです。

 極論すれば自衛隊の全部隊が海外派遣している間に国内で災害が起きても、自衛隊不在の責が問われることにはなりません。これは極論ですけど。全部隊が海外派遣なんてありえませんから。

 民主党の白真勲議員の発言はまじめに受け取れば「有事の際でも自衛隊は国内の災害発生に備えてリソースを蓄積しておくべき」ということです。これは本来の災害活動を主任務としている消防などの活動を軽視しているし、「有事」を甘く見ているとしか思えません。

 白真勲議員が名の通り朝鮮系日本人であり、指向が親朝鮮なのは有名ですが、ここではあえて言及を避けましょう。

 img_0

大災害の際には自衛隊の防衛出動が増える?

 最近の日本の大災害といえば東日本大震災ですが、大災害があると自衛隊の防衛出動が増えることはご存知でしょうか。

 kanetsu081019_27

 ロシアや中国の軍用機が防空識別圏を越えて侵入してくる回数が飛躍的に増えます。これは阪神大震災のときもそうでした。これはロシアや中国が大災害発生時に日本の防衛力がどの程度機能するかをチェックしているためと言われています。

 東日本大震災のときには三沢の自衛隊基地も被害を受けましたから、北日本の空の防衛力が低下したとみて「偵察」を飛ばしたということです。災害時に自衛隊は災害活動で大活躍している中で、防衛活動でも大活躍しているのです。

白真勲議員の言う不安は正しい、だから「予算拡充・人員増加」

 安保法制が可決した場合、海外派遣がどれだけ増えるのかは問題です。野党議員の方々にはそういう点を追求するなり、海外派遣の隊員数上限を定めるなり、そういう議論をして欲しいです。

 ただ、これまでもPKO活動は行われてきました。1992年から世界各地へ派遣しています。阪神大震災のときも東日本大震災のときもPKO活動は継続されていました。

 東日本大震災の翌年の2012年に政府が行った世論調査では、国連PKOへ参加すべきという回答が9割以上を占めています。自衛隊の海外派遣は問題ではないことが証明されています。

 それでも集団的自衛権の発動はPKO活動とは次元が違うものです。「協力」ではなく「国防」ですから派遣する人員も同程度では済まないという方もいるでしょう。ではどうするか?

 この議論、実は安保法制も集団的自衛権も関係ありません。個別的自衛権の範囲内の活動であっても災害活動と重なったら同じことが言えますから。
 そんなに不安なら自衛隊の予算拡充・人員増加しかありませんね。

sponsored link

down

コメントする






sponsored link

カテゴリー

アーカイブ