ナレッジ ウォーカー 「時事散策」

火星のテラ・フォーミング 極冠を核爆弾で攻撃することを提案?

time 2015/09/14

火星のテラ・フォーミング 極冠を核爆弾で攻撃することを提案?

 世界で最も進んでいる民間宇宙事業会社である「スペースX社」のCEOがテレビ番組で、火星のテラ・フォーミングは極地に核爆弾を投下することで可能であると主張したことが話題になりました。

 日本で一番有名な火星のテラ・フォーミングの方法といえば、ゴキブリを繁殖させ地表を黒くすることで太陽熱の吸収率を高める方法でしょう。日本の漫画の影響はすごいものです。

 現在の世界人口は70億人を越え、国連白書によれば2050年には90億人に達するそうです。米環境NPOのGFNは「2030年までに第2の地球が必要になる」と試算しました。昔は地球人口の限界は100億人とされてきましたが、その数字が現実味を帯びてくると「限界」は国際会議で触れられなくなりました。

 観測技術の進歩で太陽系外に地球型惑星がみつかるも、宇宙航行技術は探査するには遠く及んでいません。現実問題として「隣の星」である火星のテラ・フォーミング、そして移住計画をまじめに議論する時が近付いてきています。

加速している火星探査 新発見でテラ・フォーミングの方法も変わる?

 火星探査は激しい競争の中にあります。米国が主導権を握っており、数々の映像や新発見を報じるのご存知の通りですが、インドや欧州も火星軌道に探査機を投入しています。中国も軌道投入に失敗しましたが再挑戦を目指しています。

 対して日本は10年以上前に軌道投入に失敗してからは再挑戦の目処は立っておりません。世界に先駆けて火星探査に乗り出したのに今では後塵を拝している状況です。来年にはロシアも欧州と共同で探査機を投入する予定です。

 ここまで火星に注目が集まっているのも、その先にテラ・フォーミング、そして移住まで見据えているからです。地下に水が存在する可能性が高まったことで期待はますます膨らみました。新発見によりテラ・フォーミングの方法も新たな案が出されるのは当然のことです。

 f3adf7e6

火星のテラ・フォーミングの方法とは?

 火星のテラ・フォーミングには2つの方法があると「スペースX社」のCEOは語りました。

第一の方法は、火星の大気中に温室効果ガスを徐々に蓄積させるというもので、これには時間がかかる。

第二の方法は、火星の極地で熱核兵器を爆発させる。これで手っ取り早く温度を上げることができる。

 第一の方法の具体策としては、いくつか提案がされています。
  ・メタンなど温室効果を発生させる気体を直接散布する
  ・巨大なミラーを建造して極冠のドライアイスと氷を溶かす

 確かにいずれも輸送コストを考えただけで膨大な資金が必要になり、しかも効果が表れるまで時間が掛かることは間違いなさそうです。

 第二の方法は「スペースX」社のCEOが提案した方法です。
  ・極冠を核爆弾で溶解させドライアイスと氷を溶かす。

 核爆弾で大気に撒き散らされた放射能をどうするつもりなのかは語られていません。アメリカ人はいまだに核爆弾を「威力の強い爆弾」程度にしか考えていないのでしょうか。また、極冠に穴を掘って内側から爆発させないと表面だけ溶かしても効果は薄いと思われます。そこまで「手っ取り早い」方法とも思えませんが、第一の方法よりは早いということでしょう。

 ちなみに、第三の方法として「火星のアルベドを下げる」というのがあります。

 アルベドというのは天体の光エネルギーの反射率のことです。アルベドが高い星は明るく見えますが、それは光の反射率が高いから。逆にアルベドが低くなれば太陽エネルギーの吸収率が高まることを意味し、それだけ温暖化が進むことになります。

 「アルベドを下げる」には、火星の地表を光反射率の低い「黒い」もので覆うことです。それが藻だったりゴキブリだったりするわけです。さすがにゴキブリをまじめに提案した人はいないようですが。

火星のテラ・フォーミングの最大のポイントは重力?

 Mars_Earth_Comparison

 火星をいかにして温暖化するかがテラ・フォーミングのポイントであるかのようですが、最大のポイントは温暖化よりも重力です。

 火星の直径は地球の半分以下、重力は地球の40%程度とされています。重力が小さいと大気が地表に留まれません。せっかく極冠を溶かして二酸化炭素と水蒸気を大気に放出しても、そのまま宇宙まで流れていってしまっては温暖化にならないのです。

 惑星の重力を強める方法はまだ人類は開発していません。既存技術で可能なのは与圧服を来て火星上で生活するか、巨大なカプセルで覆った中に大気を閉じ込めてその中で暮らすか、といった方法です。

 少数の探査隊や実験移住なら可能でしょうが、地球人口を分散するための大規模な火星移住となると、道のりは長いです。「夢の未来」はまだしばらくは「夢」のままのようです。

sponsored link

down

コメントする






sponsored link

カテゴリー

アーカイブ