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ヒト属新種ホモ・ナレディ 「星の人」はミッシングリンクか?

time 2015/09/11

ヒト属新種ホモ・ナレディ 「星の人」はミッシングリンクか?

 人類の祖先であるヒト属の新種が発見されホモ・ナレディと名付けられました。この新種、下半身はヒト属に含まれるほど進化しているのに、上半身は猿人のアウルトラロピテクスより類人猿に近いのだとか。

 人類最大のミッシングリンクである「類人猿」
 名前は有名ですが「類人猿」の化石などは何も見つかっていません。猿から人に進化したのであれば、存在するはずの架空の種族が「類人猿」、ミッシングリンク(途切れた鎖の環)なのです。

 現在はヒト属に当てられましたが、研究が進めば区分が変わる可能性もあります。かつては冥王星だって軌道計算で巨大惑星があるはずと思われていたのに、望遠鏡の精度が上がってみれば小さな準惑星でした。科学の世界では良くあることです。

 ちなみに、ホモ・ナレディは「星の人」という意味です。それって宇宙人?地球人?どういう意味?

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新しさと古さの両方の特徴を持つホモ・ナレディはヒト属か?

小顔のヒト属新種ホモ・ナレディを発見、南ア

National Geographic 2015.09.10

南アフリカ・ヨハネスブルク郊外の洞窟でヒト属(ホモ属)の新種が発見され、ホモ・ナレディ(Homo naledi)と名付けられた。頭が小さく、部分ごとに原始的な特徴と現代的な特徴をあわせもつという。

発見現場はヨハネスブルク北西およそ50キロにあるライジング・スター洞窟。この一帯は、20世紀前半に初期人類の骨が多数出土し、「人類のゆりかご」と呼ばれるようになった。

復元モデルを分析すると、部分的には驚くほど現代的な特徴を備えていたが、アウストラロピテクス属よりもさらに類人猿に近い、原始的な特徴も見られた。

「腰に線を引いて上は原始的、下は現代的と分けられそうでした」
「足の骨だけ見つけたら、現代のアフリカの奥地にいる狩猟民族の骨だと思うでしょう」

頭の骨は極めて原始的だった。全体的な形態はヒト属に分類できるほど進化したものだったが、脳容量はわずか500立方センチほどとホモ・サピエンスの半分にも満たない。大きな脳は、知能を頼りに生存するように進化した種の特徴であり、ヒト属の証しと言ってもいい。であれば、これはヒト属の骨ではないことになる。

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 生物は進化するものだという前提に立てば、最も進化した部位を以てその生命体を区分けすることは妥当だと考えられます。しかし、ホモ・ナレディはヒト属の根底である大きな脳を持っていません。これはヒト属とは二足歩行を支える脚力を以てするのか、知恵の根源である脳の大きさを持ってするのかという話です。

 かつては脳が巨大化した結果として二足歩行に移行したと考えれていました。1970年代にアウストラロピテクスの「ルーシー」が発見されその仮説は覆されます。今回のホモ・ナレディもこれはホモ・サピエンスなのか、アウストラロピテクスなのかというのは大事なことです。

 ちなみに、ホモ・サピエンスとは「知恵のある人」という意味です。

「星の人」や「知恵のある人」はどうやって名付けられるのか?

 ピテカントロプスやアウストラロピテクスなど、下を噛みそうな名前を学生時代に必死に覚えたビジネスパーソンも多くいることでしょう。ピテカントロプスは世代によっては「さよなら人類」で覚えた方もいるのでは。

 ホモ・ナレディの「星の人」は、発見された洞窟の名前「ライジング・スター洞窟」から取られています。とはいえ、そもそも「ライジング・スター洞窟」というネーミングがすごい。「人類のゆりかご」的な意味で名付けられたのでしょうか。

 アウストラロピテクスは「南の猿」です。
 ラテン語の南(australis)とギリシャ語の猿(pithecus)の合成語です。

 最近では華奢型をアウストラロピテクス、頑丈型をパラントロプスと呼びます。
 頑丈型は華奢型の進化系と見られていましたが、その過程が崩れたためです。
 パラントロプスは「人のそばに」です。

 有名な北京原人やジャワ原人はかつてはピテカントロプス・エレクトスと呼ばれていました。
 しかし、現在はピテカントロプスは廃止されホモ・エレクトスとなりました。

 ピテカントロプスは「猿人」です。
 ギリシャ語の猿(pithecus)と人類(anthropos)の合成語です。

 ホモ・エレクトスとは「直立する人」です。
 ピテカントロプス(猿人)はホモ・エレクトス(直立する人)に含まれたということは「直立する」ことがヒトの条件としてより重要視されたということでしょうか。

 猿人より後の原人、旧人、新人はすべてホモ属になります。
 ホモ・○○と主に発見場所の名前が付けられます。

 有名なネアンデルタール人はホモ・ネアンデルターレンシス。
 ドイツのネアンデル谷で発見されました。
 ちなみに、ネアンデルタール人は我々の祖先ではなく別系統と見られています。

 クロマニョン人はホモ・サピエンスの一種です。
 フランスのクロマニョン洞窟で発見されました。
 こちらは我々の直系の祖先であると見られています。

そもそも進化論は正しいの?

 いまだに欧米では半数近い人が「人類は神が創りたもうた」と信じていると言われています。いまさら神学論争ではありませんが、進化論も多くのミッシングリンクがあり、必ずしも鉄壁の理論ではありません。

 つまり新たな発見がこれまでの常識を覆す可能性もあるということです。

 発見から76年間も惑星とされていた冥王星は、その外側に同規模の星が多数みつかったことで準惑星となりました。このように21世紀になっても科学の進歩はそれまでの常識を覆します。

 ホモ・ナレディの研究が進むことで新常識が登場するかも知れません。上半身は猿人、下半身は新人ですから、その生活が樹上中心だったのか地上中心だったのかなど、気になることが多すぎます。これで脳の大きさも新人並みだったら、未来人かと疑いたくなるレベルです。

 「星の人」もしかしたら「外の星の人」なのかも。

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