ナレッジ ウォーカー 「時事散策」

国会サボる総理、盛り上がらず 本当の問題はここ?

time 2015/09/08

国会サボる総理、盛り上がらず 本当の問題はここ?

 安倍首相が安全保障関連法案の審議中にテレビ番組に出演したとして、民主党は「国会軽視」と抗議し審議拒否の構えをみせています。

民主など 首相の大阪でのテレビ出演に抗議

民主党などは「われわれは、毎日でも安倍総理大臣が出席して審議をするよう求めているのにもかかわらず、法案の審議が行われている最中にわざわざ大阪まで行って、テレビ番組に出演することは国会軽視だ」と抗議しました。
そして、政府に対して来週8日の委員会までに経緯を説明するよう求めるとともに、納得できる説明がなければ、9日以降の審議には応じられないと伝えました。

 ところが週を開けてもこの話は盛り上がりをみせていません。それどころか安倍首相は無投票で総裁に再任。国会前デモなどで首相退陣を要求する声が挙がる中で、盤石の体勢を整えています。

 「国会サボる総理」が盛り上がらないのはなぜか?それこそが本当の問題では?

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首相が出演したのが御用番組だから気に入らない?

 9月4日に首相がテレビ出演・収録したのは「ミヤネ屋」と「そこまで言って委員会」の2つ。これがどちらも読売テレビの番組。「首相の応援番組」とまで言われる番組だそうで、そこで説明したことを批判する声が上がっています。確かに「ミヤネ屋」の司会者・宮根さんと食事の約束をするなど行き過ぎ感はありました。

 ただ、今回の出演の目的は「説明」であって「議論」ではないはず。政治家が討論番組に出演することはよくありますが、本来は議論は国会議事堂で「政治家」によって行われるものです。評論家やコメンテーターは責任を負いません。本当に議論を生業にしているのは有権者の負託を得て議場に立っている政治家です。

 説明の場であれば御用番組だったとしても問題なく、あえて問題とするならば全国放送の番組に出る方が効率的なのに「そこまで言って委員会」はローカル番組でしょ!とつっこむべきでしょう。

「毎日でも安倍総理大臣が出席して審議をするよう求めている」というけれど?

 この日は首相の招聘はありませんでした。もちろん、ないからと言って自由に欠席していい理由にはなりません。テレビ出演が「公務」であれば、どちらが優先であるかという話です。

 野党はずっと安保法制の「説明不足」を訴えていました。実際に世論調査でも同じ傾向が見られており、国民へ説明すること、理解を深めることが安保法制の重要なポイントになっています。国家前デモのインタビューでも安保法制の中身を理解している人は皆無で、みな「戦争反対」とレッテルに反応しているだけです。

 この重要な国民への説明として最大メディアであるテレビ番組に出演すること、そこで説明を行うことが、招聘されていない国会に出席するよりも重要なことかどうか、という話です。

 普通のビジネスパーソンの認識では、すべての会議に社長が出席する必要はなく、決定が必要な場面には出席を願うというのが普通ではないでしょうか。首相を招聘するというのはそういうこと。それがなかったということは、まだまだ決定的な場面には遠い煮詰める場であり、そこに社長の出席は必須ではないはずです。

本当の問題はサボりが「問題化しないこと」

 直観的に「おいおい首相が国会をさぼっちゃだめだろ」と感じる方も多いと思います。twitterの「#国会サボる総理はいらない」もそんな感覚を巧みに拾い上げたハッシュタグでした。

 しかし、盛り上がらない。むしろ「また審議拒否か?」という声が多いです。

 これはもう、野党の国会対策が「本題とは関係ない話ばかり」「何かというと審議拒否」といわば空転を狙った時間稼ぎばかりだということが国民に見抜かれていることを意味します。国民は国会審議にうんざりしているということ。与党の支持率が下がっても野党の支持率が上がらないのです。

 本当の問題点はこの「政治不信」というより「政治無関心」でしょう。そしてそれを作り上げたのは「何でも反対」それでいて対案は出さない野党に問題があるのです。

 ちなみに、最近は維新などが対案を積極的に出すことで戦略は変わりつつあります。民主党も巻き込んで対案を出すこともあり、有権者としては良い傾向です。ぜひともこの路線を野党の国会戦略の主軸いして頂きたいです。橋本さんが離党して維新は空中分解して元の木阿弥なんてことにならないといいのですが…。

国民への説明は必要、でも首相自らやる必要はある?

 安倍首相はこれまで自らテレビ出演して安保法制の説明を行ってきました。しかし、首相といえば多忙な身。自らがカメラの前に立って説明する必要はあるのでしょうか?

 ネガティブに取れば首相以外の閣僚の答弁が右往左往している印象があること。完全に首相の意を汲んで説明できる人は少ない状況にあることは間違いなさそうです。それは野党の絶好のつっこみポイントになるため、自分で説明して廻らねばならないと判断しているのではないでしょうか。

 ポジティブに取れば首相自らがテレビ出演することで話題となり視聴率が上がります。これは一度の説明で多くの国民の理解が得られる可能性が高まります。そして首相自らの言葉で説明することで国民への誠意を見せているとも取れます。逆に誰かに説明を代わってもらったとしたら、野党から「こんな大事な法案なんだから自分で説明すべき!」と批判されることは目に見えています。

 「国会中継」の視聴率が情報番組より高ければテレビ出演で国会欠席なんてする必要なかったのですが。でも政治に無関心なのは平和で幸福な国である証のような気もするし複雑なところです。

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