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成人年齢18歳へ引き下げで出来ること 選挙権だけの話ではない?

time 2015/08/28

成人年齢18歳へ引き下げで出来ること 選挙権だけの話ではない?

 今年6月に公職選挙法が改正され、18歳以上から選挙権を持つようになりました。若年層世代の声が政治に反映されるのではないかと好意的な意見が多くある中で、来年夏の参議院選から適用されます。

 そして、それに合わせて他の法律もこれまで20歳以上からとしていたものを、18歳以上からと改正する方針で検討が進められています。民主主義で一番大事な選挙権を有するということは大人の証。それなら大人としての自由な権利と相応の義務を負うというのが、骨子となっています。

 注目を浴びているのは「飲酒・喫煙」の年齢引き下げです。他にも成人から出来ること、やらねばいけないことはいくつもあります。とうに18歳を過ぎた大人のビジネスパーソンにも、関わってくる変化があります。

 では、成人になることで発生する権利と義務は何でしょうか?

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成人の権利!大人になったらできることは?

 未成年では出来ないことが多くあります。それが成人年齢を18歳に引き下げれば、18歳からは出来るように法改正される可能性が高いということです。では、未成年でできないこと=成人すればできる、その可能性があること、とは何でしょう。

 決定
  1.選挙権を与えられ、選挙運動も可能になります

 議論対象?
  2.飲酒・喫煙が可能になります
  3.競馬・競輪など公営ギャンブルが可能になります
  4.親の同意がなくても結婚できます
  5.養子を迎えることができます
  6.消費者金融が利用できるようになります
  7.パスポートが10年有効なものを申請できます

 上記のすべてが可能になると決まったわけではありません。対象者が「成人」か否かに関係なく「20歳以上」とされていれば、今回の議論対象ですらありません。しかし、これまで成人=20歳とされてきましたので、明確に整理し直す必要があるでしょう。

成人の義務!大人になったらやらねばならないことは?

 成人すると課される義務というよりは、未成年だから免除されていた義務と言うべきでしょう。いわば、失われる特権です。権利だけ拡大して義務は据え置き、そんな甘やかしがまかり通るのか、議論が進められています。

 保留
  1.裁判員に選出される可能性があります
    ⇒選挙権とセットの義務ですが20歳のまま据え置きとなりました。

 議論対象?
  2.国民年金への加入義務が発生します
  3.不法行為は実名報道され前科がつきます
  4.賠償責任を負います(未成年は親に監督義務があります)

 繰り返しますが、上記のすべてが発生すると決まったわけではありません。18歳の大半が高校生だと考えると、国民年金への加入義務などは親世代が議論に加わらないといけないですね。滞納すれば高校生の口座を差し押さえるわけでしょうか。

盛り上がること間違いない?18歳成人議論

 注目を浴びているのは「飲酒・喫煙」でしょう。当の高校生から意見聴取も行っています。

飲酒年齢引き下げで賛否=高校生らから意見聴取―自民
時事ドットコム (2015/08/26-20:25)

高校生や大学生ら約20人を党本部に招き、飲酒や喫煙が可能となる年齢の引き下げについて意見を聴取した。出席者からは、「大学の新歓コンパで事実上、未成年による飲酒が行われている」として、18歳への引き下げを求める声が上がった一方、「医学的見地から良くない」といった慎重な対応を求める意見も出た。
 若者側からは、少年法の適用年齢引き下げについても発言が相次いだ。「社会に守られるのではなく、責任を持って行動することが必要だ」などと引き下げを容認する声が複数上がったが、「少年保護の観点から引き下げる必要はない」との意見もあった。

 自民党本部へ赴いて意見を述べるくらいだから「意識が高い」未成年の方々なのでしょう。しかし、中身は「意識の低さ」を露呈しているとしか言いようがありません。今回の成人年齢18歳引き下げの是々非々は、18歳、19歳は十分に大人(成人)としての資質を持ちわせているか?が根本的に問われています。その中の「意識が高い」方々がこのレベルでは、選挙権を与えたのも失敗かも知れません。

 まず、「大学の新歓コンパで事実上、未成年による飲酒が行われている」とは、大学生の意見でしょうか。これを「解禁賛成」の意見として述べているのなら、意識が低いにも程があります。

 「飲酒解禁」となれば18歳の大半は高校3年生です。学祭打ち上げや、卒業パーティで飲酒が可能となるということ。そして、同学年にはまだ18歳になっていない生徒もいるのです。これを見極めるのはまず無理でしょう。だからこそ、大学生は事実上、未成年による飲酒が行われているのです。それが単に高校生にまで引き下がるということ。自分達が法を遵守していないことを暴露した上に、「賛成意見」として「反対意見の根拠」を説明しているようでは、レベルが低いと言わざるを得ません。

 「少年保護の観点から引き下げる必要はない」との意見も、議論の前提が分かっていません。単に18歳まで解禁するのでなく、18歳を成人として扱うかという問題なのに「少年保護」を訴えるとか。この参加者が飲酒も喫煙も、それこそ選挙権が与えられたことも反対しており、その理由が「18歳、19歳はまだまだ成人としての資質を満たすに足りない少年である」という主張ならわかります。それでも、既に選挙権は与えられることが決まった以上、その権利取得に見合う義務の発生という観点から意見を述べてもらいたいものです。

 というように、多くの若者の意見もあり、それに反論も出てくる、これから年齢引き下げ議論は熱を帯びてくるのは間違いありません。今回は「飲酒・喫煙」と「少年法」が記事で扱われていますが、「消費者金融」や「公営ギャンブル」などは犯罪に直結しかねない問題ですから、さらに盛り上がるでしょう。

外国では18歳から「成人扱い」が普通?

 世界を眺めると、18歳から選挙権を有する国は176カ国だそうです。日本が国として認めているのは日本を含めて196カ国ですから、実に90%の国が18歳から選挙権を認めています。欧米の多くは18歳を成人年齢としており、飲酒・喫煙も認められています。世界では18歳成人がスタンダードだということです。日本の選挙権を18歳に引き下げたのも、海外のスタンダードに合わせたという一面がありました。

 しかし、産経新聞の記事によると内閣府が平成25年に実施した世論調査は、18~19歳の若者について「判断する能力が十分ある」と答えた人は21.7%、「自分で責任をとることができる」と考える人は19%でした。日本では、18~19歳の若者に判断力も責任能力もないと考える人が8割にのぼるわけです。

 今年3月に各政党の協力を得て行った高校生による模擬投票では、一般世論に反して社民党が得票トップだったそうです。福島党首の「戦争は絶対だめ」という主張が高校生に好評だったようです。個人的には「20歳までにリベラルに傾倒しないものは情熱が足りない、それを過ぎても傾倒しているものは知能が足りない」という言葉は的を射ていると思います。若者は「世界平和」とか「愛が地球を救う」とか大好きであって欲しいです。SEALDsとかその典型だと思っています。ただ、18歳に選挙権を与えるならこれからは現実を直視してもらわねばいけません。もう大人なのですから。

成人年齢18歳引き下げで何が変わるわけでもない?

 考え過ぎなだけで実はたいした影響はないのかも知れません。高校生が飲酒・喫煙するのはダメでなぜ大学生はOKなのか?「学生」という身分は同じはず。それなら「学生」は飲酒・喫煙を禁じれば良いことです。

 年齢の区別は認められても職業の差別は認められない、という主張もあるでしょうが高校は義務教育ではなく、中卒で働く人達もいます。親の金で生活する大学生が「飲酒・喫煙」OKで、すでに自分の食いぶちを自分で稼いでいる未成年の社会人が「飲酒・喫煙」NGなのも違和感があります。

 成人年齢18歳の国のクラブには高校生が多いそうです。彼ら全員が本当に18歳以上なのかは店側も確認していないのではないでしょうか。それでも、国家の一大事には発展していないわけですし、成人年齢「引き上げ」議論も出ているという話は聞きません。

 もうちょっと肩の力を抜いて静観してもいいかも知れません。

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