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香港で女性が胸で暴行して逮捕 ブラ男子が抗議デモ

time 2015/08/27

香港で女性が胸で暴行して逮捕 ブラ男子が抗議デモ

 タイトルは誤りではありません。香港でデモ参加者の女性が警察を「胸で襲撃」したとして実刑判決が言い渡されました。反発した市民が男性も含めてブラジャーを着用して抗議デモを行ったそうです。

「女性の乳房は武器か」 香港揺るがす司法判断…背景に中国人の節操なき爆買い?
産経ニュース 2015.8.26 11:00

 長い記事なので要点をまとめて紹介します。

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なぜ女性が胸で警察を襲撃したことになったのか?

事件は今年3月1日に香港北部の新界地区の繁華街、元朗で起きた。約8時間の抗議活動を警官隊は催涙スプレーを噴射して制圧し、30人以上を逮捕した。

被告の女性は、抗議行動に参加し、その際、警戒に当たっていた警察官が女性のバッグのひもをつかんで制止しようとしたところ、女性の左胸が警官の腕に“接触”した。

裁判の中で、女性はこの際に「痴漢」と叫んだと証言。一方で、警察側は女性が胸で腕にぶつかってきたなどと主張した。

 香港でデモがあり、そのデモは8時間にも及んでいました。デモは警察との衝突に発展して催涙スプレーで制圧する事態へ発展します。そこで、揉み合いになる中で女性の胸が警察に接触し「痴漢」騒ぎに発展したわけです。

 このデモの様子を伝える記事もありました。

中国本土からの“爆買い”に反発「香港の抗議デモ隊」が警官隊と衝突、33人逮捕…「乳幼児用粉ミルク買い占めるな」

 デモの主催者は「街頭占拠デモの強硬派」でデモの参加者は約100人。それが警官隊と衝突して33人逮捕、警察も5人が負傷ということです。逮捕者率33%ですから、3人に1人は逮捕されたことになります。中国系紙が「過激派」と批難したそうですが、普段は中国の過剰な偏向報道と流すところですが、この逮捕者率の高さは一般感覚でも「過激派」だと感じます。

 しかし警官隊と「胸」が衝突して逮捕というのも滑稽な話です。しかし、もう少し踏み込むと違う景色が見えてきます。

女性は警官が「痴漢」されたと訴えるが?

香港フリープレスには、警察官との接触の後に鼻から血を流す女性の写真が掲載されているが、裁判の中で、女性はこの際に「痴漢」と叫んだと証言。一方で、警察側は女性が胸で腕にぶつかってきたなどと主張した。

 この胸で襲撃した女性は鼻から血を流すほどの衝突をしています。「胸だけ」で襲撃したわけではなさそうです。デモ参加者の3分の1が逮捕される衝突ですから激しいものだったのでしょう。その中で鼻血まで流している、これは手足も含めた暴行の中に「胸」が含まれていたと推測できます。

 香港のニュース映像(注:流血画像あり)

 そして裁判所の判決は「胸で襲撃した」として禁錮3月半。
 判決理由は「暴行」ではありませんでした。

「(痴漢を捏造(ねつぞう)し)警察官の評判を貶(おとし)める行為を試みた」

 この辺りは司法に明るくないのでわかりませんが、「暴行」で逮捕して実刑判決を出した人の判決理由が「名誉棄損」ということはありえるのでしょうか。香港だけに日本と違うのかも知れません。

 ともあれ、流れは下記の通りです。

 1.過激なデモ隊と警官隊が衝突(催涙スプレーで鎮圧するレベル)
 2.女性のデモ参加者の「胸」が警官と「衝突」し「痴漢」と叫ぶ。
 3.さらに、揉み合いの中で鼻血を出す。
 4.女性のデモ参加者を「暴行」で逮捕(デモ参加者の3分の1を逮捕)
 5.裁判で「痴漢」と訴えるも「警察官の評判を貶める行為」として実刑判決

 こうなってくると「痴漢冤罪」問題と重なってきます。女性は警官がデモ制圧の揉み合いの中で痴漢行為を働いたと訴えたわけですが、参加者の3分の1が逮捕されるような揉み合いですよ?警官も5人が負傷しています。とても痴漢行為に勤しむような余裕があったとは思えません。判決も女性の訴えを捏造と判断したということです。

「胸は武器じゃない」でブラジャー男女がデモ行進?

当然かもしれないが、「女性の胸は武器」という判決は、市民の反発を呼んだ。

 経緯を見ると女性が感情的に敵対する相手を痴漢呼ばわりした事件に見えます。しかし結果だけ見ると「胸で腕にぶつかってきた」という警察側の主張が認められたわけで「胸で襲撃」になります。そこだけ切り取ればコメディのような判決です。本当にメディアの伝え方というのは大事ですね。

約200人の男女がブラジャーを身に着けてデモ行進し、実刑判決に抗議した。

参加者は男女を問わず、ピンクや赤色のブラジャーなどを着用。デモには胸部下に「not weapon(武器じゃない)」と書かれた女性の人形も参加した。デモの中で、参加者は「胸は武器じゃない」と叫んだという。

「胸部×武器」と書かれたコラージュ写真が出回り、フェイスブックには「女子自衛術(香港版)」と題したイラストが登場。女子自衛術には、胸にめがけて両手を伸ばす男性に対し、女性が胸で体当たりし、最後は足で踏みつけるまでの“護身術”が8枚のイラストで描かれている。「This is Hong Kong」と題し、男性に胸で体当たりし、刑務所に入れられるイラストなどもある。

 「胸部×武器」のコラージュ写真はこれでしょうか。
 31la2p04

 「女子自衛術(香港版)」はみつかりませんでした。
 おそらくはこれを改変したものではないかと思われます。
 「This is Hong Kong」も類型でしょうか。
 428-130320115009

 何にせよ、おもしろおかしく拡散して遊ばれてしまっています。

発端のデモは中国人の「爆買い」反対デモ!

 事の発端となった過激なデモは、中国本土から来る中国人の「爆買い」への反対デモでした。

大きなスーツケースを抱えた中国人は食料品や日用品、さらに乳幼児用ミルク、クスリ、宝石類などをとにかく買い漁(あさ)る。不動産の購入者も多い。香港での新規の住宅購入者の40%は本土の中国人だという。

しかも、日用品の買い占めで商品が品薄になり、価格が高騰し、庶民の生活に影響が出ている。

 日本では中国人の「爆買い」はトラブルにもなりますが、基本的には大量に買物をしてくれる良い客というイメージがあります。実際、LCCの中国路線がある空港では「爆買い」の中国人を見込んでいるという話もありました。

 日本ではまだ「爆買い」の規模が小さいから恩恵の方が大きいのでしょう。これが価格高騰を引き起こすとあれば反発する気持ちはわかります。以前、日本でも特定メーカーの紙おむつが中国人に買い占められ、日本人の愛好者が入手できないことがありました。日本では店舗間連携などもあり解消は容易いでしょうが、狭い香港では絶対数が限られている商品もありそうです。

 とはいえ、デモ参加者が100人程度では香港全体では「爆買い」を好意的に見ているのではないでしょうか。

「胸で襲撃」ばかりが注目を浴びるが「痴漢冤罪」「爆買い」はスルーされる

 「胸で襲撃」というコメディのような話から始まって、痴漢冤罪が絡み、ブラジャー男女のデモでまたコメディになり、中国人の「爆買い」問題で終わる。ただの世界のおもしろニュースではなく、実に内容の濃いニュースでした。

 批判も多い「爆買い」ですが、これは単純に「安く仕入れて、高く売る」という商売の基本です。これは「小売」とか「貿易」と呼ぶものと同じではないでしょうか。「爆買い」したものを本土で転売されますが、それを購入する人も含めて、みなメリットを享受しているように思います。

 それよりはデモ参加者の痴漢冤罪という行為の方が目にあまります。それが「胸で襲撃」ばかりがクローズアップされて女性擁護、デモ擁護の論調が多いのが残念です。

 「胸で襲撃」は確かにどうかと思いますけれど。

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