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鳥取県の男女共同参画フォーラムの参加費に男女差! 男女平等度日本一の鳥取で何が?

time 2015/08/24

鳥取県の男女共同参画フォーラムの参加費に男女差! 男女平等度日本一の鳥取で何が?

 鳥取県で男女共同推進のフォーラムなのに交流会の参加費に男女差があったことが報じられました。

交流会:「共同参画」なのに参加費に男女差? 1月に鳥取で 指摘受け県に意見書 /鳥取

毎日新聞 2015年08月21日 地方版

男女共同参画推進のため県が今年1月23日に鳥取市内のホテルのレストランで主催した「中国地方輝く女性活躍フォーラムinとっとり」で、交流会の参加費に男女で差があり、県内の男性から県に苦情があった。

県はレストランの料金設定で参加費を決め、チラシを作成。男女で異なることについて何らかの意見が出ることは予測したが、県が料金設定に介入していないと記載することに違和感を覚え、あえてチラシで説明しなかったという。

 意見書は「男女差が生じたのはやむを得ない面があったが、あえて説明を省いたのは配慮が不足している」と指摘。県男女共同参画推進課は「今後、チラシの表記などにも配慮していきたい」としている。

 男女平等など空論という皮肉か、鳥取県が潜在的に男女差を容認する気質を持っているのか。ネットでも様々な意見が飛び交いました。そのひとつの答えとなるのが、2009年に東北大学の研究グループが行った全都道府県の男女平等度ランキング。鳥取県は47都道府県で堂々の1位でした。

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男女共同参画の参加費で男女差があるのは「やむを得ない」?

 交流会の参加費は男性4200円、女性3600円だったそうです。世間一般の飲食費の男女差に比べれば差は小さい方かも知れませんが、「男女共同参画」なのに男女差があるのでは「共同であって平等ではない」と言わんばかりの設定。コントのようなニュースになりました。

 この件を指摘した方は「担当者が違和感や表記への配慮の必要性を感じないこと自体が問題」とし、潜在的な男女差の容認意識を懸念しています。鳥取県の男女共同参画フォーラムの企画に関わる人達は、いわば男女共同参画の「最前線」にいる人達。そんな人達が男女の料金差を気にも留めていないなら確かに問題です。

 県の外部機関の男女共同参画推進員のコメントも的外れ。「やむを得ない面があったが」としていますが、いったい何がやむを得なかったのか。レストランの料金設定で参加費を決めたことが「やむを得ない」と言うことかも知れませんが、そのような「男女差を是認」しているレストランを選択することに違和感がないことが問題です。内部も外部もおよそ男女共同参画の最前線にいるにしては意識が低すぎです。

 敢えてフォローしておけば、地方都市で一定の条件を満たすレストラン等の飲食場を探すのは、都市圏で行うのに比べて遥かに難しいことです。人数や食事内容、駐車場、飲食代など、それに加えて男女共同参画のフォーラムですから、子連れでの入店は可能か、託児可能な施設が周辺にあるかなどの条件も加わるでしょう。すべての条件を満たすレストランがなければ優先順位を付けて選択するしかなく、結果的に料金の男女差が犠牲になったのかも知れません。県側は料金の男女差に意見が出ることは予測したとしていますが、これが後付けのいい訳ではないことを祈りたいところです。

 これは根深い男女差別容認の気質があるのでは?と鳥取県を穿った見方をしそうですが、実は鳥取県は日本一男女平等が進んだ「先進国」だったのです。

鳥取県は都道府県別の男女平等度ランキング第1位!

 2009年に東北大学の研究グループが行った男女平等度測定結果で鳥取県は全国1位となりました。鳥取県は日本で一番男女平等が進んだ都道府県だと報告されています。

 日本における男女平等度指標の開発―ノルウェー統計局の男女平等度指標を参考に―(PDF)

 男女平等度は義務教育、高等教育、人口比、労働参加率、早退給与、女性議員の割合の6項目についてポイントを付け合計点をランキングしたもの。ノルウェー統計局が公表している男女平等度指数の推計手法に基づいて計算したそうです。これによると鳥取県は労働参加率、早退給与、女性議員の割合などで全国トップレベルであると判定され、総合で全国1位となりました。

 この調査結果は政府や企業に影響を与えるものではなく、研究グループの吉田教授も「ランキングが県民の幸せ度を直接に表現するものではない」としています。しかし、男女平等度を数値化して客観視する試みは魅力的ですし、手法は男女平等の先進国であるノルウェー統計局のもの。無視できない結果と言えるでしょう。

男女平等が達成されない原因は?

 今回のニュースを敢えて大きく捉えると「日本で最も男女平等が進んでいる鳥取県で行われた男女共同参画フォーラムでさえ、参加費に男女差があっても企画側は問題だという認識を持たなかった」と言えます。日本の男女平等(ジェンダー・ギャップ)は世界で100位ほどで先進国では飛びぬけて低い順位です。男女平等で日本一と言っても、その程度だということでしょうか。

 気になったのは苦情を挙げたのが「男性」だったということ。もちろん、多くお金を払う側が苦情を言うのは当然かも知れません。しかし、男女共同参画フォーラムで男女平等を謳いながら、飲食代の支払いは男性の方が多いことに違和感を感じない「女性」というのは、実は男女平等の最大の壁かも知れません。

 男女共同参画は内閣でも女性閣僚が就任することが多いです。女性の意見を重視する風潮にあるのは間違っていないと思います。しかし、その女性が「女性にとって利があれば男女差は問題ない」という程度の意識でいるのであれば、永遠に男女平等は訪れないでしょう。今回の鳥取県の件、県の担当者が女性だったのかも気になるところです。

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