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北朝鮮vs韓国「準戦時状態」突入! 第2次朝鮮戦争勃発か?

time 2015/08/22

北朝鮮vs韓国「準戦時状態」突入! 第2次朝鮮戦争勃発か?

 8月20日、韓国と北朝鮮の南北軍事境界線付近で両軍の砲撃が行われました。韓国軍によれば北朝鮮からの砲撃を受け、これに応射したとのことです。

 これは10日に南北軍事境界線の南側で韓国軍兵士が地雷により重症を負い、これを北朝鮮の地雷だと断じたことによる報復と思われます。北朝鮮は地雷との関与を否定していました。そこで韓国側は報復措置として拡声器による北朝鮮を批判する放送を流し、さらにそれに報復する形で拡声器に向けて砲撃した模様です。但し、北朝鮮は砲撃を否定しています。

 38度線を挟んで双方が砲撃したとされ、にわかに緊張が高まっています。北朝鮮の金正恩国家主席は「準戦時状態」を宣言、対して韓国の朴槿恵大統領も「挑発には断固対応せよ」と命令を出しました。

 いよいよ第2次朝鮮戦争の勃発か?という雰囲気が漂う中、専門家の意見は冷静で「大規模衝突にはならない」という見方が大勢を占めています。日本の自衛隊なら砲弾を1発撃っただけでも「戦争状態」と大騒ぎになるところが、朝鮮半島では事情が全然違います。どのようになっているのでしょうか。

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すでに休戦協定は無効?何度も表明される「挑発的発言」

 北朝鮮と韓国が38度線を国境線として定めて事実上の休戦になったのは1953年のことです。この時に韓国は休戦協定に署名していないという事実があります。しかし、米国、中国、北朝鮮が署名し会議に韓国代表も参加していたことから事実上休戦合意とみなされています。

 ところが、北朝鮮の指導者が二代目の金正日に代わると「休戦協定に束縛されない」と表明します。これは米韓軍の大規模演習に反発して出されたものです。背景には、休戦協定で朝鮮半島からの外国軍の撤退が勧告されたにも関わらず、米韓相互防衛条約を盾に米軍が現在でも撤退していない状況があります。中国軍は1958年には全軍撤退しており、米軍の協定不履行とみなして無効だと主張していると思われます。

 2009年には「休戦協定に効力は無いとみなす」と表明します。今となっては北朝鮮と韓国の国力・軍事力は雲泥の差があります。それがゆえに「挑発」としか受け取られていませんが、この表明を真に受ければすでに朝鮮戦争は休戦状態から脱し、再開しているとも受け取れます。

砲撃は戦争ではなく事件?過去に何度もあった軍事衝突

 北朝鮮と韓国の休戦協定後の衝突については列挙しきれないほどの数があります。最近は核開発やミサイル実験など直接的な衝突は減りましたが、銃撃・砲撃は日常茶飯事のように発生しています。最近の事件をピックアップしてみます。

 2009年11月には「大青海戦」が勃発します。双方の軍艦が黄海の軍事境界線付近で銃撃戦を行いました。交戦時間は2分、死者1名負傷2名という小規模な戦闘でした。「偶発的な衝突」とされましたが、この海域は両国の主張が噛みあわず互いに領海としており、歴史的に衝突の場に使われてきました。

 2010年に「天安沈没事件」が発生。「大青海戦」と同じ海域で韓国海軍のコルベット(小型の駆逐艦)「天安」が触雷して沈没します。乗組員104名のうち46名が行方不明になりました。これを北朝鮮の魚雷攻撃または機雷によるものと断じ、対して北朝鮮はこれを「謀略」と批判し緊張が高まりました。各国の専門家が調査に加わり結果的に北朝鮮の機雷によるものとされました。

 同年の後期には「延坪島砲撃事件」は発生、これも同じ海域での衝突です。北朝鮮が韓国領の延坪島へ砲撃を
行いました。北朝鮮は砲弾170発を発射、対して韓国は80発を応射し戦闘機4機をスクランブル発進させました。これにより韓国側は軍人2名民間人2名が死亡しました。「延坪島砲撃事件」はこの翌年に国家主席に就任する金正恩が指揮したと北朝鮮は発表しました。

 延坪島は1999年に第1延坪海戦、2002年に第2延坪海戦が勃発しており激戦地になっています。双方の死傷者数は合わせて200名になるとみられています。

北朝鮮は2015年を勝負の年に?

 2010年といえばK-POP人気が盛んだったことのこと。2011年の紅白歌合戦には東方神起、少女時代、KARAが出演しています。その頃に韓国の一地域では軍事衝突が起こり死者も出ていたのです。逆に言えば、「鈍感」になるくらいよくあることだとも言えます。但し、2015年は少し事情が違うようです。

 2014年の年初に北朝鮮の金正恩国家主席は、「15年に韓半島で武力衝突が起きる可能性がある」「いつでも戦争できるように万全の準備を整えるように」と指示したとされています。これは民主国家の主席ではなく独裁国家の主席の発言であることは要注意です。「暴走」も可能なのです。

 客観的にみれば北朝鮮が本格的攻勢に出ても結果は知れています。わかっている軍備の差は歴然ですし、背後に米軍がいる時点で世界のどの国でも勝ち目はありません。しかし国内事情によってはその暴挙に出る可能性もありえます。北朝鮮国内の情報は少ないのでわかりませんが、報道通りにいまだに粛清をしているならば金正恩体制は盤石ではないのでしょう。

周辺国の声は冷めている「またやってる…」

 周辺国は冷静です。米国は「小規模な追加衝突はありえるが大規模化することはないだろう」、中国は「大規模な軍事衝突に発展することはない」と見解を示しています。これは「その辺でやめとけ」というメッセージとも受け取れますが、過去の経緯から楽観視しているということでしょう。

 日本の専門家も「北朝鮮の『準戦時状態』も何度も出ている。常識的には全面戦争にはならないだろう」としています。

 2010年の「延坪島砲撃事件」では砲撃で爆炎に包まれる島の様子がテレビで報道され、これはすでに「戦争」ではないか思われましたが、結果は「事件」として大事にはなりませんでした。今回も双方が砲撃したとはいえ、対象は拡声器ですから、戦争に発展する可能性は極めて低いでしょう。

発端の地雷事件は北朝鮮の犯行なのか?

 韓国の朴槿恵大統領が敏感に反応しているのも国内事情が先立っている印象があります。朴槿恵大統領は支持率が20%台に落ち込み、主に経済政策で批判を受けています。外敵というのは民衆の視線を反らす対象として古くから用いられてきました。

 今回の発端も地雷事件の犯人を北朝鮮と断定したことです。軍事境界線の南側に北朝鮮の地雷が埋まっているということは、工作員が国境を越えて侵入し敷設したということ。そんな安易に国境を越えられるのでしょうか。また国境を越えた工作員のやることが「地雷の敷設」というのも違和感があります。

 北朝鮮からの情報が少なく韓国からの情報が多いため、韓国視点で物事を見がちですが、今回の発端である地雷事件については、本当に北朝鮮の犯行かは不明瞭です。安易に北朝鮮に責任転嫁し民意を煽って不満を反らすガス抜き。通常ならそれは反日でしたが、近々の課題である経済問題の解決には日本との和解は不可欠な状況で反日カードが使えなかったと見ることもできます。

 もし自作自演だったとして、それが北朝鮮との大規模衝突に発展してしまったとしたら。歴史の教科書には何と書かれるのでしょう。

 ところで、拡声器の放送で戦争騒ぎになる北朝鮮も、本当に体制崩壊が近いのかも知れません。

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コメント

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