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武藤貴也議員の炎上問題 押さえどころは3つの批判内容!

time 2015/08/06

武藤貴也議員の炎上問題 押さえどころは3つの批判内容!

 自民党の武藤貴也議員がツイッターでの発言により炎上しています。
 これは国会にまで波及して、野党が批判を繰り広げるに至りました。
 当の自民党議員からも批判は噴出。
 教育評論家の「尾木ママ」も議員辞職を勧めるなど、広がり続けています。

 問題のツイートは安保法制に反対するSEALDsに向けたもの。
 『「だって戦争に行きたくないじゃん」という自分中心、極端な利己的考え』

 何が問題視され、何がポイントなのか。
 時事ネタとして押さえておくべく、3つのポイントに絞ります。

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武藤貴也議員の問題のツイートの全文は?

 まずは、ツイート全文を紹介します。
 この手の騒ぎは、「一部を切りだして」攻撃するのが常套手段です。
 客観的に分析するには、元ソースの全文を読むのは必定です。

 このツイートの「戦争に行きたくない」「利己的」が批判の的になりました。

 ちなみに、SEALDsは「戦争に行きたくない」という主張はしていないそうです。
 SEALDsの主張というより、一部の人の主張を代表的に見たものと思われます。

 この点から、武藤議員のツイートはSEALDsという組織へ向けたものではなく、
SEALDsも含めた安保法制反対デモを行う学生集団に向けたものと捉えられます。

 このツイートに対する批判はやまほど出て来て炎上しています。
 しかし、概ね以下の3つにまとめられます。

 反対派: 「戦争に行きたくない」は「利己的」ではない!
 自民党: 戦争に行くことが前提となっており勘違いしている!
 尾木ママ:憲法を遵守しない国会議員は資格がないから辞職せよ!

「戦争に行きたくない」は「利己的」ではない!

 民主党の細野議員は「利己的とは思わない」と自分の考えを示しました。
 その上で、ナチスのゲーリングの言葉を引用しました。

「平和主義者については、愛国心がなく国家を危険に晒す人々だと公然と非難すればいい。

 先日の「メディアを懲らしめる」などの問題と絡め、政府与党の強権主義が
若手議員にも蔓延しているという論調で批判を繰り広げています。

 ツイッターやネットの批判も、「利己的」ではない!が多いです。
 「戦争参加を拒否するのは近代民主国家の国民として正当」などです。

 武藤議員はこれに対して、ブログで反論しています。

読んで頂きたいのは、砂川判決における田中耕太郎元最高裁判所長官の補足意見、以下の箇所です。

 「要するに我々は、憲法の平和主義を、単なる一国家だけの観点からでなく、それを超える立場すなわち世界法的次元に立って、民主的な平和愛好諸国の法的確信に合致するように解釈しなければならない。自国の防衛を全然考慮しない態度はもちろん、これだけを考えて他の国々の防衛に熱意と関心とをもたない態度も、憲法前文にいわゆる『自国のことのみに専念』する国家的利己主義であって、真の平和主義に忠実なものとはいえない。

 これが武藤議員の「戦争に行きたくない」は「利己的」とする根拠です。

戦争に行くことが前提となっており勘違いしている!

 武藤議員は「戦争に行きたくないじゃん」を「利己的」としています。
 しかし、政府の主張は、安保法制によって戦争のリスクは下がるのです。
 なので、「戦争には行かないから大丈夫」と答えるのが筋だということです。

 この炎上騒ぎは国会に波及して野党の批判材料になっています。
 与党としては、磯崎補佐官の「法的安定性」発言がまだ燻っている状態。
 そこに新たな火種を投げ込む所業はやめろと言いたくなるのもわかります。

 武藤議員はあとから記者団へ党の主旨に沿った内容の回答をしています。
 「法案が成立しても戦争に行くことはなく、学生たちが誤解している」
 その上で、ツイートを撤回する気はないとも話しています。

 後付け感はあるものの、「戦争に行くことになったと仮定した話」で
ツイートしたのであって、安保法制は戦争に行くわけではないというスタンス。
 自民党は火消しに躍起ですので、党内からの批判はこれで幕引きでしょう。

 これも、「戦争法案」というレッテル貼りから生まれた勘違いでしょうか。

憲法を遵守しない国会議員は資格がないから辞職せよ!

 最後に、「辞職せよ!」という強い反発の声。
 これは武藤議員の主張が「現行憲法のせいで古き良き日本精神が壊された」と
いうものであることから、国会議員の憲法遵守に反するといった議論です。

 武藤議員は憲法の三大原則を「日本精神を破壊する」としており、憲法99条の
「国会議員は憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」に反するとしています。
 それで国会議員の資格がないのだから辞職せよ、と主張しているのです。

 メディアは面白がって取り上げていますが、筋違いの主張かと思います。

 武藤議員は選挙により負託された代議士です。
 有権者を騙して投票させて国会議員になったわけではないですから。
 辞職せよと言う権利があるのは、彼を当選させた滋賀の有権者だけでしょう。
 比例で当選した上西小百合議員とは、話が違います。

 また、国会議員は憲法を遵守し擁護するとしていますが、武藤議員は憲法を
遵守し擁護していると思います。
 そうでないならば、いずれかの犯罪を問われているはずです。

 そもそも、国会議員は憲法を遵守し擁護するとしながら、憲法改正にはまず
国会議員の2/3が賛成しなければ始まらないのです。
 憲法に反する思想を持つだけで議員辞職ならば、憲法改正は不可能です。
 改憲反対派にはそれで良くても、システムとして失敗作でしかありません。

 つまり、思想は自由であるが、行動は憲法を遵守し擁護せよということです。
 他の国会議員からこの点の指摘がないのは、わかっているからでしょう。

ビジネスパーソンなら中立性と客観的な視点から見たい

 炎上騒ぎに便乗するよりは、中立的、客観的な視点から斜に眺めたいところです。

 とにかく安保法制に絡む話は、誹謗中傷が多くて辟易します。
 もっと理論的に反論すれば、議論が煮詰まって行くのですが、何に反対かも
曖昧な相手を中傷するだけのコメントが多くて、とても残念です。

 「政治家の方が利己的だ」「それは戦時中の考え方」「極右的発言」
 政治家の方が利己的で戦時中の考えで極右発言だったとして、何が悪いのか。
 それには触れられていないので、主張もわからないし再反論もできない。
 言い逃げの誹謗中傷になってしまっているのです。

 「利己的」の部分についても、細野議員は「政治家の驕り」を持ち出します。
 それに対し武藤議員は砂川判決のこの部分と、根拠を示しました。

 思想の善し悪しは置いて、武藤議員の考えの方が明確でわかりやすいです。
 なぜ、反対派もこのように明確でわかりやすく反対して頂けないのか。
 だから、いつまでも「戦争法案」というレッテルが横行したままです。

 それが反対派の戦略だとすれば、本当の日本の危機かも知れません。

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