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原爆投下日7割が不正解① なぜ正解を「昭和」に限定したのか?

time 2015/08/04

原爆投下日7割が不正解① なぜ正解を「昭和」に限定したのか?

 被爆70年ということでNHKが世論調査を行いました。
 内容は「原爆について」です。

 広島の原爆投下日を正しく回答した人は広島で69%、全国で30%でした。
 長崎はの原爆投下日は長崎で59%、全国で26%でした。
 全体の7割が不正解という結果になりました。

 詳細はリンク先を参照ください。
 全国以外にも、広島、長崎に限定した割合も出されています。

 このアンケートにネットでは恣意的だという反応があります。
 原爆投下日を「元号」まで正解しないといけなかったからだとか。

 そもそも、なぜ開戦日や終戦日より原爆投下日が注目されるのでしょう?

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「元号」まで正解しないといけないのは恣意的か?

 NHKのアンケートは「元号」まで正解しないとカウントされない方式でした。
 これにネットでは「恣意的」「西暦だったら正解率上がるでしょ?」という
コメントがつき、「NHKの世論調査なんてこんなもん」という声もあった。

 昭和に慣れた世代からは「昭和で答えらないなら西暦も知らないだろう」と
言いたくなるでしょうが、ネットの反応は逆になっています。
 「ほとんどの人が西暦で覚えている」「昭和は計算しにくい」といった声が
多く挙がっているのです。

 なぜ、NHKは西暦での回答を正解とカウントしなかったのでしょうか。
 もし、「恣意的」であるとすれば、そこがポイントなのでしょう。

正解率を下げてインパクトを付けたかった?

 このアンケートは被爆70年に合わせて行われたものです。
 投下日以外の質問も、「アメリカを許せるか」「核戦争は起こるか」と
いった内容で、70年を経た現在は世論がどうなっているかを尋ねています。

 当然、原爆投下日を答えられない人が多い方がインパクトは強いです。
 要するに、記事としておもしろいということです。
 この記事にインパクトを付けるための「恣意的」だった可能性もあります。

もしも正解率が高かったらどうなっていたか?

 正解率が高かったら見出しは「世代を超えて継がれる原爆投下日」といった
内容になり、注目を浴びずらい記事だったろうことは予想できます。
 それは「戦後は終わっていない」というメッセージになり得ました。

 次の質問である「アメリカを許せるか?」は4割以上が「許せない」と
回答しているのですから、「戦後は続いている」という論調も可能です。

 安倍首相が進める「戦後レジームからの脱却」へのアンチテーゼ。
 「脱却はまだ早い」という論説にすることもできたのです。

 もちろん、「戦後は終わっていないから脱却しよう」という論調もできます。
 この論調であれば「戦後レジームからの脱却」を後押しする内容です。
 同じ結果から書き方ひとつで肯定も批判もできるメディアはすごいです。

昭和だけOKで西暦をNGとした意図を深読みすると?

 昭和20年も西暦1945年も、普通の人には同じ意味でしかないです。
 しかし、この調査では昭和は正解、西暦は不正解と意味付けされています。
 この意味がなんなのか、深読みしてみましょう。

 まず、原爆投下日は昭和で記憶すべき、という前提があることが読めます。
 逆に言えば、西暦で覚えても意味がないと言いたいのでしょうか。
 では、なぜ昭和でないと意味がないのか?

 昭和=戦争というイメージがあることが考えられます。
 戦争にまつわる年号は「昭和」であるべきという。
 その先には「昭和天皇」と戦争を結び付ける意図があるのでしょうか。

 NHKの報道姿勢はリベラル寄りと言われますから、つい疑ってしまいます。
 しかし、戦争と紐づけるなら皇紀に限定して欲しかったです。
 当時は「皇紀」を使っていたのですから。

結論としてよくわからない

 今でこそ平成の世ですから、西暦を用いる人も増えました。
 しかし、昭和の世は年号といえば「昭和」がほとんどという時代です。
 単にその名残から「昭和」に限定したという読みもあります。

 しかし、平成ももうすぐ30年です。
 主催者が昭和の人だから昭和に限定するのでは、偏狭と言うものでしょう。

 実はこの線が濃厚ではないかと思っています。
 「恣意的」というには「恣意」に欠けるイメージです。
 主催者だけが答えを知っているのでしょう。

 ⇒原爆投下日7割が不正解② 開戦日、終戦日はなぜ聞かない?

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