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「上司にしたくない日本史の人物」から読む一般レベルの歴史認識

time 2015/08/02

「上司にしたくない日本史の人物」から読む一般レベルの歴史認識

 gooランキングで「上司にしたくない日本史の人物」が公表されました。
 正式には「上司や担任教師だったら絶対に面倒だと思う日本史の人物」です。

 1位 織田信長
 2位 徳川綱吉
 3位 豊臣秀吉

 以下、リンク先参照

 さて、皆さんは歴史上の人物にどれだけ造詣が深いですか?
 このランキングは歴史への精通度が測れるものだと思います。

 それぞれに掘り下げいきます。

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1位 織田信長 「殺してしまえ ホトトギス」は徳川賛美の歌!

 1位は日本史上で一番の有名人であろう織田信長でした。
 信長といえば、とにかく厳しいイメージがあります。

 「鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス」とは信長を表した有名な歌です。
 でも、これは江戸時代後期に書かれたものとされています。

 江戸時代は当然ですが徳川の世。
 家康は大権現として祀られています。

 つまり、この歌は信長、秀吉は前フリで、家康の「鳴くまで待とう」が
本当に歌いたかった部分と考えることができます。
 そしてその内容は家康を褒め称えるものです。

 「殺してしまえ」や「鳴かしてみせよう」に比べて「鳴くまで待とう」の
慈悲深いことを家康を称える意味で歌ったと受け取るとイメージが変わります。

織田信長は「実力主義」

 信長の厳しい面を伝える逸話といえば、佐久間信盛が挙げられます。
 佐久間信盛は信長の父・信秀の頃から仕える信長家臣団の筆頭格でした。
 その信盛は対本願寺の戦の司令官として戦った後に領地を召上げられます。

 この戦は和睦で終わり織田方が敗北したわけではありません。
 「積極的に攻勢にでなかった」というのが理由でした。
 なぜ信盛がこれほどの仕打ちを受けたか、今も明らかにはなっていません。

 しかし、注目すべきは信盛の後釜が明智光秀だということ。
 光秀は尾張時代からの忠臣ではありません。
 言うならば、外様という立場でした。

 信長は実力があれば誰でも取り立てる「実力主義」でした。
 それが譜代筆頭だった信盛の替わりが外様の光秀だったわけです。

 これが上司だとすればどうでしょうか。
 異動してきた上司が、前の部署から連れてきた人達ばかりを取り立てれば、
元からその部署にいた人達はおもしろくありません。

信長はさらに「平等」かつ「正義」だった

 信長は既存の価値観を覆るようなことを多々実行しています。
 そのひとつに「平等」というのがあります。
 当時は不平等であることが当然の世でした。

 ルイス・フロイスは信長について、「卑賎の家来とも親しく話をした」と
伝えており「高貴な物は卑賤の者と触れると穢れる」という当時の価値観を
ものともしていなかったようです。

 また、当時は女性の立場は軽く名前も残っていない(○○の妻として残る)
ケースが多い中で、女性を重視していたとされています。
 秀吉夫妻の夫婦喧嘩を仲裁した逸話は有名です。
 また「信長公記」には庶民とも分け隔てなく付き合う逸話が残されています。

 そして信長は「正義」をとても重視していました。
 信長は自ら盟約、和睦を破ったことはないとされています。
 逆に、信長を裏切った者には極刑を科すなど苛烈な処置を行いました。

 上司だったらどうでしょうか。
 女性差別の上司など論外ですし、社内の立場に会話もしない上司も嫌です。
 事前に同意を得たのにいざとなれば翻し背後から撃つ上司なんて最悪です。

意外と悪くない織田信長

 さて、ここまで見て上司・信長も悪くないと思いませんか?
 実力主義、平等主義、約束は守る。
 当然に思えて、実際に実践している管理職は少ないのではないでしょうか。

 織田信長、上司として悪くないと思います。

2位 徳川綱吉 天下の悪法「生類憐れみの令」

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 綱吉といえば「生類憐れみの令」が代名詞です。
 犬だけが対象だと勘違いされがちですが、蚊や蠅も対象にしています。
 しかも密告を推奨し、密告者には賞金が出されていました。
 その反面、魚釣りは厳密には取締られず、外人の肉食も許されていました。

 このお触れは確かに悪法、悪政というに相応しいものです。
 しかし、それ以外の綱吉は聡明な名君とも言われています。

 将軍就任は大阪の陣から65年後のことです。
 もはや、戦国の世を知る者も、多くは世を去った頃です。
 今年が太平洋戦争終戦から70年だと思えば、似たようなものです。

 綱吉は戦国の殺伐さを排除して、徳を重んじる社会へと転換させていきます。
 戦国レジームからの脱却といったところでしょうか。
 この頃の綱吉は善政を敷いたとされ「天和の治」と称えられます。

 上司だったらどうでしょうか。
 営業利益を求めて殺伐とした会社を、顧客満足度重視に変えたようなものです。
 サービス残業上等からライフワークバランスに重点変更したようなものです。

 徳川綱吉、悪法は勘弁ですが、良い面もあるなという印象です。

3位 豊臣秀吉

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 呑み会大好き、女子大好き、派手好き、基本的にひねくれ(傾奇)者。
 嫌われたり敵に回したりすると、冷酷な対応。

 権謀術数に長けた、叩き上げの上司。
 子飼いになれば、昇進とともに引き上げてくれることは間違いなし。
 人たらしと言われた手腕で、チームの問題も全て解決してくれます。

 賛否両論分かれそうな逸話が多いです。
 秀吉は逸話が多すぎるので、思い切って割愛します。

総評

 1位~3位を見たところ、第一印象で判断されたなと思います。
 織田信長なら部下に厳しい対応をした印象。
 徳川綱吉なら「生類憐れみの令」。
 豊臣秀吉なら飲み好き、女好き、派手好き、ひねくれ者。

 しかし、人物を掘り下げれば良い点もいくつも出てきます。
 現代社会でも実在すれば人の上に立ちそうな方々です。

 ところで、4位卑弥呼、5位坂本龍馬。
 この辺りは一体、どのような第一印象を持たれているのでしょうか。
 特に卑弥呼なんてほとんど記録も残っていないのに。
 坂本龍馬もフリーランスであり、組織の長ではないでしょう。
 あるとすれば亀山社中の社長ですが、大したエピソードもありません。

 謎が多いランキングだなというのが第一印象でした。

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